いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

根の深い木 第7話

2014年04月11日 | 根の深い木
本当に面白くて、深く考えずにぐいぐい次を見てしまいます。
謎解きを堪能するというよりは、
なんなの?なんなのー?って言いながら見る方がわたしにはあってるみたい。

敵の正体がそうそうにわかったりして展開がはやい部分と、
肝心のところは隠されているというあたりの塩梅がうまいドラマだなぁ、と思います。


《あらすじ》

学士たちを殺していたのは秘密結社密本であった。
その事実に、王は震える。

密本は再生を始めていた。
行首とシム・ジョンスは、死体を盗んだのが
ソン・サンムンとパク・ペンニョンだと知らされる。
結果、サンムンは仮面の男に監視されることとなった。

チェユンは、論理的な思考でこれまでの事件を整理してみる。
相棒のチョタクとパクポにはさっぱりだが、
死体を盗んだのは集賢殿の学士だと結論づけたチェユン。
おそらく、遺体は学士の家族の元へ返されるはずだ。
三人は遺族のもとへ向かった。

王は、マルセンと話をしようとする。
と、当の本人から謁見を望まれた。
「先王の遺言で、宮殿で奇怪な事件が起きたとき、王をお助けするよう命令されております。
今がその時かと」
マルセンは、重大な秘密を打ち明けるように、イ・ドに告げた。
「密本は、実在しております」
王とムヒョルは、チョン・ドグァンの屋敷跡へ案内されてゆく。
そこには、あの日、先王とマルセンが潜った地下への落とし戸があった。
秘密の地下通路に彫られた、チョン・ドジョンの言葉。
密本が王の誤りを正し、導く。
密本が宰相を擁立する。
密本が朝鮮を動かす……。
「今おきていることが密本と関係していると?確信はあるのか」

チョン・ギジュンが、生きている。
ドジョンの甥にあたるチョン・ギジュンが。
彼が現在の密本の本元だ。
マルセンは、彼の動向をつかんでおり、密かに監視し、記録を残していた。

チェユンは、学士の遺族に会い、みどりの包みが「毘婆沙論」だったことを知る。
サンスクリット語でかかれた仏教の経典。
碧思斎(ピョクサジェ)という、泮村にある書店の店主なら、内容がわかるかも。
チェユンは急ぎ、店へ向かった。

店の中には、ひとりの男がいた。
色白で背の高い男の腕に、ソイの描いた文様の腕輪がはめられていた。
こいつがあの夜の、仮面の男か!
しかし、腰には刀がない。
チェユンは、うまく誤魔化し店を出るつもりだったが、
逆にのど元へ刀を突きつけられてしまう。
「なぜ俺に気付いた?」
「なんでそんなに低い声で話すんだ?」
刀の刃は首に食い込み、たらりと血が流れる。

そこへ、チョタクが飛び込んできて、男の注意をそらした。
一瞬の隙をついて、窓から逃れる仮面の男。
チェユンは人前で出上術を使うこともできず、男を取り逃がしてしまう。
とにかく、碧思斎の主人に話をきかなくては。

王は、苦悩していた。
密本の存在。ギジュンのことを知っていたマルセン。
復讐のために戻ってきたトルボク。
「この計画は一時中断する。チャン・ソンスに資料をまとめさせ、そなたが保管せよ」
ソイはソンスと落ち合うために碧思斎へ向かった。

書店では、一騒動が持ち上がっていた。
チェユンが兼司僕をひきつれて碧思斎へなだれ込んでいたのだ。
仮面の男は、2ヶ月前に明の使者との連絡用に雇った男で、素性は知れないという。
そこへ、泮村の行首を先頭に、たちが手に手に武器をとり、押しかけてきた。
ここは治外法権の場所。
王ですら簡単には立ち入れぬ村での蛮行は許しがたい。
住人たちは殺気立っている。
にらみ合う行首とチェユンだが、ここは彼の分が悪い。
素直に引き下がったチェユンは、群衆の奥にソイの姿を見つける。
(なぜ女官がここに?)
そして、ソイと目配せする男の顔を確認した。
集賢殿の学士だ。しかし、なぜ?

学士を殺した仮面の男が、碧思斎に潜り込んでいたことを知った王は驚く。
そこへ、マルセンがやってきた。
密本が暗躍している。
碧思斎は、成均館の学生も集賢殿の学士も利用する場所だ。
これからは、すべてを疑ってかからなければならない。
朝臣の中に、密本に与するものがいるかもしれない。
王は、もっとも疑いにくいものから疑わなくてはならないのだ。
自分に捜査を任せて欲しいというマルセンに、王は言う。

「誰も信じられないというのなら、なぜお前を信じられる?
先王が最後までお前を信じていたと思っているのか?」
そんな君主はいない。
人を信じないから、法律を作り、政策を立てるのだ。
なぜわたしがお前を信じられると?

「そのお言葉を聞いて安心いたしました」
マルセンは眉ひとつ動かさない。
そうでなければ、王たる資格はない。
すべてを疑ってかからなければならない、と、マルセンは重ねて王に忠言した。

王は礼服をぬいで寝そべっている。
何かを報告に飛んできたムヒュルは、王の心境をおもんぱかって「王様、なぜ……」と声をかけた。
「お前は人を信じるか?」
王の問いに、少し考えて「王様を信じます」とこたえるムヒュル。
「ではなぜ、トルボクを殺そうとする。わたしの志を知りながら」
「やつには殺気があると信じるからです」
ムヒュルの答えは淡々としたものだ。
「人を信じるゆえに殺せというのか」
王は小さく笑った。
「人を信じられずに殺せといった誰かもいたが、
どうやら王は人を殺す地位のようだな。
ところでムヒュル、わたしが人を殺したくなる時はどんな時だと思う?
自分自身を信じられぬ時だ。今が、その時だ」

指示を受けてソイと別れたチャン・ソンスは、学帽をかぶった男たちに囲まれる。
連れて行かれたのは、副定学チェ・マルリの前。
隠し持っていた春本を投げ出され、厳しい叱責を受けたソンスは、
自らの不徳を泣いて詫び、集賢殿を追われることになった。
夜半にひとり、集賢殿を出ていこうとするソンスを、ソン・サンムンが待っていた。

彼は、春画の一部にパスパ文字が使われていたことを見逃さなかったのだ。
「あなたは何かを知っているんでしょう?!」
しかし、ソンスが認めない。あくまで自分は堕落した人間なのだと言い張って去ろうとする。
サンムンは、ソンスを体に刺青があることを見て取った。
そして自分の刺青も、ソンスに示す。
「あなたは天地契員でしょう!」
サンムンはどうしても秘密を知りたいのだ。
王が密かに進めている計画とはなんなのか?
それを邪魔するものたちは何者なのか?
同僚たちはなぜ殺されたのか?
次は誰が死ぬのか?

サンムンの不安げなすがるような目を見て、ソンスは「後で教える」と言い置いて津覚寺へ向かった。
その様子を、サンムンを尾行していた仮面の男ピョンが見ている。

チェユンとチョタクは、棺を運んだ老人の証言から、
遺体を盗んだのはソン・サンムンだと割り出していた。
同僚の情報を得て、津覚寺へ向かう。
その道中、こっそりと山道を歩くソイの姿を見つけた。


その頃、仮面の男はソンスを刀で脅していた。
彼を捕らえ、尋問するつもりなのだ。
「わたしは何もしゃべらんぞ」
ソンスは意を決して男の刃に身を投げようとする。
気付いた男は刀をひくが、それ自体も計算済みだ。
「逃げてくれ!来るな!」
落ち合う約束をしていたソイに聞こえるよう、大声で何度も叫ぶ。

ソイは、その叫びを聞いた。
同時に、チェユンも。
声が途切れた瞬間、叫んだものは死んだと察したチェユンは、
ソイを王宮に戻らせ、自分はすぐさま寺へ向かって走る。

資料を手に逃亡する男と出くわしたのは、チョタクが先だった。
肩を切りつけられ、傷を負うチョタク。
「はやく行け!ここなら誰にも見られない。存分に出上術を使え!」
チェユンは、素早く血止めをすると、男を追って夜の山を駆けた。

とうとうふたりは、森の中で出会う。
「会いたかったぜ」
「捜し物はこれか?」
男は懐から、包みを取り出して見せた。
「そりゃなんだ?」
「チャン・ソンスと約束を?」
「チャン・ソンス?」
「ふふ、お前のわけはないか」

そのまま行こうとする男を、チェユンは挑発する。
しかしあくまで、男は冷静だ。
「二度と俺にかかわるな。お前に興味は無い」
出上術で跳躍した男を、同じく術を使ったチェユンが追う。
空中で切り結び、男の仮面がふたつに割れて、落ちた。

「出水術……お前は……何者だ」
「興味がないんだろ?気になるか?興味がわいたか?」
男はスラリと刀を抜いた。
「このクソ野郎!」
闘志をむき出しに叫ぶチェユン。

(つづく)

問題は、仮面の男の名前が「ピョン」だってことですよ。
あらすじの中でもさー、ピョンだってわかってるんだけどさ。
ちょっと……書けない。
急に脱力しそうで。
だからもうしばらく仮面の男扱いです。
せめて名字がわかれば助かるんですが。

さぁ今回は、わたしの一押し中年(ドラマの中では壮年?)チョ・マルセンがいい!
この人、先王がなくなってから影が薄かったですけど、とうとう出番です。
しかも、奇怪な事件が起こったらイ・ドを助けるよう遺言されていたなんて……。
先王の愛、というより先見の明に脱帽~。
息子がチョン・ギジュンを助けようとしたことまで知っていた上での処置ですからね。
やはり相当な切れ者だったといえましょう。


眼光するどいおっさんです。いまだ力は衰えず。

ただ、イ・ドも昔の頼りない王じゃないわけで、
意地悪くマルセンに言うわけです。
お前はそんなに先王に信頼されていたと思うのか?って。
王なんてものは、誰も信じない、誰も心から信頼したりしないんだ、って。
意地悪ですね。

てか、お前、オヤジに愛されていたと思うなよ?そんなの勘違いだからな、
なんかオヤジのこと理解してたっぽく思ってるみたいだけど、
王の気持ちがわかるのって、同じ立場の俺だけだから!
……みたいなジェラスを感じる。
うがちすぎですかね。

ま、マルセンももちろん海千山千の男なので、
それはそれはよござんした、って感じで王をいなします。
はいそうですかと捜査を任されたら逆に心配でしたよ~、なんて。
駆け引きってすごいですね。
右議政との会話もすごかったですけどね。
ニコニコしながら腹の探り合い。
政治っておそろしいわ~。

とにかくチョン・ギジュンのことは追跡調査されてた、ってのに驚き。
そしてそれを、さっさと王に教えちゃう。
マルセンの真意はどこにあるんでしょうか?
彼としては、特段、イ・ドが憎いわけではないですしね。
密本が王の敵となるならば、共闘しましょう、お助けしましょう、ということなのかな。

しかし何度も言いますが、面白いですねー。
いったいどこを隠して、どこをオープンにする脚本なんでしょうか?
密本の現在の本元は誰か?なんて、誰でも予想がつくような謎は、さっさとオープンにしちゃうんですね。
逆に、え?それって誰が見張ってたの?
どのへんまで現在の動向つかんでんの?なんで黙ってたの?とか、いろいろ疑問は出てきてますけど。

ほんとにこういうの、面白いです。

集賢殿を追われたチャン・ソンス。
これって偶然?じゃないですよね。
てことはチェ・マルリも王様側の仲間で、
春本持ってたから追い出したっていう体で、資料の持ち出させたってこと?
で、そういう本は焚書して処分。証拠は消す、と。
それにしても、奪われた包みはごく薄い本のようだし、中身は何だろう?

ギジュンが生きてるとか、シム・ジョンスが密本だとか、
死体を取ったのはサンムンだとか、さっさと答えが出るものもあるんですが、
謎はまだたんまりあるんですね。

謎意外にも、王の葛藤とかね、見所多いです。
悩むんだよね、やっぱり。
自分の朝鮮を作るために必要だ、と思っていたギジュンが、
密本という組織を率いて自分と対抗しようとしている。

これはキツいです。
そんなつもりじゃないのにー!

で、トルボクが復讐のためにやってきちゃったり、さすがの王も慎重にならざるを得ない。
いったん計画は中断しよう、と決意するわけですが……。
この人、王らしからぬ激しさで物にあたったり、くそっ!て言ったり、
見た目とは裏腹に感情的な人なんですな。
それだけこの計画に心血を注いでいるということなんでしょうけどね。
なんだかみていて、非常に心動かされます。
それはソイも同じなんじゃないか、という心配もあったりして。


激しい怒りをあらわにする王。ひとりだから。

今回も、チクショウ!といって、宮殿の備品を蹴って壊しちゃう王の姿をこっそり見てましたよ。
心配そうに。
王様もね~、今はこんな感じですけど、
かつてはソン・ジュンギだったわけで、美青年だったわけなんですもの。
慕っていたトルボクは死んだと思っている幼いタムが、淡い思慕の念を抱いたって不思議じゃないですよね。
あ、でも相手は王様か。いくらなんでも恐れ多いか。
自分を責め続けて、けして赦されない罪を背負って生きるもの同士のいたわりなのかも。

王は孤独。
誰も信じられない王は、孤独なのです。
なんか善徳女王もそうだった~。
シェイクスピアでもそうだし~。
古今東西、王様って孤独な職業なのね。庶民でよかった。

イ・ドは、自分は父のようになりたくない、
もう自分のために人を死なせたくない、と思って新しい朝鮮を作ろうとするのですが、
その過程で、どうしようもなく人が死んでいく。
そこがもう自分で自分を許せないみたいなのですが、
しょうがないじゃん、と言ってあげたい。

きれいごとじゃ無理なんだよ、と。
あんたのせいじゃないんだよ、と。
人はそれぞれ勝手な理由で殺し合ったり傷つけ合ったりするんだよ。
あんたが何もしなくたって、あんたのために人は死ぬ。
それはあんたが王だから。
それは王様の宿命なんだよ。
人間が、生まれながらに原罪を背負っているというならば、
王もまた、生まれながらに罪を背負って生きているんだよ。

王様は、トルボクが王を殺しにきたってわかったら、
ソイがどうなっちゃうかわからないから絶体気付かせるな!っていうんだけど、
いったいどうなっちゃうことを心配しているんでしょうね?
トルボクの味方をすること?
まさかね~。
ソイの心が千々に乱れることを心配しているのかなぁ?
それとも、自分から離れていってしまうことを心配しているのかしら?

ソイは息子付きの女官ということになっていますよね。
わたし、この王子も、なんかいわくありげというか、
一筋縄ではいかないような気がしているんですけどね。

見所は多々あれど、やはりチェユンは別格。(わたしの中で)
ちょっとめんどくさくなってきた事態を
探偵っぽく整理してくれたりして、かしこいかしこい。
捜査に向いている頭のよさですね。

しかし、出上術。
冷静に見たら嘘ッぽすぎてアレなんだけど、
どっぷりハマって見ている分には全然気になりませんね!←盲目
何度もいうけど、面白いからいい!
ケレン味があって面白いじゃないか!
フュージョンぎりぎり(ぎりぎりか?)をぶち込んでくるから楽しいんだよ~。
やっぱりチェユンがかっこいいわ~。

うっかりさんが珠にキズだけどな!

またこいつ刀を忘れちゃってるんだよ~。
葬式のある家に刀を持ってはいるのは礼儀知らずだから、
腰の刀を外したわけでしょ?
それをなんでまた置き忘れるかな~。もうバカバカ!脚本家のバカ!二度目ってアリか?

そのへんはいただけませんが、仮面の男ピョンとの対決はカッコイイ。
あやうく殺されかけて、プライドがいたく傷ついた様子のチェユン。
「俺はハンジ村のトルボクだぞ」と、久しぶりにお得意のセリフを口にしています。
子どもみたいなこういう敵愾心とか、負けず嫌いなとことか、
昔っから性格はかわってないんですね。
三つ子の魂百まで、とはよくいったものです。


この角度からの画面って多いよね。カッコいいからいいか……。

お前ってば筋肉脳なんだろ?的にバカにされたトルボクは、
しっかり手の内(出上術)を見せて、ピョンの注意をひきます。
なにしろ、こいつを捕まえれば、王様の杯をいただけて、
とうとう念願の父さんの仇がうてるわけですから……。

ここではそこまで考えてないっぽいけどね。
殺しちゃったらはなしになんないんだよ?チェユン。
しかも、チョタクが言ってたでしょ、お前より上なんじゃないかって。
気を引き締めてかからないと危ないよ~。

チョタクは、同じようにイ・バンジの弟子なのかと思ったら、それは違ってました。
2年前に失踪したイ・バンジと、ピョンはやっぱり師弟関係なのか?
武士としか戦わん!と言っていたバンじぃは、密本の一員になったってわけなのか?
そもそも古い密本組織の生き残りだったのかも?

お亡くなりになった、チャン・ソンスは立派でした。


大義のためには、自身の尊厳など意味はない。俺、ヘンタイだから!と笑って認めるいい男。

大きな目的のために犠牲になった彼。
人間は、信じるもののためなら、崇高な行為を行うことができるのです。
だからこそ、本当にそれが、正しいことなのか、
信じるに値するものなのか、よく考えないとね。
誰も信じてはいけない王を信じる者たちが死んでゆく……。
確かに王としては、その重責に押しつぶされそうになる時があるだろうな、と思いました。

ソンスの生き様、死にざまを見た今頃になってやっと、
前回の王の涙の意味が、わかってきたような気がします。


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