fantasia*diapsida

とりとめのないメモの山

kingdom of the crystal skull:

2008-07-09 00:00:00 | film・bilder++

『インディ・ジョーンズ -クリスタルスカルの王国-
 "Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull"(2008/米/監:スティーヴン・スピルバーグ)』。

過去の3作はもちろん何度も観ていますが、
インディを劇場でリアルタイムに観たのはこれが初めてです。


過去の『レイダース』とも『魔宮の伝説』とも『最後の聖戦』とも異なる雰囲気で、
…そりゃハリソン・フォードの年齢に合わせて時代設定が変わっているから当然なのだけれど、
SFっ気が入って往年のファンはちょいと戸惑うこともあるかな?
私はスンナリ受け入れましたが、何より今回主眼にしているのはアレなのでね。
まぁインディって元々破天荒ですから(スピルバーグは2作目で唐突に恐竜を出そうともした)、
何を今更と言えばそうなのかも…SFとは1950年代という時代の流行でもありましたし。

開始5min以内で、「あっ、今回そういう流れなのね」と結末の予想が付くようになっていました。
キーワードがいくらか説明的に(?)出てきたので、
(例:開始5minだから別にそうネタばれでもないと思うけれど、一応あぶり出しにして2つ→ エリア51,  ロズウェル事件)
コレ分かる人は「おぉっ!」か「えぇ~?」か何れかの反応をしているのが、客席で分って面白かったです(笑)。
何よりまず、タイトルが"クリスタルスカル=水晶髑髏"でしょ?
これで且つ遺跡モノっていったら、そりゃあ定番ですよ(実際定番な展開だった)。
ちょろっと1作目の聖櫃(アーク)が出てきたので、「おぉそこまで絡めていくのか?!」と期待と不安が一瞬入り混じりましたが
さすがにそれはなかった(笑)。

さて、映像面はCG頼りっぱなしな昨今の映画事情を憂いて、昔ながらの手法を重視したとのことでしたが
それでも何かCGっぽいんですよねぇ…"昨今の映画"ほどじゃないですけれども。
昔の作品は大概ロケやって、カメラワークなり何なりを工夫してそれっぽく見せようとしていたものだけれど、
今回は折角ロケっても、よりダイナミックに自然に見せるため、背景を合成してみたりなんてことをしてしまっていて、
それはそれで好きなんだけれど、これだとどこかファンタジー的な色が出てしまい、
"どこだか知らないが現実に存在する秘境に乗り込んでいくんだぞ"って
ある種怪しげなドキュメンタリー番組にも似た緊張感が、ついついそこで欠けてしまうようにも思うんです。
綺麗なんだけれどね。

それと、折角ナスカやらアマゾンやら行ったのに、その"匂い"が感じられなかったこと。
何故かな、エジプトの市街カーチェイスとか、煌びやかな上海とか、インドの山奥で変な物食わされたりとか、
これまでの作品だとその土地を生かした文化的な交流が(所々誇張されながらも)あって、
フィールドが単なる背景になってしまうといったアリガチな平板さを、ちゃんと面白く崩していったところに
謂わば旅行先のアジアの市場街※注1に乗り込んでいくような楽しさ・目新しさを感じたものだけれど、
今回はニオイ控えめ。無臭。
前半アメリカ臭はプンプンしていたけれどもね、向うの大学は雰囲気あってカッコいいよねぇ。


ただ、虚実入り混ぜてテンポよく話を突き進めて行くノリは未だ健在!
この時代によくこれだけのアドベンチャー映画を作ってくれるものです。
これまでの作品と比較してどれが何やとヤイヤイ言わず、
1本の新作映画としてフレッシュな気持ちで観ると非常によいものと思われます。

ついでに、
あのロシアのドSエスパー姉さん、東欧訛りが素敵やけどどこかで見たことあるなぁ…
と思ったら、おやおやオーストラリアの誇る大女優、ケイト・ブランシェットではございませんか!
エンドロールでようやく分ったよ。髪型と口調のせいですっかり騙されてしまっておりました。



※注1:
 アジアとヨーロッパの街角はよく対比されるが、
 ヨーロッパのそれが落ち着いて変わらぬものなのに比べ、アジアの街とは実に目まぐるしく変化するものだ。
 思うに、アジアで言う"街"は建物よりヒトがメインなんではないかな。
 例えばパリで"景観を損ねるから通り沿いに洗濯物を干しちゃいけません"なんて法律があったりするらしいけれども
 この時の景観とか美しさとは建物や通りといった、ある種不動のものを基準にしているのであって
 もちろんそこにヒトがいていけない言われはないけれども(いないと怖ぇぇ)、
 少なくとも屋内的な生活感を醸し出すのは相応しくはないとされているわけだ。
 に対してアジアン・シティーは、露店でおばちゃんが包丁を振りまくり、ラフなおっちゃんが食い歩き…
 なんてのがある種鉄板で、生活感のない風景は逆に何となく気持ち悪いような気がする。
 どちらもどちらで好きなんだけれど、いやぁアジアの街角は面白いぞ☆


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