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世界最高額の切手「ブルー・モーリシャス」を探せ!

2008-01-23 23:27:26 | BOOKS
ヘレン・モーガン 世界最高額の切手「ブルー・モーリシャス」を探せ! コレクターが追い求める「幻の切手」の数奇な運命 光文社 2007.12.25. 

「ブルー・モーリシャス」という呼び名で知られる1847年発行の額面2ペンス「ポストオフィス」という切手は、売りわたされるたびに高値がついていく。 1903年末の競売では1,450ポンドという記録的な高値がついた。競りおとしたのはイギリスのジョージ皇太子、のちのジョージ五世だ。 1963年にはロンドンの競売で尼崎の金井宏之が、8,500ポンドというイギリス連邦の切手一枚としては最高記録でポストオフィスを手に入れ、大いに話題になった。1965年には2ペンスポストオフィスを購入し、未使用状態で両額面が揃っているという貴重なペアを完成させた。使用ずみの2ペンス、それに1ペニーと2ペンスが貼られたボルドーの手紙が集まった。ボルドーの手紙に支払った金額は1億2,000万円である。そして使用ずみ1ペニーを1971年3月にニューヨークで開かれた競売で落札し、ひとりのコレクターとして最高の6枚を集めた。



金井はこの圧倒的なコレクションをもとに、インド洋に浮かぶ小さな島、モーリシャスの郵便の歴史について研究をはじめ、『クラシック・モーリシャス』という英語版を出した。 ポストオフィス切手の最高所有記録を打ちたでた金井は関心を別の分野に移し、コレクションのすべてをスイスの競売商に託した。 1988年に金井のコレクションを民間の企業連合が購入するが、それは明らかに投資目的だった。企業連合は5年後にコレクションを売却。ボルドーの手紙についた価格は400万ドルと、郵趣品の落札額としては史上最高で、以後はこの記録に迫ったという話すら聞かない。 モーリシャス初期切手に注ぐ金井の愛情は、彼の隣に住んでいたチャンド少年にも伝染する。大英図書館はモーリシャス郵便史を封筒でたどる重要なコレクションを展示しているが、そのコレクションの持ち主こそ、1962年にシンガポールで生まれ、日本で育ったグィクラム・チャンドだ。ただ、チャンドのコレクションには大きな空白があった-ポストオフィスである。 現在確認されているポストオフィスは26ないし27枚。最後の発見からすでに60年がたっているが、まだ古い手紙の束や、忘れられた古切手の山のなかで、知られないまま眠っているかもしれな。


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