残照日記

晩節を孤芳に生きる。

天地は不仁なり

2010-09-17 08:36:11 | 日記


∇天地は不仁なり。万物を以て芻狗(すううく)と為す。
 聖人は不仁なり。百姓(ひゃくせい)を以て芻狗と為す。(「老子」)

※芻狗とは、お祭りに使う藁人形のこと。祭りが終われば捨てられる。
※百姓とは、すべての民・人々。今生きているすべての人々。

∇意訳──天地自然は一見すれば、まさに不仁なものだ(=慈しみなどない)。万物を、さながらお祭りが終われば路傍に捨てられ、顧みられることのない芻狗の如く扱う。聖人も然り。人民に慈愛を施すどころか知らん振りだ。

∇仁とは慈愛、博愛、恕(思いやり)。「不仁」は、こゝでは「大仁」の意。深意を熟察すべき名言である。自然は悠久の時間帯の中でゆっくり動いている。

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