元祖 ひまうま本舗

「ひまうまの世間は、鬼ばかり?」後身blog

並べる順番?

2023-08-06 09:38:23 | 独り言




「一番嫌いなのは面白いコントをダーッと並べられる事だ。お笑いは並べる順番と言うか計算が大事だから、そこが解らない人に構成されると、逆に本当につまらないものになっちゃう」。こちらは志村けんが、お笑いの構成について語ったものだが、そこには間も入るだろう。即ち何事も約束事はあり、そう言う事を言っている。タモリさんは、よく「NHKのお笑い番組程、つまらないものはない!」と言っていたが、そう言う事。以前にそのNHKの番宣を観て呆れた事があった。なんとその進行役が笑いながら「この番組は、面白いよ!」と言った。流石にそれは禁句だ。観る前から面白いか、どうかなんて観るまで解らない。そんな番宣程、くだらないものはない。その例でもないが、バブル期に久々にTBSで、植木等さんのバラエティー番組が放送された事があった。(『植木等デラックス』(1991))これも面白くなかった。肝心のコントよりも、ゲストとのトークの方が面白いのだから終わっている。思えば日本テレビで長年、放送されたタモリさんの「今夜は最高!」の後期もそうだった。「真摯」にと言う言葉が在るが、それも“構成の内”と捉えても良いだろう。即ちそこにコメディアンなりの個性や人柄がマッチしないと駄目なのだ。更に絡む共演者が、同じ呼吸やリズム感がなければ観ている人には伝わらないだろう。残念ながら植木等さんの、その番組にはそれがなかった。同じTBSならテレビドラマの『オヨビでない奴!』(1987年10月 - 1988年3月、TBS)の方がマシだった。「何故、そうなるか?」その違いがお解りだろうか?それが構成で、そこに脚本を元に時間を掛けて役者と作り上げるテレビドラマと、即興性が求められるバラエティー番組との違いがある。つまりバラエティー番組なれば、脚本を元にコメディアンなり、役者の即興性を見越した演出をする必要があり、演出家の能力が問われるのだ。処が、植木等さんの晩年のそれは、演出家が植木さんに頼ってしまった。これでは共演者とも噛み合わず、植木さんが浮くだけだ。そんな理由で、タモリさんの「今夜は最高!」の後期のクールも一体性に欠けていた。それは共演のワハハ本舗を別なメンバーに切り替えたのも原因だったのかも知れないが、この番組は、ボードビリアンの特質が強いタモリさんと、共演者として使っていたバンドマンならではのノリが、タモリさんの感覚と合った事から成功した番組だった。後期はプロデューサーの目が狂ったようだ。だからコントを交えたバラエティー番組は難しい。“阿吽の呼吸”が活かされるのは、その手の業界の方が、より重要な感じがする。もちろんセンスも要求される。簡単ではない。



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