まあどうにかなるさ

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「もの忘れが激しい人」と「記憶力が衰えない人」の分かれ目

2017-05-20 22:17:23 | 健康

4月21日号の『週刊ポスト』に掲載された記事。
今や予備軍を含めると860万人(12年)、65歳以上の4人に1人が認知症とされる時代である(厚生労働省推計)。
まず、「記憶」とはどのようなメカニズムになっているのだろうか?
分かりやすくいえば「記銘」「貯蔵」「検索」の3段階で構成されている。
情報はまず脳の中心部である『海馬』に一時的に保存される(記銘)。そこで1時間から1か月程度をかけて必要な情報と不必要な情報に選別し、必要な情報を大脳皮質に移し替える(貯蔵)。貯蔵された情報は海馬が取り出すことによって思い出すことが出来る(検索)。
高齢者を悩ませる「物忘れ」のほとんどは、加齢による海馬の機能低下によって、情報を脳から「検索」できなくなっている状態なのだ。
一方で認知症の場合は「検索」以外にも支障が出る。「記銘」すなわちインプットができなくなるのだ。情報が定着しない以上「貯蔵」もできなければ「検索」も難しくなる。
加齢による「物忘れ」は誰にも起こるが「物忘れ」と「認知症」は医学的には似て非なるものだ。しかし、取るべき対策には共通するものも多い。

「記憶力が衰えない人」と「物忘れが激しい人」の分かれ目はどこにあるのか。

それは遺伝的な要素より本人の生活習慣生活環境による後天的な要素の方が記憶力を左右すると言う。

具体的な項目で比べていく。

 ●「麺派の人」と「米派の人」
日々の生活で大切なのはよく噛むこと。よく咀嚼すると脳への血流が増え、栄養素を多く脳が活性化しないため記憶力が低下しやすくなる。
ラーメンやうどんなどはすすって食べるため、噛む回数が少なくなる。よく噛んで食べる米食の方が脳の活性化には有利である。
歯を失った人は認知症になりやすいのは咀嚼の回数が減ることが原因なのだ。

●「朝はパン」と決めた人とメニューを決めてない人
メニューを固定してしまうと、メニューを考えたり、調理したりするために頭を働かせる機会を削いでしまう。そうすると脳のネットワークを強化できない。食習慣だけではなく、食材や調理方法も記憶力に大きな影響を与えるのだ。

●お酒を飲む人と飲まない人
適度なアルコール摂取は動脈硬化を防ぐと言われており、適量なら飲酒は記憶にとってメリットがある。一日の適正飲酒量の目安はビールなら中瓶1本、ワインならグラス1杯、日本酒なら1合未満である。

●「営業職」の人と「事務職」の人
経理など黙々と作業をこなす事務系より営業や企画開発など周囲とコミュニケーションを取りながらあれこれ知恵を絞る職種の方が認知症になる人は少なく、歳をとっても記憶力が優れた人が多い。

●「自己中心的」な人と「おおらか」な人
『おおらかな人』は周囲の人に対応するために色々と考え、脳を使っているので記憶力を維持しているのに対し、『几帳面な人』『融通が利かない人』『自己中心的な人』は周囲とのコミュニケーションが少なくなるため、脳の活動が少なくなりやすい。

●子供と同居する人と一人で暮らす人
実は子供や孫と同居している高齢者の方が認知症になりやすい。
一人暮らしだと最低限の身の回りの世話を自分で行わなければならないので脳を使うが、面倒見の良い子供夫婦だと楽隠居させてしまう。認知症予防のためには「庭の掃除くらいして」と働かせるくらいが本人のためになる。

●女好きな人と枯れちゃった人
性欲が強いのは男性ホルモンである『テストステロン』の分泌が活発な証拠。これは性機能だけでなく、脳細胞の活動を活性化させ、認知機能改善も期待できる。このことは東京大学で実験により明らかにされている。

●7時間寝られる人と寝られない人
脳の機能低下を防ぐには睡眠も重要。ロンドン大学の実験によると7時間睡眠のグループが最も成績がいい。毎日7時間寝られないという人は30分~1時間の昼寝が有効だという。但し1時間以上の昼寝は逆に認知症の発症リスクが高まる。

未来の自分のために今からでも習慣づけできることはある。



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