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2024-08-21 04:00:00 | 修道院の断食・医術・ハーブ
7・フェンネル

セリ科ウイキョウ属に分類され、多年草。

ラテン語の「小さな草」という意味に由来した名前で、

日本では茴香(ウイキョウ)と呼ばれます。

フレッシュハーブとして利用するのは、

黄色の花が咲く前の葉を収穫したものです。

秋になると茎全体を刈り取り、乾燥させて種子を収穫します。

伝統的なハーブの一つとしても知られ、

甘みのある香りと樟脳のような風味があり、

古くから香辛料や薬草などとして用いられ、栽培も行われてきました。

特に中世では、ビンゲンのヒルデガルトが最も好んで用いたハーブです。

彼女は、「どんな食べ方をしてもこの植物によって、人は快活になり、

心地よく温まり、よい汗をかく。

また消化作用がよくなる」とその効能を讃えています。

もともとフェンネルは、古代ギリシャ・ローマ時代から

食用や薬用に広く利用されてきたハーブなのです。

最古の作物のひとつ、そしてアングロサクソンの

9つの神聖なハーブのひとつにも数えられています。

古代ギリシャでは女性を美しくするハーブとしても用いられてきました。

すっくと立つ茎の先端に黄色の小花を傘のように広げる姿は、

同じセリ科のディルとよく似ていますが、

より大型の多年草で草丈が2mにもなります。

似た香りをもつスパイスのスターアニス(八角、大茴香)との比較して、

小茴香(ショウウイキョウ)と呼ばれることもあります。

葉や茎にディルより甘みのあるすっとした香りがあり、

羽根のように細やかな明るい緑色の葉は魚料理によく利用されます。

堅くなる前の若い茎も、セロリのように食用にします。

タネはハーブティーにしたり菓子やパンなどに使ったりするほか、

漢方では生薬の「茴香(ウイキョウ)」として芳香性健胃剤に配合され、

また、五香粉(ウーシャンフェン)という中国の香辛料に

ブレンドされることでも有名です。

タネから蒸留した精油は、食品やリキュールの風味づけに使われたり、

石けんや歯磨き粉などのトイレタリー化粧品に用いられたりします。

葉とタネの両方を大量に欲しい場合は、花を咲かせないように

花茎を切り戻して葉だけ収穫する株と、

葉は収穫せずにタネをしっかり実らせる株を分けるとよいでしょう。

フェンネルの花には益虫がたくさん引き寄せられます。庭に1株植えると、

アブラムシを捕食するヒラタアブや、ヨトウムシを幼虫のえさにする

ジガバチなどがよく飛来します。

こぼれダネでふえるほど丈夫なハーブで、堂々とした草姿は

花壇で存在感があります。

銅葉が庭のアクセントになる園芸品種ブロンズフェンネルや、

株元が肥大する変種のフローレンスフェンネルなども栽培されます。

フェンネルには「trans-アネトール」という成分が含まれており、

これは女性ホルモンに似た働きがありホルモンバランスを整えます。

生理不順・月経痛の緩和・更年期障害など、

女性特有の症状を改善する効果が期待できるといわれています。

また、赤ちゃんのいるお母さんにも嬉しい薬効があります。

古代ギリシャから母乳の出をよくするハーブとして利用されてきた

歴史があるように、乳腺の詰まり予防も期待できます。

他にも肌荒れや便秘の予防、セルライトにも効果があると知られています。

ハーブティーなどは気軽に取り入れやすいので

産後のケアに常備しておくのもおすすめです。

フェンネルのエッセンシャルオイルは主に消化促進やむくみ解消、

リフレッシュなど心身へのメリットが多く知られています。

その甘くスパイシーな香りは、ストレスや緊張を鎮めて、

元気や滋養、安心感を与え心を穏やかにしてくれます。


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