まあどうにかなるさ

日記やコラム、創作、写真などをほぼ週刊でアップしています。

ONE PIECE

2012-02-16 17:46:19 | 書評
年末年始に帰省したとき、コミック『ONE PIECE』を妹から借りた。
妹宅にある全64巻のうち50巻を車に積んで自宅に帰って来た。ご存知、『少年ジャンプ』に長期連載中の尾田栄一郎著人気少年漫画である。
妹は、久しぶりに面白い漫画で、お薦めだと言う。
妹は何度も読み返しており、何度目かの途中、ちょうど50巻まで読んだので、とりあえず、そこまでを貸してくれた。
この漫画はテレビアニメ化や映画化もされていて、人気があることは知っていた。でも、正直あまり興味はなかった。
帰宅して、早速読んでみた。
16世紀の大航海時代をモデルにした海賊の話し。
でも、物語の舞台は架空の世界である。
しかも、非現実的で子供だましのバカバカしい設定なので、本来なら大人にはまるで物足りない低俗な童話のような内容である。
主人公のルフィは子供の頃、麦わら帽子をもらった海賊に憧れていた。大人になり海賊王を目指し、海に出る。
ルフィはひょんな事で食べた悪魔の実により、体がゴムのように伸びるゴム人間になってしまう。
あまりに意味不明な設定である。
この、悪魔の実は物語に重要な役割を果たす。
同じ効力のある実は二つと存在しない。
ある実は火を操れたり、手にしたものを凍らせたり、動物に変身できる体になったりする。
ルフィはこの能力を巧に操り、敵と戦う。
航海に出発したルフィは、航海共にをする仲間を捜す。
両手に刀を持ち、更に刀を口にくわえた三刀流の使い手、医者のトナカイや死なない悪魔の実を食べたセクハラのガイコツ、体の前半分がサイボーグの船大工など、全く理解不能な有り得ない仲間を次々に船に乗せて航海を続ける。
行き先も、空中に浮かんでる都市だったり、都市そのものが船のように航海していたり、もうめちゃくちゃ。
想像力だけを頼りにしたようなリアリティのかけらもない設定である。
だが、ストーリーは緻密だし、少年漫画に徹しているため、恋愛関係のようなどろどろした人間関係は出てこない。
物語の大部分を占める決闘のところでも、ルフィは決して敵を殺すと言う表現は使わない。
「ぶっ飛ばす」と言う。
敵を倒したあとは必ず宴会で締めくくる様式も安心できていい。
また、敵も味方も実にマンガチックで個性的なキャラクターで魅力的である。
素手で敵をやっつけるという単純明快なシチュエーションが格闘技のような心地よさを感じさせ、解りやすい勧善懲悪な展開がかつてのヒーローを思い出させてくれる。
読んでいるときは夢中になるけど、読後はほとんど何も残らない。
でも、それこそが漫画の本道なのではないだろうか。
もし、子供のときにこの漫画を勉強もしないで読んでいたら、間違いなく親に叱られる内容だと思う。
何故か息子は今のところ興味は示さない。
実に下らなくて何のためにもならない、面白いだけの漫画。
潔くていいと思う。
残りの巻を読むのが楽しみである。