ユダヤ人のマネー対処術に学ぶ 43 衣食足りれば礼節を忘れる

ユダヤ教ではお金を大切にしますが、お金だけを考えない、一部分にすぎないと考え、

総合的な視点から見て、お金をどのように使うかを考えると石角さんはいいます。

そしてユダヤ人はお金がある人も持たない人も見えない財産を大切にするといいます。

まず神との交わりが第一。

そして家族と友人との良き関係、同朋の繁栄と平和な社会の獲得です。

物資的な豊かさを得たら、目に見えない財産を増やしていくといいます。

ユダヤの格言は

「貧者のごとく食べて、豊かな考えをめぐらさせよ」

日本のことわざには「衣食足りて礼節を知る」ですが、

ユダヤでは「衣食足りれば礼節を忘れる」と日本とは真逆です。

ですから日本では

「富者のごとく食べ、貧者のように考える」です。

石角さんはこのように生きるようになって（つまり脱日本で）自然に豊かな心になったといいます。

そのようになってユダヤ人はお金に向き合いますので、適切で正当な稼ぎをします。

己の欲望のためだけ、充足のためのお金儲けはしないということになります。

お金儲けではなく、正当な稼ぎと他者への分かち合いをユダヤ人は第一とすることです。

そして目に見えない財産が増えると、目に見える財産も増えて来る可能性が高くなると言います。

その誠実な態度で多くの人を引き寄せ、ビジネスがスムーズに動くからです。

そして貧者のような食で浪費をしませんから、お金は貯まります。

そして見える財産が節度ある（戒律にもとづいて）増えていくと、さらに増えるという好循環が生まれます。

そしてユダヤでは貧しい食卓であろうとも十分、もてなしはできると

安息日は洗濯したてのテーブルクロスにローソク２本の燭台、

そして赤ワインと少しの食事で十分としています。

また仕事の対価も一家を支えるだけでよいと考え、もし、万が一高額な報酬を得たら、

貧しいものに寄付すべきだとされています。

いくら大金を持っていても健康で幸せな人生と長寿は保証されていません。

むしろ大金は、逆に不健康で短い人生を送るどころかさらに余計な人間関係が増えるだけになります。

ここでユダヤの格言

・金持ちのまわりには肉親と称する人、友人と称する人だらけになる。

だが本当の肉親と友人は苦難のときに現れるのだ。

・金持ちは相続人に囲まれ、貧者は子供に恵まれる