残照日記

晩節を孤芳に生きる。

つぶやき

2011-07-10 19:26:12 | 日記
≪高台避難「まだ恐怖心が」 被災地に津波、3・11後初──三陸沖を震源とする地震で岩手県大船渡市で10センチの津波が観測されたほか、同県宮古市、釜石市、久慈市でも津波が確認され、3月11日以降初めて被災地に津波が到達した。盛岡地方気象台によると、東日本大震災の余震とみられる。 この地震で津波注意報が出されたことを受け、岩手県内では、大槌町が避難指示、大船渡市、釜石市などが避難勧告を出した。釜石市では防災無線で高台への避難を呼びかけ、計87人の避難を確認した。……≫(7/10 asahi.com)

∇こゝ数日、和歌山、東北と地震が続いている。今日の三陸沖地震は余震だそうだ。不吉な感じを覚える。たゞ何事もないことを祈る。──ところで、寺田寅彦の随筆「天災と国防」は、岩波文庫「寺田寅彦随筆集」の第五巻に載っているが、この度、講談社学術文庫から、文字通り「天災と国防」の題名で発刊された。この本と高木仁三郎著「原発事故はなぜくりかえすのか」(岩波新書)は再読、三読、四、五読するに足る名著だと思う。被災当地は別にして、それ以外の人々は、猛暑・節電・熱中症の話題の陰に、そろ/\「地震・津波・原発事故」の凄絶さが記憶薄になりつゝある頃だろう。又、政界・経済界などで、景気・企業事情にかこつけて“脱原発論”が萎(しお)れかけはじめている兆もみえる。そして相変わらず「菅降ろし」だ。次のNHKオンライン情報と「天災と国防」の一部記事を読めば、天災はやっぱり天罰かもしれないと、良識ある人ならそう感じるかもしれない。──ふと、そうつぶやいた次第。「政治改革」論は次回から。では又。

≪“原発巡り混乱 首相は退陣を”──自民党の谷垣総裁は松江市で講演し、定期検査中の原子力発電所の再稼働を巡る菅総理大臣の対応について、「大変な混乱を招き、全国に影響が及んでいる」と批判し、早期退陣を求める考えを改めて示しました。この中で、谷垣総裁は、菅総理大臣が定期検査中の原子力発電所の再稼働を巡って「ストレステスト」という新たな安全評価を打ち出したことについて、「大変な混乱を招いていて、『日本のエネルギー事情はこれから大丈夫か』ということになり、全国に影響が及んでいる」と述べました。そのうえで、谷垣総裁は「一刻も早く菅総理大臣に退陣してもらわなければ日本の復興は進まず、国際社会の中で日本の地位を保つこともできない。震災対策に協力しながら退陣を迫るのは容易ではないが、何とか打開しないといけない」と述べました。≫(7/10 NHKオンライン 午後5時半)

“天災は忘れた頃にやってくる”
≪戦争はぜひとも避けようと思えば人間の力で避けられなくはないであろうが、天災ばかりは科学の力でもその襲来を中止させるわけには行かない。その上に、いついかなる程度の地震暴風津波洪水が来るか今のところ容易に予知することができない。最後通牒も何もなしに突然襲来するのである。それだから国家を脅かす敵としてこれほど恐ろしい敵はないはずである。もっともこうした天然の敵のためにこうむる損害は敵国の侵略によって起こるべき被害に比べて小さいという人があるかもしれないが、それは必ずしもそうは言われない。たとえば安政元年の大震のような大規模のものが襲来すれば、東京から福岡に至るまでのあらゆる大小都市の重要な文化設備が一時に脅かされ、西半日本の神経系統と循環系統に相当ひどい故障が起こって有機体としての一国の生活機能に著しい麻痺症状を惹起する恐れがある。万一にも大都市の水道貯水池の堤防でも決壊すれば市民がたちまち日々の飲用水に困るばかりでなく、氾濫する大量の流水の勢力は少なくも数村を微塵になぎ倒し、多数の犠牲者を出すであろう。水電の堰堤(えんてい)が破れても同様な犠牲を生じるばかりか、都市は暗やみになり肝心な動力網の源が一度に涸れてしまうことになる。こういうこの世の地獄の出現は、歴史の教うるところから判断して決して単なる杞憂ではない。しかも安政年間には電信も鉄道も電力網も水道もなかったから幸いであったが、次に起こる「安政地震」には事情が全然ちがうということを忘れてはならない。≫(「天災と国防」)

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