彼との２泊３日

１０月２２日金曜日。
午後３時過ぎ。

わたしの乗った飛行機は
彼のいる九州に着いた。

着陸の３０分位前から
もぉ気持ちがソワソワ落ち着かない

顔が火照って
頬が赤らんでるのが自分でもよくわかった


飛行機を降りて、
荷物を待っている間
待っている彼の方を振り向けない


そして回ってきた自分のカバンを引っ張ってゲートを出ると

待っていた彼が
すぐにわたしの目の前に来て
手を差し出して

そして手を繋いでくれた

「すぐにわかったよ」

「...うん...」


繋いだ彼の手は熱くて、
彼の緊張もすぐに伝わってきた


彼に手を引かれるままに歩いてくわたし。


ドキドキドキドキ...


そして、
夢にまで見た彼の車の助手席に...


運転中も手を繋いでくれる彼



お互いに何度も何度も
顔を見てにっこり



「飛行機から降りてくる人たちの中で
　ayutaだってすぐにわかったよ。
　ひとりだけブーツ履いてたし
　北国から来たって感じ(笑)」

ってふたりで笑って


それからホテルにチェックイン。


部屋に入ったら
思ってもみなかったサプライズが待っていた


彼が
「誕生日、おめでとう」

って、小さな袋を渡してくれた。


「えっ」


すごくびっくりしてるわたしに、


「開けてみて」と彼。


その小さな袋を開けてみると
とってもかわいい
ピンクゴールドのクロスのピアスだった





「ずっと前にayutaがピアス
片方なくした...

って言った時、
俺がいつか買ってあげるね

って言ったでしょ

あの約束叶えたかったんだ

誕生日のに」


って彼が...


あまりの感激と
予想外のサプライズに
胸がいっぱいになった


確かに９月のわたしの誕生日

誕生日に彼と過ごせない切なさで凹んでいたら

彼が、

「ayutaが九州にきた時に
　一緒にお祝いしようね」

って言ってくれた。


でもそんなこともう
３週間以上前のことだったし

それよりも
彼に会えるって喜びだけで
そんなことすっかり忘れてたし


「..ありがとう..」


ってわたしが
彼にギュッてしようとしたら

彼の方から　チュッ


わたしと彼とのFirst kissでした





それからしばらく部屋でのんびりしてから

ご飯を食べに出た


彼がいつも行くって言ってた
お好み焼き屋さんに
連れてってくれた。


彼はむか～し昔、
お好み焼き屋さんでバイトしてた。

そんな話しを
ずぅ～っと前に聞いてて

「いつかわたしにも、
　お好み焼き作って欲しいなぁ

　って言ってたよね、って彼。


確かに言った言った。


本当に彼って人は
そんな何気ないわたしの言葉をよく覚えていてくれてる


そしてわたし目の前で
器用にお好み焼きを焼いてくれた


すっごく美味しかった

でも、
抗がん剤治療以後、

ちょっと食べすぎると
吐いてしまう「吐き癖」がついてしまったわたしは、

外食してもいつも
１人前を食べられない


そうしたら彼が

「そうだと思ったよ
　だから１個は小さいのにした」

って言ってくれた


そんな感じで外食はすべて
彼が１．５人前で
わたしが０．５人前だった


「ayutaと一緒にいたら太りそう(笑)」


って言った。


わたしは彼が美味しそうに食べるのを見るのが
とっても幸せだった


帰りに彼がいつも行くコンビニに寄った。


彼とコンビニで買い物するのも
わたしのひとつの夢だったから

ふつうの恋人同士みたいにね。


そんな感じで
わたしと彼の２泊３日が始まった


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