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ピーター・ジャイルズ

2023-04-22 11:37:18 | bass

ピーター・ジャイルズ Peter Anthony Giles

【パート】
  ベース、ヴォーカル


【生没年月日】
  1944年6月17日~


【出生地】
  イングランド ハンプシャー州ハヴァント


【経歴】
  ジョニー・キング&ザ・レイダース/Johnny King & The Raiders(1960~1961)
  デイヴ・アンソニー&ザ・レベルス/Dave Anthony & The Rebels(1961)
  ザ・ダウランズ&ザ・サウンドトラックス/The Dowlands & The Soundtracks(1961~1963)
  ザ・サンズ・コンボ/The Sands Combo(1963)
  ジ・インターンズ/The Interns(1963)
  ザ・トレンドセッターズ・リミテッド/The Trendsetters Limited(1963~1967)
  ザ・ブレイン/The Brain(1967)

  ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ/Giles, Giles & Fripp(1967~1968)
  キング・クリムゾン/King Crimson(1970)
  マクドナルド & ジャイルズ/McDonald & Giles(1970)
  21st センチュリー・スキッツォイド・バンド/21st Century Schizoid Band(2002~2007)


 ハンプシャー州ハヴァントに生まれ、南イングランドのドーセット州ボーンマス郊外で育った。
 実兄のマイケル・ジャイルズは、のちのキング・クリムゾン初代ドラマーである。
 10代の頃、兄マイケルの影響で音楽に興味を持ち、ベースを弾き始める。

 1960年、地元のスキッフル・バンド「ジョニー・キング&ザ・レイダース」に加わる。これがジャイルズ兄弟の本格的な音楽活動の始まりである。1961年にバンドが解散すると「デイヴ・アンソニー&ザ・レベルス」に加入。1961年11月に兄マイケルとともにボーンマスの人気グループ「ザ・ダウランズ&ザ・サウンドトラックス」に参加する。
 ザ・ダウランド・ブラザーズを離れてからは「ザ・サンズ・コンボ」と「ジ・インターンズ」を経て、1963年12月にトロンボーン奏者をフィーチュアしたR&Bバンド「ザ・トレンドセッターズ・リミテッド」にマイケルとともに加入する。このバンドでは4枚のシングル・レコードの録音に参加したり、ベン・E・キングの英国公演時のバックを務めたりしている。



 ザ・トレンドセッターズ・リミテッドは1967年6月に「ザ・ブレイン」(The Brain)と改名して方向性をサイケデリック・ミュージックにシフトしようとしたが、現状を打開できず同年8月に解散する。
 ジャイルズ兄弟は新バンドを結成するため新聞にシンガー兼オルガニスト募集の広告を出す。これに応募してきたのが、オルガニストではなかったが同じドーセット州出身であるギタリストのロバート・フリップであった。オーディションの結果、3人は1967年8月に「ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ」を結成した。


 ジャイルズ・ジャイルズ&フリップは1967年の終わり頃にロンドンへ進出し、デラムとレコーディング契約を結ぶ。
 この年6月にはイアン・マクドナルド(元インフィニティ)と、彼の恋人であるジュディ・ダイブル(vocal、元フェアポート・コンヴェンション)がジャイルズ・ジャイルズ & フリップに加入。また、イアン・マクドナルドを通じて、イアンのインフィニティ時代のバンド・メイトだったピート・シンフィールドとも知り合い、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップはシンフィールドから歌詞を提供されるようになる。
 同年7月、イアンと破局したジュディ・ダイブルがバンドを脱退。
 同年9月13日、ジャイルズ・ジャイルズ & フリップはデビュー・アルバム『チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ』を発表したが、セールスは全く振るわなかった。


          


 12月になると、ロバート・フリップとの関係に溝ができたことが原因で、ピーターはジャイルズ・ジャイルズ & フリップを脱退する。後任として参加したのがグレッグ・レイク(bass, vocal)である。
 ジャイルズ・ジャイルズ & フリップは一度もライヴでの演奏をすることなく活動に終止符を打ち、バンド名を改めて再出発を図ることになるが、その新たなバンド名が「キング・クリムゾン」である。


 ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ脱退後のピーターはコンピューターのオペレーターとして働いていたが、1970年にロバート・フリップからの依頼を受けて、キング・クリムゾンのセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』の録音に参加、ベースを担当した。当時のキング・クリムゾンは過渡期にあり、メンバーはフリップとシンフィールドのふたりになっていたためである。

 この年は引き続いてマイケル・ジャイルズとイアン・マクドナルドのユニット「マクドナルド & ジャイルズ」が残した唯一のアルバム『マクドナルド & ジャイルズ』のレコーディングにも参加している。
 その後はセッション・ミュージシャンとして活動していたが、1974年頃からは弁護士の書記となり、長年にわたってイギリス音楽業界の著作権管理団体「パフォーミング・ライト・ソサエティ」のために働いた。

 1977年にはエルヴィス・コステロのバック・バンドのオーディションを受けたが、ピーターのベースはコステロが求めているものではなかったため、採用には至らなかった。
 1978年、マイケル・ジャイルズのソロ・アルバム『プログレス』(発表は24年後の2002年)の録音に参加したのを最後にしばらく音楽活動から遠ざかるが、1980年代半ばからジャズ・バンドのベーシストとして活動を再開。


 2001年、かつてジャイルズ・ジャイルズ&フリップがイアン・マクドナルドとジュディ・ダイブルを加えて制作した未発表音源の編集に携わる。この音源はLP『Metaphormosis』、CD『The Brondesbury Tapes』として同年に発表された。
 2002年、マイケル・ジャイルズやイアン・マクドナルド、メル・コリンズなどキング・クリムゾンの元メンバーらとともに「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」(命名はロバート・フリップ)を結成。このバンドは初期キング・クリムゾンやマクドナルド&ジャイルズのナンバーをレパートリーとしており、2007年まで活動を続け、高い評価を得た。
 2009年、ザ・ダウランド・&ザ・サウンドトラックスやトレンドセッターズ・リミテッドなど、1967年以前に録音された音源を『The Giles Brothers』としてリリースした。


 ピーターは2001年以来妻ヤスミン(keyboard, vocal)とともに「Aluna」というユニットで音楽活動を続けていたが、2018年にアルバムを制作。これは2021年に「Yasmin and Peter Giles」名義のアルバム『Insights』として発表された。


          


 ピーター・ジャイルズは中長距離ランナーとしての顔も持っている。
 2015年にはリヨンで行われた世界マスターズ陸上競技選手権に出場し、1500m70歳代の部で2位となっている。


【参加アルバム】☆=ライヴ・アルバム ★コンピレイション・アルバム

 <ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ>

  1968年 チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ/The Cheerful Insanity of Giles, Giles & Fripp
  2001年 The Brondesbury Tapes(CD。LPとしては『Metaphormosis』のタイトルで発表)


 <キング・クリムゾン>
  1970年 ポセイドンのめざめ/In the Wake of Poseidon

 <マクドナルド & ジャイルズ>
  1970年 マクドナルド & ジャイルズ/McDonald & Giles

 <21st センチュリー・スキッツォイド・バンド>
  2002年 Official Bootleg Volume One
 ☆2004年 Tokyo 2002
 ☆2004年 Live in Italy
 ☆2005年 Live in Japan
 ☆2006年 Pictures of a City - Live in New York

 <Peter Giles, Michael Giles>
 ★2009年 The Giles Brothers 1962-1967

 <Yasmin and Peter Giles>
  2021年 Insights

 <レコーディング・セッション>
  1972年 Nigel Lived(Murray Head)

  1994年 Vast Empty Spacec(Todd Dillingham)
  2002年 プログレス/Progress(マイケル・ジャイルズ)※録音1978年
  2002年 Passion(Murray Head)

 


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