残照日記

晩節を孤芳に生きる。

政治刷新

2011-08-30 17:46:00 | 日記
≪野田民主党代表が第95代首相に──菅内閣の総辞職を受け、国会は30日午後、衆参両院本会議で首相指名選挙を行い、民主党の野田佳彦代表(54)を第95代、62人目の首相に指名した。衆院では、野田氏が308票の過半数を得て、首相に指名された。一方、参院は1回目の投票で、野田氏が110票、自民党の谷垣総裁が85票を獲得したが、過半数に達せず、両氏による決選投票の結果、野田氏が110票で、谷垣氏の107票を上回り、首相に指名された。決選投票では白票が24票あった。野田氏の首相指名が正式に決まった。≫(8/30 読売新聞)

∇今回の民主党代表選は、一言で言えば≪小沢系でなくてよかった。≫(朝日)に尽きる。野田氏が選ばれたことに、6大紙の紙面は概ね賛意を表している。今回際立って目立つのが、「古い政治」からの脱却だ。≪民主党政権は、数々の失政と不毛な党内対立で、国民の期待を裏切り、信頼を失墜させてきた。小沢一郎元代表、鳩山前首相、菅首相による「トロイカ」の時代とは決別しなければならない。≫(読売)、≪野田氏が必要なのは、この3人による「トロイカ体制」を自らの力で乗り越えることだ。≫(毎日)、≪元代表におもねるような人事はごめんだ。≫(日経)、≪野田氏は…自らの権力を維持するためだけの古い政治家たちを復活させるなら、国民の信頼は完全に失墜するだろう。≫(産経)、≪小沢氏をめぐる党内抗争が政策実現のエネルギーをそぐ現状に終止符を打てるのか。それが民主党が引き続き政権政党たる資格を有するかどうかの分岐点となる。≫(東京)──全くその通りだと思う。野田氏には「古い政治」からの脱却にこそ“背水の陣”を敷いてもらいたい。それで党分裂を起こすなら、それもよい。寧ろその方が新しい「日本の政治」を築く“曙”になると信ずる。

∇ところで、代表選前日に発刊された「週刊現代」が手許にある。ある記事を読もうと思って買ったものだ。そこに「おバカすぎ「民主党代表選」全内幕」と題したかなりのページを割いた“総力特集”が載っている。海江田─前原の決戦をあらん限り揶揄した後、最後に「さようなら財務省のポチくん 政治生命をなくした野田佳彦」なる記事がある。縷々野田氏の「バカ」ぶりを書き連ねた上で、最後に代表に選出される「可能性全く無し」として、こう締めた。≪野田氏には、勝負勘も運もない。こんな人物が、これまで財務相として日本経済の番人をしてきたのだから、景気が回復するはずもない。ご愁傷さま。≫と。それこそ「おバカすぎ週刊現代」となってしまった。この如く政治を面白半分に取り上げ、記載し報道した事柄への“結果責任”を負わないマスコミ群。どの国にも見られる傾向だろうが、彼らが「国の品格」を貶めている“元凶”の一因だ。又、今朝の朝日に政治エディテーター・渡辺勉氏が、≪私たちメディアも、政争中心になりがちな報道を乗り越えたい。首相が務まる政治家なのか。政権を担える政党なのか。だれのための政策なのか。いっそう厳しくチェックしていきたい。≫と第一面に書いていた。

∇生意気言うんじゃない。≪政争中心になりがちな報道を乗り越えたい。≫は当然だ。もし政争を語るなら、「両成敗」の天秤を絶えず下げておくことだろう。一方的に首相・内閣・与党をこきおろすだけでなく、野党陣営の対応との比較が欠かせない。「犯人探し」がマスコミの仕事ではない。しかもこれでもか、これでもかと欠点をあげつらう流儀はもうゴメンだ。≪首相が務まる政治家なのか。政権を担える政党なのか≫の、特に≪首相が務まる政治家なのか。≫は、マスコミの仕事ではない。君等にそんな余計な判定をしてもらう必要は無い。記者が書きたい一番興味をそゝる所だろうが、「おバカすぎ週刊現代」の二の舞を踏むだけだ。専ら≪だれのための政策なのか。≫を注視し、≪いっそう厳しくチェック≫するだけでなく、「代案や新発想を以て、大いに“最良政策”を提案していきたい」ではないのか。チェックする、即ち「批判」は子どもでもやれる仕事だ。国際政治学者・坂本義和氏の言葉ではないが、≪知識人とは、批判力と構想力(老生は提案力)二つの軸を持つことが必要だ。≫を肝に銘じることだろう。そしてもう一度「マスコミの役割は何だろう」を、“原点回帰”して熟考してみることだろう。ジャーナリスト諸君よ、日本の国が可愛くないのか! 早速質問しよう。次の記事をどう感じるか? 明日又。

≪「新政権、一刻も早く解散に追い込む」自民・谷垣総裁──自民党の谷垣禎一総裁は30日午前の全議員・選挙区支部長懇談会で「復旧復興で協力すべきところは協力する」と述べる一方、「一刻も早く解散に追い込んで政権を奪還する」と、第3次補正予算成立後に野田新政権への対決姿勢を強めていく考えを示した。 谷垣氏は、民主党の野田佳彦新代表がマニフェスト(政権公約)の理念を堅持する姿勢を示したことについて「野田さんの理解はまったく間違っている。税収が落ち、震災が起きたから(実行)できないという話ではない。財政の見方に構造的な問題があった」と批判した。 さらに「2年間で2人の総理が辞めざるを得なかった。3人目は、戦いのファイナルステージ(最終段階)だ」と述べ、野田新政権を早期の衆院解散・総選挙に追い込む考えを強調した。≫(8/30 朝日新聞)


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