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Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

東のエデン 第2話「憂鬱な月曜日」

2009年04月23日 | 東のエデン
この番組の第1回をレビューしたとき、ちょうど話題になっていた北朝鮮の
ミサイル問題に触れて「シンクロニシティめいたものを感じる」と書いたら
なんと翌々週には裸の王子様が本当に出現してしまいました。
これぞまさしく「痴デジ大使」、赤坂でもJohnnyが一矢報いてしまったようです。
地上波デジタル移行前に、まさか本人が画面から消えちゃうとはねぇ。
しかしここまでズバズバ当てるとは、もう「ネ申山監督」と呼ぶしかないかも。

さて、気を取り直して本題のアニメの話へ。
第1話でいきなり「世界の中心」ことホワイトハウスからはじまった物語ですが、
ヒロインの咲は「ここは世界の中心じゃない、私たちとは何の関係もない場所」と
あっさり見切りをつけ、日本へと帰国の途に着きます。
成り行き上それにくっついて来る感じで、本家ジョニーの滝沢王子も日本へ。
第2話はそんな二人が、日本に帰ってきた飛行機の機上からミサイルの着弾跡を
見下ろすというシーンから始まりました。

11発目の着弾ではじめて犠牲者が出たという、このミサイル攻撃の真意とは?
いったい誰が何を意図しているのかわからないまま、新たなセレソンも登場して
物語はさらに謎と複雑さを増していきます。
オーダーすれば人も殺せるノブレス携帯は、どこまで万能なのか。
そしてそれを持つセレソンたちに与えられた「持てる者の義務」とは何か。
そして、彼らの行動は本当に救世主たりえるものなのか。

表と裏を使い分けるセレソンNo4のアクの強さに対し、如才のなさと素直さを
自然体で切り替える滝沢の柔軟さが好対照。若者らしい爽やかさを感じます。
もっともこの姿が本物なのかは、今後を見ないとわからないですが・・・。
それにしても洗脳プログラムの代金が900円とは、なんとも安い!

世界が静かにその闇をのぞかせる中、滝沢と咲は互いの境遇を語ることによって、
その距離を少しずつ縮めていきます。
万能携帯を持ち80億を超える金を動かせる滝沢ですが、缶コーヒーを飲みながら
500円の大切な思い出を語るひと時のほうが、よっぽど幸せそうに見えました。

今回は咲のクルクルと変わる表情もよかったです。

I.Gのキャラは時としてあまりにフラットで硬質に見えるときがありましたが、
今回の作品ではいい感じの柔らかさが出ていると思います。
ふわふわしたタッチの羽海野キャラを森川聡子氏がリデザインすることによって
柔らかい中に芯が通ったキャラクターが完成したのでしょうね。

そしてミサイル事件からのつながりで咲が語った「9.11」に対する感覚。
1話の流れと対比させると、この日以降「世界の中心」はホワイトハウスでなく、
グラウンド・ゼロであったことを、暗に示唆しているみたいです。
物語の中では跡地に新たなビル「フリーダム・タワー」が建てられていますが、
その傷跡を物理的に埋めてしまった後も、人々の心に開いた大きな穴までは
やはり埋められなかったようですね。

そんな違和感を「なんかぺろんとキレイで」と表現してみせた咲のセリフには、
鋭い感受性と表現力の豊かさを感じました。
このセンスこそ、彼女が「POPの達人」である理由なのかも?

映像の美しさだけでなく、セリフでも魅せてくれるこの作品。
やっぱり今期一番の注目作だと思います。今晩の第3話にも期待大。
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