太った中年

日本男児たるもの

自主防衛論

2010-05-10 | weblog

5/9のNHK日曜討論は面白かった。以下、フリージャーナリスト岩上氏のツイート。プロの技。

*

さて、「日曜討論」。今から始まる。

我部「96年前、橋本・モンデールで普天間の返還、その時、県内移設で合意。それ以来、物事が進まない」

岡本「沖縄の地域首長には賛成派もいた」

孫崎「沖縄の意思を無視せずに、時間をかけて、九州全域で、あるいは日本全域で受け入れ先を探したらどうか。また、抑止力と言う間違った議論はすべきではない。日米関係はそんなに簡単に崩れない」

森本「プロセスが間違っている」

鈴木「政権運営はこんなに難しいのか」

岡本「くい打ち案は、テロにもろい」

孫崎「難しい」

森本「二度、過去に検討され、つぶれた。住民に近い。地元にカネが落ちない。技術的に無理」

我部「建設方法いかんに問わず、地元は反対する」

孫崎「鳩山さんは、ずっと県外と言ってきた。その思いを官邸、外務省、防衛省とも実現しようとしなかった。さびしい話」

岡本「もっと時間をかけて、静かな対話を続けて説得すべきだった」

森本「徳之島への訓練移転は、玄関先に靴がない、ようなもの。無理」

孫崎「1月と3月の2回、長崎の自衛隊施設を使う案を首相に提案。しかし官僚が検討しなかった」

岡本「孫崎さんのいい方が説得力があるから首相がぐらつく。訓練を九州にもて行くのはできない。部隊を全部持っていくしかない。その施設はない」

森本「分散するのは難しい」

我部「すでに海兵隊は分散移転。これ以上は分散したくないと米軍は思っている」。

鈴木「殴り込み部隊である海兵隊が国外にあるのは、日本に駐留する海兵隊のみ。米国自身の要請で撤退してゆく過程にある」

孫崎「抑止力というのは、核はまず、本土の大陸間弾道弾の問題。対象となるのは管轄地。北方領土は対象外。竹島はブッシュ時代、米国はこれを韓国領と認めてしまったのでこれまた管轄外。となると対象は尖閣諸島なのだが、日米間の取り決めで島の防衛は日本が行うことに。自衛隊を強化すべき」

岡本「最後の部分、自衛隊の強化については賛成。今も防衛費は低すぎる。しかし、防衛費の増額は、現実的に難しい」

森本「即応性のある戦力が存在することは意味がある」

孫崎「外務省は70年代までは過剰な対米依存は危険、自主防衛が必要とみていた。自ら防衛を。総額では防衛費は高い」

岡本「中国の脅威は増大。尖閣を狙っている。地元の反対がある場合、日米の緊密な関係を見せつけることにはならない」

森本「中国は領有権の曖昧な箇所を狙って進出してくる。海洋はその最たるもの」

鈴木「ナイの唱えたソフトパワーが必要」

孫崎「沖縄の過度の集中を改めるべき」

岡本「縮小していく方向に変わるべき。しかし、軍事的な合理性で縮小すべき。地元の反対で、米軍が追い出される形で下がるのはまずい」

鈴木「軍事的合理性が先、という議論はおかしい。政治がまず決断し、軍事がその範囲で合理性を追求するべき」

孫崎選挙を前にして苦しいが、鳩山さんは、国民に直接、時間をかけて自分の考えを説明するべき」

森本「冷戦の崩壊とともに、中国の脅威が増してきた。これに対して対応すべき」

岡本「時間軸でいえば、真のリミットは11月末。ここまでかけてせっかく学習してきた鳩山総理がやるべき」

番組は終了。

岡本・森本タッグと、孫崎さんとの間の論点は、問題点が共有されていて明確だった。中国の脅威はある。それを自主防衛で補うべきとする孫崎氏。自主防衛に賛成しつつ、コストの問題を持ち出し、米軍の引き留めを主張する岡本氏。

米軍はほっておいては退いてしまうという認識は、他の論者にも共通している。つまり、それほど、米国は沖縄に駐留していたいとは思っていない。その引きとめが大事と見るか、自主防衛で空白を埋めるべきかの議論。だが、自国の防衛は自国で、が基本ではないか。

日中の領海争い、領土争いで、米軍が自らの血を流すか、それを米本国の世論が支持するかも疑問。岡本・森本両氏も、米軍が体を張って尖閣のために海兵隊が戦ってくれるとはいわない。張り出していることが抑止になるという論議。保守派の両氏は、孫崎氏の唱える自主防衛論になぜくみしないか?

自国の防衛は自国で、が基本とは思いますが、社民党を含め自衛隊は違憲とみなしている政党・団体がいる限りこの基本が通らない状態です。

結局、親米保守と社会党は同じ結論。55年体制、米国従属体制を仲良く補完している。

岡本氏の話を聞いていると、左派の九条信仰と同種の、米軍抑止力論信仰としか思えない。米軍が尖閣諸島の防衛に軍事力を発揮しないのであれば、我が国にとってなんのために沖縄に駐留する必要があるのでしょうか。

*


最新の画像もっと見る