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トレヴァー・ボルダー

2023-05-14 23:21:51 | bass

トレヴァー・ボルダー Trevor Bolder


【パート】

  ベース、ギター、トランペット、トロンボーン、ヴォーカル

【生没年月日】
  1950年6月9日~2013年5月21日(62歳没)

【出生地】
  イングランド ヨークシャー州キングストン・アポン・ハル

【経 歴】
  スパイダーズ・フロム・マース/Spiders From Mars(1971~1976)
  ユーライア・ヒープ/Uriah Heep(1976~1981)

  ウィッシュボーン・アッシュ/(1981~1983)
  ユーライア・ヒープ/Uriah Heep(1983~2013)
  サイバーノウツ/Cybernauts(2000~2001)


 イギリスのベーシスト、ソングライター、プロデューサー。

 ユーライア・ヒープの5代目、7代目のベーシストとして、足掛け37年の間バンドを支え続けた。
 タイトかつグルーヴィーなボルダーのベースは、ブリティッシュ・ロックにおいて正統派と呼べるものだった。


 ボルダーは、イングランド北部に位置するヨークシャーのキングストン・アポン・ハルで生まれた。
 彼の父親はトランペット奏者だった。ボルダーも学校のバンドでコルネットを吹くようになり、1960年代前半には地元のR&Bバンドで演奏するようになった。
 その後ビートルズを聴いて衝撃を受けたボルダーは、1964年に兄とバンドを組むことになり、ベース・ギターを始める。
 やがて地元ハルで活動していた「ザ・ラッツ」に加入。このバンドでリード・ギターを担当していたのが、同じキングストン・アポン・ハル生まれのミック・ロンソンである。


 1971年、ボルダーはミック・ロンソン(guitar)のいたデヴィッド・ボウイのバック・バンドに、トニー・ヴィスコンティの後任ベーシストとして加入する。
 同年、ボルダーとミック・ロンソン、そしてやはりボウイのバック・バンドのメンバーだったウッディ・ウッドマンジー(drums)の三人は一時ボウイの元を離れ、「ロノ」というバンド名でシングル『Fourth Hour Of My Sleep』を発表。そのほかアルバムも1枚録音したそうだが、そのテープの所在は不明のままだという。
 彼らは間もなくボウイに呼び戻され、再びバック・バンドに加入したが、これがのちに「スパイダーズ・フロム・マーズ」と名付けられるバンドである。
 ボルダーは「スパイダーズ・フロム・マーズ」在籍時に『ハンキー・ドリー』(1971年)、『ジギー・スターダスト』(1972年)、『アラジン・セイン』(1973年)、『ピンナップス』(1973年)の4枚のアルバムの制作に参加している。
 1973 年にはドキュメンタリー映画『Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』に出演。
 1974年、ミック・ロンソンのソロ・アルバム『スローター・オン・10th・アヴェニュー』の録音に招かれ、ベースのほかトランペットとトロンボーンを演奏。このアルバムは全英9位まで上昇するヒットとなった。


 1976年、ジョン・ウェットンの後任としてユーライア・ヒープに加入。
 この時のオーディションの課題曲は「七月の朝」だったそうだが、ボルダーのレコード・プレイヤーの具合がわるく、回転数がおかしくなっていたため、違ったキーで練習してオーディションに臨んだという。
 1977年2月、ヒープ加入後の初録音であるアルバム『ファイアフライ』がリリースされる。
 その後『罪なきいけにえ』(1977年)、『堕ちた天使』(1978年)、『征服者』(1980年)の制作に携わったが、『征服者』発表後にオリジナル・メンバーのケン・ヘンズレー(keyboards, guitar)が脱退。これがきっかけとなり、やはりオリジナル・メンバーのミック・ボックス(guitar)を除く全員がバンドから離れ、ユーライア・ヒープは活動を停止する。


 ヒープから離れたボルダーは、1981年春にウィッシュボーン・アッシュに加入。この時もジョン・ウェットンと入れ替わっての加入であった。
 1982年にアルバム『ツイン・バレルズ・バーニング』を発表しているが、これがウィッシュボーン・アッシュ在籍時唯一の参加アルバムである。
 1983年、ユーライア・ヒープは15枚目のスタジオ・アルバム『ヘッド・ファースト』を制作したが、ボルダーはそのリリース直後にボブ・ディズリーの後任としてユーライア・ヒープに復帰。
 ボルダーは、アルバム・リリース直後の「ヘッド・ファースト・ツアー」からステージを務め、その後2011年の『イントゥ・ザ・ワイルド』までの全てのスタジオ・アルバムでベースを担当した。1991年のアルバム『ディファレント・ワールド』ではプロデュースを行っている。


 1993年、「スパイダーズ・フロム・マース」時代のバンド・メイトで、旧友のミック・ロンソンが死去。
 彼のトリビュート・コンサートは1994年に行なわれたが、ボルダーはこの時に結成されたバンドのベーシストを務めた。
 この時のバンドのメンバーは、ボルダーのほかジョー・エリオット(vocal、デフ・レパード)、フィル・コリン(guitar, vocal、デフ・レパード)、ウッディ・ウッドマンジー(drums、スパイダース・フロム・マース)、ディック・ディセント(keyboards, vocal)の5人で、彼らはのちバンドを「サイバーノウツ」と名付け、1970年代前半のデヴィッド・ボウイの曲を演奏するという目的で一時的に活動した。
 サイバーノウツは、2000年にはライヴ・アルバム『Live』を発表。2001年1月には来日しており、この時ボルダーもメンバーの一員として同行している。
 2001年にはスタジオでレコーディングも行われたが、その後のサイバーノウツは目立った活動をしていない。
 2010年10月、ボルダーはユーライア・ヒープの一員として来日。この時クラブチッタで行われたライヴは、2枚組アルバム『ユーライア・ヒープ~ライヴ・イン・カワサキ 2010』に完全収録されている。


 ボルダーは2013年1月に膵臓癌の手術を受け、その後療養生活を送っていたが、2013年5月21日にコッティンガムにあるキャッスルヒル病院で癌のため62歳で死去。療養中に代役を務めていたデイヴ・リマーが後任のユーライア・ヒープ第8代目ベーシストとなった。
 ボルダーの死によって制作途中だった彼のソロ・アルバムは未完となったが、その後家族や友人によって完成し、2020年11月に『セイル・ザ・リヴァーズ』のタイトルでリリースされた。レコーディングにはユーライア・ヒープやウッシュボーン・アッシュのメンバーが参加している。



【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレイション・アルバム)

 <スパイダーズ・フロム・マース>
  1971 ハンキー・ドリー/Hunky Dory UK3位, US57位
  1972 ジギー・スターダスト/The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars UK5位, US21位
  1973 アラジン・セイン/Aladdin Sane UK1位, US17位
  1973 ピンナップス/Pin Ups UK1位, US23位
 ☆1983 Ziggy Stardust - The Motion Picture(recorded live 1973) UK17位, US89位
 ☆2008 Santa Monica '72(recorded live 1972) UK61位

 <ユーライア・ヒープ>
  1977 ファイアフライ/Firefly UK166位
  1977 罪なきいけにえ/Innocent Victim
  1978 堕ちた天使/Fallen Angel US186位
  1980 征服者/Conquest UK37位
  1985 イクウェイター/Equator UK79位
 ☆1986 ライヴ・イン・ヨーロッパ1979/Live in Europe 1979
 ☆1988 ライヴ・イン・モスクワ/Live in Moscow 1987
  1989 レイジング・サイレンス/Raging Silence
  1991 ディファレント・ワールド/Different World
  1995 シー・オブ・ライト/Sea of Light
 ☆1996 スペルバインダー~ライヴ・イン・ジャーマニー~/Spellbinder Live 1994
  1998 ソニック・オリガミ/Sonic Origami
 ☆2000 Future Echoes of the Past
 ☆2001 アコースティカリー・ドリヴン~ライヴ2000/Acoustically Driven
 ☆2001 Electrically Driven
 ☆2002 真・魔の饗宴~ライヴ2001/The Magician's Birthday Party
 ☆2003 ライヴ・イン・ザ・USA~ライヴ2002/Live in USA
 ☆2004 マジック・ナイト~ライヴ2003/Magic NIght
  2008 ウェイク・ザ・スリーパー/Wake the Sleeper
 ★2009 Celebration-Forty Years of Rock
  2011 イントゥ・ザ・ワイルド/Into the wild
 ★2015 Totally Driven(recorded 2000-2001)

 <ウィッシュボーン・アッシュ>
  1982 ツイン・バレルズ・バーニング/Twin Barrels Burning UK22位

 <サイバーノウツ>
  2000 Cybernauts Live

 <ソロ・アルバム>
  2020 セイル・ザ・リヴァーズ/Sail the rivers

 <ゲスト参加>
 *ダナ・ギレスピー
  1973 Weren't Born a Man
 *ケン・ヘンズレー
  1980 Free Sprit
  1994 From Time to Time
 *ミック・ロンソン
  1974 Slaughter on 10th Avenue UK9位
  1975 Play Don't Worry UK29位
  1997 Memorial Concert
  1998 Main Man


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