![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/b3/17e0b5e0b56423c29446a3af5a381f86.jpg)
カニムシ(pseudoscorpion=ニセサソリの謂)の一種 の標本。
比較的高次の捕食者とはいえ、ツルグレン装置などで見つかる小さな土壌動物だが、
それにしてもやっぱり小さい。
赤ちゃんかもねー。(←めんどくさがって同定してない)
動物界 Animalia
節足動物門 Arthropoda
鋏角亜門 Chelicerata
蛛形綱(クモ綱) Arachnida
広腹上目 Latigasta
偽蠍目(カニムシ目) Pseudoscorpionida ・・・
ツチカニムシ類のような気もするのですが、定かではありません(跗節を数えればいいのだが…)。
鋏角類ってことで、クモやサソリやダニなどと同じ仲間である。
よく形容されるように、見かけは"尻尾のないサソリ"であるが、
鋏角類の中でサソリとさほど直接に近縁というわけではないらしい。
強大なハサミ状の触肢(pedipalp)も恐らく独立に入手したものだ。
種類によっては本などに生息してシミを食べるものも知られており、
アリストテレスもこれを「本の中に発生するサソリのような蟲」と呼んでいる。
古くから化石の知られるサソリなどとは異なり、
カニムシの化石が知られるのは突如、漸新世{Oligocene (33.9±0.1 - 23.03±0.05 Ma)}から。
琥珀中に封入された状態で発掘され、そのうちの多くが現生のものと同属、同じ科だったりする。
日本では多くないが、
カニムシといえば便乗(phoresy)である。
卵を抱いた♀が他の飛行する昆虫などに取りつき、その生息範囲を広げる。
バルト海沿岸などで発見される化石には、まさにしがみ付いている最中の化石などが琥珀から見つかるようで、
この生息域拡散戦略の伝統性を示している。
↓ ミュージアムパーク茨城県自然博物館の巨大カニムシ模型。
通常大きくても数mmという小型の動物だが、
複数の種類が触肢の爪に毒を持っており、同じくらいの大きさの動物にはそう負けない。
よってリターにおける高位の捕食者としての地位を確立しており、
しかも世界中に分布している。
かといって、どこにでもウジャウジャいるかと言えば(トビムシみたいに)、そうでもないんだよねー。
形がカッコいいので、見つけると嬉しい生き物のひとつである。
もっと大きいの探したいなぁ。
<weblog内-関連記事LINKS:>
・specimens: うちの収蔵標本。
・Limulus polyphemus: アメリカカブトガニ。同じ鋏角類。
・phyllosoma: イセエビのフィロソーマ幼生。
・Chrysochroa fulgidissima: タマムシ。
・Takydromus tachydromoides: ニホンカナヘビ。
・Phascolosoma scolops: サメハダホシムシ。
・Spadella sp. イソヤムシ属。
・Coenobita: オカヤドカリ。
Reference:
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