【「三四郎」の後に書かれ、次の「門」とあわせて三部作とされる。漱石自身の予告によれば「「三四郎」には大学生の事を描(かい)たが、此(この)小説にはそれから先の事を書いたからそれからである」。主人公の代助は三十歳を過ぎても親からの仕送りを受けて優雅に暮らしている知識人「高等遊民」である。かつて親友に譲った三千代と再会して、人妻である彼女との愛を貫く決心をする。愛を代償に社会から葬られる夫婦はどうなるのか。】(Amazon)
「古き日本の有名な本を読もう祭り」開催中。(また祭り?)
夏目漱石先生の5つの講演記録を読んだ後だからか、自然主義文学のよさが伝わってくる(気がする)。
代助は学生時代に仲のよかった友人の妹三千代に気があったのだけれど、別の友人片岡に薦め二人は結婚した。卒業後久しぶりに片岡に会った。三千代は子どもを生まれてすぐに亡くし体が弱い。片岡は三千代のことをあまり大事にせず怒りっぽくなり、仕事がうまくいかず経済的に苦労している。
三千代は代助に借金をお願いする。気の毒に思った代助は実家にお金を頼みに行き、兄嫁から内緒で都合をしてもらう。
代助は大学を卒業してから就職をせず、実家からの送金で自由に暮らしているいわゆる高等遊民(いわゆるボンボン?)
代助に縁談話がもちあがる。父親が自分の老い先を考えてのこと。しかし、代助は自由に生きていきたい。結婚をしなければいけない、とは考えない。三千代のことも気にかかる。
父親や兄とは考えが違う。兄嫁からも責められるようになる。度々の圧力についに代助は、自分は好きな人がいるのだと縁談を断り、父親からはもう援助はしないと言われる。これからは働かねば・・・
自分は三千代さんのことが好きなのだ。まず三千代に打ち明ける、次に片岡に。
三千代は今更ひどい、と言うがそうかといって片岡のことももう愛してはいない。代助について行く腹を決める。片岡には、「三千代はお前にやるが、三千代の病気が治ってからだ。お前とは絶交だ」と言われる。そして、実家に事の子細を書いた手紙が届く。代助は実家から勘当される。
・・・みたいな話。三四郎のその後、という感じです。
勘当された代助は、これからどう生きていくのでしょうね。
まあ、自分で稼いで自立しなければ自由に生きるといっても、どうしようもないでしょう。
食べて生きていくだけのことができてからでしょう。自由というのは自立が前提だからね。
三千代を幸せにしようと思えば覚悟を決めて、もう前を向くしかない。
三千代は代助より腹が据わってる。
ちょっと切ないけれど、しっかり生きてほしいと思いました。
ああ、何で打ち明けてしまったかなあ・・・
代助にはそれが一番の選択だったんだろうかねえ・・・(甘い?しょうがないか…^^;)
一人の人間の生き方、人間模様。面白かった。
星5つ
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