いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

快刀ホン・ギルドン 21 四寅剣の真実

2014年02月19日 | 快刀ホン・ギルドン
《あらすじ》

イノク、ギルドン、チャンフィ、それぞれが
求めても得られない愛する人の面影を見ていた夜。
チャンフィは王になる決意をあらたにした。
ギルドンは、民の声の代弁者に過ぎぬ。恐れることはない。

王子を擁立する儒学者の言葉から、ある疑惑が生まれる。
彼の大義である四寅剣に刻まれた密命は、果たして真実なのか?
尚君は密かに背景の調査を命じた。

いまや史曹判書の亡霊までが見えるまでに狂った王は、
邪気払いの三寅剣を作ることを決めた。
儀式が行われるその時が、王位奪還の決行日だ。
剣を鍛える職人に化けて、場内に入り込み爆薬を作る手筈。
迫り来るその時を待つチャンフィは、ピリピリしている。
ギルドン率いる活貧党の隆盛に脅威を感じているのだ。

「お前は側近になるつもりはないのか?」
「儒学者たちが嫌がるだろう」
ギルドンに、権力への欲心はない。
「俺たちの選択を後悔させないでくれよ」
チャンフィは、その言葉に素直にうなずかない。
「逆だ。四寅剣に選ばれたわたしが、お前たちを選んだのだ」
あくまで、ギルドンの上に立とうとするかたくななチャンフィの態度に、
ギルドンは首をかしげた。

四寅剣を作った職人たちは、5人のうち3人が消えていた。
秘密を守るためか?それにしては失踪の時期がおかしい。
みな、先王崩御の後に消えているのだ。
尚君の調査は続く。

イノクは、身分にあった教養を身につけるよう、実の祖父から指導を受けている。
チャンフィが王になったあかつきには、彼女は宮殿に入る。
「王妃になるんだな……」
和尚のつぶやきを聞いて、ギルドンはハッとする。
「お前、動揺するでないぞ」
「俺が?ぜんぜん問題ないね」
強がるギルドン。
イノクのあいらぶゆはギルドンだけで、ギルドンのあいらぶゆもイノクだったのに。
「ちぇ、こんなことなら刺されて死ねばよかった。
中途半端に刺されて痛くてしょうがねえや」

自分がどうして勉強させられるのかわかっていないイノク。
チャンフィは、少しずつイノクに教えていくつもりだ。
彼女が理解してくれるまで、時間をかけて。
「もう夢の中であのものを捜しにゆくな……」
眠り込んでしまったイノクの寝顔を、見つめている。

蜂起の準備は着々と進んでいる。
その中で、ギルドンはソクという鍛冶職人と接触した。
寅剣とかかわることを極端に恐れる老人は、
四寅剣を作った職人の唯一の生き残りだった。
「四寅剣のために命を狙われた。文字を刻んだ偽の四寅剣のせいだ」
老人の告白に、驚愕するギルドン。
そもそも偽の四寅剣を作らせたのは、
兵曹判書だったイノクの実父、リュ大監とチャンフィ王子の母、大妃だった。

真実を知ったギルドンは、尚君を呼び出した。
「あなたは知っていたのか?」
尚君のただならぬ様子に、彼女と王子が何も知らなかったことを確信する。
「……わたしの口から伝える。お前は口を挟むな……。
民の力を、お前を通して得たことに王子は苦しんでおられる。
それなのに、この事実をお前の口から聞かされれば……」
がっくりと膝をつき、震える声で尚君は頼んだ。
「本当にあなたがたは、知らなかったのか……」

その頃、生き残りの老人の口から、王も真実を知った。
密命などなかった。
すべては、息子を王にと望んだ、大妃のたくらみだった。
悲痛な声を上げて、泣き崩れる王の姿。

真実がわかったとしても、ギルドンは変わらない。
チャンフィが彼らを選んだ。みな、王子についてゆくだけだ。

チャンフィは、イノクに母の形見であるかんざしを渡した。
「王妃しかさせないかんざしだ。お前が持っていてくれ。
お前が持っていてくれれば、良い王になる努力を忘れずにいられそうだ」
チャンフィの言葉の意味を、イノクも理解したようだった。
「せかしはしない。よく考えてくれ」

チャンフィのもとへ、ギルドンが最後の打ち合わせにやってきた。
「真夜中に行動を起こすからな、前みたいに失敗するなよ」
「どこかの誰かが爆発なんか起こさなければ成功していた」
「恨んでるか?」
チャンフィは言った。
あのとき、成功しなくてよかった。
大義名分にすがり、復讐心から王になっても良い王にはなれない。
「その心を忘れるなよ。俺に後悔させるな」
チャンフィの目には、真っ直ぐな決心が宿っていた。

商団を立ち去ろうとしたギルドンの後ろ姿を追うイノクに、
ギルドンは気付いて振り返った。
「……具合はどうだ?大丈夫か?」
「……大丈夫よ。あんたも……大丈夫?」
「もうすぐ宮殿に入る。寅を捕まえに行くんだ」
「わたしが一緒でなくて大丈夫?前に捕まえられたのは、わたしのおかげよ」
「いまだに自信満々だな。
俺が宮殿を出たら、お前が入るんだろ?
そしたらもうこんな風に会えないな。
最後に元気な顔が見られてよかった。元気でな」
「あなたも、元気でね」
ギルドンは振り向かずに去って行く。
イノクも黙って、彼を見送った。

王は、三寅剣の儀式を辞めるつもりはない。
この際、すべてを一掃してしまおう。
味方か敵かわからないなら、みんな殺してしまえばいい。
いっそ宮殿ごと焼き払ってしまえばいい。
宮殿も臣下もいなくなれば、チャンフィは何も手にできないのだから。
すべてを洗い流して、わたしは生まれ変わる。
王の高笑いが、宮殿に響いた。

とうとう、決行の日が来た。
王の思惑を知らず、活貧党の面々はそれぞれの役割を果たしに宮殿へ入る。
堀には密かに油が流され、酒には睡眠薬が入れられた。
すべては、王の指示だ。
チャンフィがコム山から兵を率いて都へ来る頃には、すべてが灰になっているだろう。

儀式は始まった。
王の命令で罠をお膳立てしたは、ウネの父である左議政だけに、
家へ帰るよう忠告する。
父から話をきいたウネは、商団へ向かった。
「王が、今日の計画を知っているみたいなの!」
それをきいたイノクは、武官に化け、秘密通路を通って宮殿へ潜入した。
なんとしてもギルドンに危険を知らせなければ……。

ところが、うまくギルドンに会う前に、女だということがバレてしまった。
連行されるイノクは、ギルドンの後ろ姿を見つける。
名前を呼べば計画は水の泡。しかし気付いてもらえねば、これもまた失敗だ。
イノクはとっさの機転で、ギルドンの背に向かって叫んだ。
「あいらぶゆ!あいらぶゆ~!」
「ん?イノク?」

(つづく)


きょ、驚愕

密命入りの四寅剣が偽物だったなんてーーーーーーー!
大妃様が、嫡流の男子である我が子を王位につけようと画策した結果だったのか!
そして儒生たちは、賤しい身分の者が王になることに我慢できず、
その計略に荷担していたのだとは!

チャンフィは、彼らの欲によって王になるよう選ばれた子だったのね。
しかし、同時にチャンフィは、
ギルドンたち、貧しく、賤しいとされてきた民が選んだ人でもある。

ほんとに彼はずっと板挟みですね。
現実を見れば、両班の力がなければ、王にはなれない。
同時に、クーデターを起こす身のわけですから、民心の支持も必要で……。

この板挟みの中、王になる、というモチベーションを支えたのは、ギルドンの信頼であり、
父王からの遺言でもある四寅剣だったのに。
そのよりどころが偽物だったなんて。
こんなこと、チャンフィが知ったら耐えられるのかしら?
ノ尚君、だいぶ心配なようです。
でもギルドンは、チャンフィを信じてると思う。
偽物だってバレても、チャンフィはきっと揺るがず、
民のための王となってくれると信じていると思う。

だから言いたそうなんだよねー。
このまま偽の四寅剣に支えられたままで王になったら、
あのリュ大監のじいちゃん一派にいいように利用されそうじゃん?
だからギルドンは、はやめにチャンフィに知らせたい、と思ってるんじゃないかな。
それでも王子は、衝撃に耐えられると信じてる。

私も王子を信じてるよ。信じてるけど……。
王子にとって四寅剣が偽物だってことは、自分の半生が偽物だったと言われているようなものじゃない?
現王を守ったギルドンパパたちも、まさか四寅剣が偽物だなんて知らなかったから、
自分たちは悪いことしている、と自覚があったと思うのよ。
密命隠しちゃって、親友殺しちゃって。
そしてチャンフィも、悪いやつらを倒して王になるんだ、って正義があったと思うのよ。
ところが、あれが偽物だってことになると、ぜんぜん逆転しちゃう。
そんなつもりはなかったかもしれないけど、
結果的にギルドンパパたちは正しいことをしていたのだ、ってことになっちゃう。

そこはチャンフィにとっては、つらい。
つらいけど、なんとか耐えられるかもしんない。
ギルドンが側で、叱咤激励してくれたら。
イノクが側で、支えてくれたら。

ただね、すべてがおかーさんの欲望のためだったということに、
耐えられないかもしれないと思うんだよな。

愛するお母さん。
お母さんを殺したやつらに復讐したいという一心で生きてきた自分。
それが、そのすべてが、お母さんのゆがんだ愛情と、醜い欲望のせいだったなんて。

ずっとチャンフィを側で支えてきたノ尚君は、
母の気持ちでギルドンに頼んだと思う。
「今は言わないで」って。
ここまできて大願成就を阻む情報を入れられるかっていう、参謀としてのノ尚君じゃなくて、
幼い若君を連れて必死で生きてきた母の気持ちで頼んだんだと思うな-。

疑いを持って調べていたとはいえ、まさか!という表情のノ尚君。
そしてそれが意味することを知り、崩れ落ちるノ尚君。
彼女の苦難の人生を思うと、つらくてなりません。


そして、もひとつ驚愕すべき事柄が。

ギルドン、イノガ、お前たち……
フツーずぎないか!

なんかわたし、前回の見た後、死ぬほどぐるぐるしたのに。
なかなか寝付けないほどぐるぐるしたのに。
そ、そんな別れでいいのかよ!
あの小屋での会話とハグがすごく重要だったんだな……。
だめだ、もっかい見直そう。
あまりにもチャンフィよりの心で見てたんで、なんか感情が偏りすぎてて
ちゃんと見れてない気がする。

で、あれからどれくらいたってんの?

前回すっごくイノクのこと嫌いだったけど、
そんな感情はシューッと消えてしまったや。
あんまりイノクがマヌケすぎて。
バカだなぁ、こいつ。
お嬢様みたいな生活なんて生にあわないくせに。
考えすぎるとわけわかんなくなっちゃうくせに。
勉強し出すと眠くなっちゃうくせに。
それなのに、ギルドンのためにリュ・イノクになったりして。
モンチョンイ……。

チャンフィ王子の愛情の深さもよくわかるし、
彼女を側に置いてあげたいのはやまやまだけど、
やっぱりイノクはギルドンと一緒にいなくちゃダメなんだな……。


ギルドン……カッコイイ……。けど……


王が、四寅剣は偽物だった、あの勅命は嘘だった、
先王が選んだ王は自分だったと知って号泣する場面。
すごく見応えありました。
この人、典型的な敵役かと思いきや、
なかなか葛藤を抱えた深い人物造詣がなされたキャラクターでしたね。
本当の意味で忠義をつくしてくれた史曹判書を殺す命令を出した王の苦悩。
ここで、よき王として生まれ変わるのか?と一瞬期待させましたが、
やっぱり狂ってた。

みんな焼き殺して、自分だけ生き残るんだって。
でも計画はうまくいきそうにないけどね。

あの「あいらぶゆ」がキーポイントになるとは思っていなかった。
なんかラブ的演出なんだろうな、程度で、ここまで重要とは思ってなかったよ~。
こういう細かいところまで面白く作ってあるんだなーと感心しましたホン姉妹。

【追記】

はい、ここまでが約4ヶ月前に観た時点での感想ですね~。
今また観直してみても、ほぼ心境はかわりません。
四寅剣が偽物だったことには、やはりショーゲキ。
ここまで物語を引っ張ってきた重要アイテムが偽物だったなんて!
ラスト近くにきて、この展開は面白すぎる……。

当時のわたくし、イノクとギルドンの別れがあっさりすぎる!と思っていたようですが、
それは間違いだといってやりたいです。
あれが、ふたりにできる精一杯の別れ。
なんでもないような会話の奥底に流れる、つらい気持ちに胸がいっぱいです。
このままでいいわけないよ!

が、それと同時にチャンフィ王子の不憫さが胸を打つ。
儒学者のじいさん、くせ者です。
「本当は王位継承の資格がないお前を王にしてやったのは私たちだ!」と
自分たちの権力欲を満たすつもりですね、こいつら。
チャンフィが王位に就いた後の見返りを期待している。
学者のくせに腹黒い。
これではチャンフィが身動き取れなくなってしまう。
民のための善政が実現できなくなってしまうよ~。

そのへんは清濁併せ飲む、という態度で、
のらりくらり要求をかわしたり、ある程度うまい汁を吸わせてやったり、
政治的な手腕が必要になると思うのですが、
年若い王子にそれができるでしょうか?
ギルドンもそれを見過ごせるでしょうか?

そもそも、クーデターは成功するのでしょうか?
宮殿は火の海になっちゃうよ?!

イノクを大好きな王子が可哀想すぎる。
さすがに鈍感なイノクも、あれがプロポーズだと気付いたと思うけど……。
いや、ほんとに気づいてるか?

クーデターが成功しても失敗しても、王子がこうむる痛手ときたら計り知れません。

ああ。わたしやっぱり、チャンフィ贔屓なんだわ。


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