40年前に購入した1冊の古びた本がここにある。
『日本万国博覧会公式ガイド』
1970年、大阪で開かれた万国博の公式ガイドブックである。
『EXPO’70』と名付けられた大阪万博は40年前の今日、開幕した。
テーマは『人類の進歩と調和』
名誉総裁は昭仁皇太子殿下(当時)、会長は佐藤栄作総理(当時)、作家の堺屋太一も当時は通産省の官僚で、万博開催に関与していた。
国民的なお祭りだった。テレビでは毎日のように、万博を取り上げていた。
当時、僕は小学2年生。伊丹に住んでいたので、会場までは電車でさほど時間はかからなかったこともあり、何度か会場を訪れた。
初めて会場を訪れたのはゴールデンウィーク。
その日は快晴だった。今でもよく憶えている。私鉄の専用駅から会場へと足を踏み入れた。
カラフルで未来的なパビリオンはどれも眩しく、ワクワクした。
真っ赤なソビエト館、エアドームを用いたアメリカ館、巨大な黄色のチューブで建てられた富士グループ・パビリオン、古河パビリオンは七重の塔だった。
月の石が展示されて、もの凄い行列を作った。無人のモノレールが走り、動く歩道で会場を移動する。携帯電話も初めて万博で披露された。
岡本太郎デザインの万博のシンボル、太陽の塔は今でも特徴的な姿を残している。
塔の中は人類誕生までの進化の過程を生物の模型によって時系列順に展示されていた。
フジパンロボット館は手塚治虫が監修をしていた。
三波春男が歌うテーマソングは今でもよく憶えている。
特に印象に残っているのが三菱未来館。
動く歩道に乗り、未来をビジュアル化した360度の動画は圧倒的な迫力があった。
35年後に行った『愛知万博』でも同じく三菱未来館があり、一番印象に残っている。
毎日、一日の入場者数が発表されて、20万人とか40万人、夏のある日はついに100万人を突破したとニュースが伝えていた。
高度経済成長を謳歌する元気な日本の象徴のようなイベントだったと思う。
その後、博覧会は何度か行っているけど、大阪万博が今でも一番印象に残っている。