竹林の愚人  WAREHOUSE

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ややこしいテレビ・DVD選びをすっきりさせる本

2005-11-02 23:08:13 | BOOKS
藤井耕一郎 「ややこしいテレビ・DVD選びをすっきりさせる本」 草思社 2004.07.16.

視聴率が何よりも優先されている現状では、「見てくれそうな人」を対象に「その人たちが見てくれそうな番組づくり」しか行なわれない。この「掟」がテレビを画一化してしまう。 
視聴率は、「番組編成」という「時間割」の作られ方にも影響を及ぼしている。各局が、視聴者の世代や性別や視聴時間帯をもとに視聴率を計算するため、みな似たような横並びの編成になってしまっている。
こうした現状に従いたくないなら、録画することによって「時間を自由に行き来する」ことだ。そこに「番組蓄積型」を可能にした新しい録画機の使い道がある。さらに、HDD&DVDレコーダーを駆使して、録画した番組を外へ持ち出して見る「モバイル:テレビ」の可能性も広がりつつある。「時間」だけでなく「場所」の制約からも逃れられるというわけである。 
「番組を選ぶ」方法が自由になれば、「無料で借りられるレンタルビデオショップ」の状態に近くなってくる。テレビ局にとってこれは一大事である。CMを見てもらえなくなる。 
そこで、デジタル放送の録画に対する規制の強化に乗り出した。当然、「違法コピーの流通を防ぐ」という名目が唱えられている。 
新しい録画機の登場で、快適な録画ライフが実現できるところまできているにもかかわらず、それにブレーキをかけるようなデジタル放送のコピー制御問題が出てきてしまった。いったい私たちはどうしたらいいのか。 
結論をいえば、いまの状況では「デジタル情報」の持ち味を100%活かして録画を楽しむのはムリである。この壁を打開する手だては「デジタル」という言葉に踊らされず、「アナログの道を行く」ことである。アナログ番組もHDD&DVDレコーダーに録画すれば、そのデータはデジタルの記録になるから、加工したり外へ持ち出したりできる。それによって「デジタル製品」はようやく自由に使える道具になり、本来、持っている高いデジタル能力を活かすことができるのだ。 
ハイビジョンテレビやハイビジョン対応テレビは「見るだけ」に徹することだ。高画質.高音質の番組を何度もじっくり味わいたいなら、市販やレンタルのDVDを利用すればいいのである。