Biting Angle

アニメ・マンガ・ホビーのゆるい話題と、SFとか美術のすこしマジメな感想など。

豹頭の戦士とBLの母、逝去

2009年05月27日 | SF・FT
本日の新聞に、作家の中島梓氏の訃報が載っていました。

享年56歳。ベテラン作家で著作も多いので、失礼ながらもっと高齢かと
思っていましたが、まだずいぶんお若かったんですね。
経歴の多彩さはWikipediaなどに詳しいですが、作家として幅広いジャンルに
書きまくったほか、舞台演出からバンド活動、そしてTVタレントに至るまで
メディアをまたにかけて活躍した方でした。

オタク文化的には、雑誌「JUNE」で現在のBL系に至る基礎を築いたことも
強く印象に残っています。
当ブログでも以前に武部本一郎展の記事で「ニーベルンゲンの歌」の所蔵者である
中島氏について触れましたが、その時のイメージはこれに由来するものです。

しかしSF読みには、むしろ「栗本薫」の名のほうが知られているのかも。
なんといっても『グイン・サーガ』は大ベストセラーだし、出版小説としては
実質的に世界最長の小説ですからね。

実はこの方の作品ってほとんど読んでないけど、ここ数年の間に『グイン』の
新作刊行が大幅にペースアップしたのはちょっと気になってました。
本人も病気のことを考えて、執筆ペースを上げていたのかな・・・。

物語も終盤に差し掛かったようだし、今年になってアニメ化もされた矢先に
作者が鬼籍に入ってしまうとは。
『グイン』も、結局は未完のままで終わってしまうのでしょうか。
年齢的にはまだまだ書けるはずだったのに、残念なことです。

訃報といえば、先月はニュー・ウェーブSFの「産みの父」であるJ.G.バラードも
ついに亡くなってしまいました。
国も世代も違えど、SFが熱かった時代の立役者が次々に退場していくのは
なんとも寂しいものです。
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