さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

日本画家 田淵俊夫氏 

2016年07月07日 10時03分21秒 | Web log
先日、テレビで 奈良薬師寺の食堂に「阿弥陀浄土図」を奉納された
田淵俊夫氏の特集をみました。

日本画のことはあまりよく知りませんで、初めて名前と作品に触れました。

その番組は阿弥陀浄土図の完成に至るまでのドキュメンタリーだったのですが
いやぁ...京都の智積院に奉納された襖絵が最初に紹介されて、圧倒されました。

でもって、番組に見入って。

いかに氏が「線」にこだわってきたのか....というが随所で映し出されました。

京都の智積院の襖絵は水墨画でかかれた襖絵で、モノトーン。
でも、桜を見事に表現していらっしゃいます。

それから、先生の作品が他にも紹介されたのですが、敢えて色を塗らない部分が
あったりして、そこが斬新。

阿弥陀浄土図も下はほぼ色がありません。

アフリカやヨーロッパをスケッチ旅行したりして、現地の画風や色彩にも
触れたようですが、自分が目指しているのはこれじゃないと思って帰国したとか。

番組の中で「線というのは現実に存在しないんですよ。その現実にないものに
命をかけるというか...」というようなことをおっしゃっていて。

アァ、確かに。と思いました。数学的、哲学的なお言葉ですね。

そして、阿弥陀浄土図を構想している姿、また実際にお描きになっている姿、
何度も何度も書き入れた線を消しては描きを繰り返す姿。

母が池坊の生け花を長いことやっていて、そのときに池坊、小原流、他の派の
違いのようなものを聞いたときに、母が何故池坊が好きなのかということについて
小原流派は派手。池坊は線とミニマリズムの美しさを表現しようとしているから
自分は好きというようなことを言っていたことを覚えています。

そういったところ、日本古来の美意識というか、余分をそぎ落とすミニマリズムと
田淵先生の美意識が一つに繋がるような気がしています。

とはいうものの、田淵先生の作品の色づかいはそれはそれは美しいですし、膠を
極力控えて、どれだけ発色させるかへのこだわりも映し出されましたし、先生の
アトリエにある岩絵の具の数は相当なものでしたし...

画家って、科学者みたいと思いました。

奈良へ足を運んで「阿弥陀浄土図」を是非この目でみてみたい!と思っております。

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