残照日記

晩節を孤芳に生きる。

勝手気まゝ

2011-11-26 16:17:52 | 日記
○日溜りの殊に嬉しき小春かな  楽翁

【ディオゲネスの望み】
≪(ギリシャ哲学者の)ディオゲネスがクラネイオンで日向ぼっこをしていたとき、アレクサンダー大王がやってきて、彼の前に立ちながら、「賢者よ、何なりと望みのものを申してみよ」と言った。すると彼は、「どうか、どいて下さい。わたしを日陰におかないで頂きたい」と答えた。(「ギリシャ哲学者列伝」岩波文庫)

≪巨人・元GM清武氏「解任は不当」 12月にも訴訟へ ──プロ野球・巨人のコーチ人事などを巡る渡辺恒雄球団会長(85)との対立から、球団代表兼ゼネラルマネジャー(GM)を解任された清武英利氏(61)が25日、都内の日本外国特派員協会で記者会見し、解任を不当として12月にも訴訟に踏み切ることを表明した。 清武氏は日本語で計13ページ、英語で計19ページの反論文を配布。渡辺会長を批判した11日の記者会見の直前には渡辺会長から会見をやめるよう電話があり、「最後は説得ではなく、『君は破滅だぞ。読売新聞と全面戦争になるんだ』と恫喝された」などと明かした。 清武氏は「解任は『お家騒動』『泥仕合』に持ち込み、そのゴタゴタの中で違法・不当な処分を強行し、本質的な議論を抹殺しようとするもの」などと批判。… 一方、巨人は「本日の会見を聞き、清武君の解任理由はすべて正当であり、変更すべきところはないと改めて確信した」などとする桃井恒和球団社長名のコメントを出した。(11/26 朝日新聞)

∇当事者側の読売新聞はこう書いている。≪(前略)清武氏の記者会見について、巨人軍の桃井恒和社長は25日、「清武君の解任理由はすべて正当であり、変更すべきところはないと改めて確信した」とするコメントを発表した。清武氏が会見で、〈1〉巨人軍のコーチの総数に上限がある〈2〉一度決まったコーチ人事の変更は不可能〈3〉コーチの人事権は球団代表やGMにのみ認められている――という趣旨の見解を示したことについては、いずれも事実と異なり「牽強付会(けんきょうふかい)というべき」と反論した。(清武氏の)吉峯弁護士が「読売新聞の記事の品質が心配だ」と発言したことは、「読売新聞の信用を傷つけるもので看過しがたい」として発言の撤回を求めた。≫ 今朝の「天声人語」ではないが、≪グループのご同輩にはお見舞い申し上げる。上役中の上役をめぐる報道はぎこちなくもなろう。4年前に渡辺氏が仲介した大連立劇でも書いたが、伝える側がニュースの主役になるとややこしい≫。老生は「お家騒動」の事の次第にも、渡辺─清武の孰れが正否かの論駁騒動にも全く関心は無い。こんな下らぬ「人間喜劇」など、どこふく風のカルガモたちの日向ぼこ。「21世紀の森と広場」は今日も小春日和で穏やかであった。

【荘子の自由】
≪荘子が釣りをしていた。楚の王様が彼の噂を聞いて、召抱えんと家来をやって口説いた。家来「我が楚王が、国内の政治を貴殿に任せたいと言っている」荘子「(釣ったまま振り返らず)私はこう聞いている。──貴殿の楚国に神亀がいて、死んでからすでに三千年経っているという。霊験新たかな亀ゆえ王様はそれを大切に保管されておられる由。しかし、この亀は殺されてその亡骸を重宝されたかっただろうか、それとも生きて尾を泥中に引きずっている方を望んでいただろうか」家来「それは勿論、生きて尾を泥中に遊ばせていたかったと思います」荘子「そうでしょう。お帰り下さい。私も尾を泥中に引きずって自由に生きたいのです」≫(「荘子」秋水篇)


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