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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ヤブガラシ - レストラン

2021-08-11 10:06:13 | みんなの花図鑑

ヤブガラシはブドウ科のつる植物ですが、ブドウ科の中で蜜をたぶん一番たくさん出します。



花は花弁と4個のおしべ付きで咲くのですが、この2つはまもなく落下して、左2つのようなオレンジ色の花盤の上に蜜をたっぷり載せた姿になります。




真ん中に立っているのが雌しべです。
雌しべが受粉すると花はオレンジ色からピンクに変化します。




こんなたっぷりの蜜を惜しげもなく出す花を虫たちが見逃すはずがありません。




ハチやアリが集まってきます。このヤブガラシには アブラムシも住んでいるようです。




一匹のアリが蜜を「がぶ飲み?」しています (^_-)-☆




つるに滴(しずく)のようなものがいくつかついています。
これは、ぶどう栽培家の間で「ブドウの真珠腺」 と呼ばれている 植物体由来の栄養体なのだそうです。
植物が自分を守るために虫に与えている餌となっているとの見解もあるそうです。
詳しくは 続・樹の散歩道「ヤブガラシの謎の球体の正体」 をご参照あれ!



ネコノヒゲ・サルビアなど - 唇形花

2021-08-10 19:51:09 | みんなの花図鑑
以下の花はすべて 安城デンパークで撮ったものです。

ネコノヒゲ

ネコノヒゲは オルトシフォン属の花。




花茎の同じ位置から 左右に3個ずつ花を咲かせます。




マレー語(インドネシア語)で Kumis Kucing。意味はずばり「猫( Kucing)の髭(Kumis)」 (^_-)-☆
ちなみに、インドネシアでは クチン はかわいがられますが、犬(アンジン) は不浄なものとして避けられています。




サルビア・ガラニティカ

Salvia guaranitica は シソ科アキギリ(サルビア)属の宿根多年生植物。
「ガラニチカ」の名前は、原産地の1つであるパラグアイの先住民族グアラニ族に由来する。(wiki「サルビア・ガラニチカ」)




花は穂状花序につき、長さ3~5㎝の濃い青紫色の唇形花。上唇はフード状で大きく、下唇は短い。(三河植物観察「サルビア・ガラニチカ」)



萼は黒色を帯び、先が2裂し、下側の先がさらに浅く2裂する。(同上)












サルビア・コクシネア

サルビア・コクシネアは シソ科アキギリ(サルビア)属 Salviaの多年草。




「花はシソ科の植物に見られる唇形花です。
唇形花とは、筒状に合着した花弁の先が上下2つに分かれている花のことで、この様子を口に見立て、上部を上唇(ジョウシン)、下部を下唇(カシン)と呼びます。」(ガーデニングの図鑑「サルビア・コクシネアの育て方」)




「サルビア・コクシネアの唇形花は、上唇は下唇よりやや短く、下唇は3裂し、中央裂片が大きくなっています。
雄しべは2個、雌しべは1個で、花冠から長く突出します。」(同上)







ディクリプテラ・スベルレクタ (メキシカン・ライオンズイヤー)

キツネノマゴ科です。
学名 を Dicliptera suberecta というのですが、覚えにくいので、別名の メキシカン・ライオンズイヤーのほうがよくつかわれているかも。

安城デンパークに解説板がありました。




属名Dicliptera は、ギリシャ語のdiclis(=戸のような二重のひだ)とpteron(=翼)の合成語で、2枚の総包葉の形状から。
種小名 suberecta は「やや直立の、やや真っ直ぐな」の意。




サルビアに似たオレンジ色の筒状の花が咲きます。



時期が来ると、おしべと花筒がいっしょに ポロリと抜け落ちます。
糸状の雌しべが残ります。








サギソウ、サギゴケ - シラサギから

2021-08-10 08:18:44 | みんなの花図鑑
サギソウ

幸田町憩いの農園園芸コーナーにて。
サギソウはよく見てるのですが、私が取り上げるのは 多分初めてだと思います。
サギソウは「ラン科サギソウ属(Pecteilis)の湿地性の多年草の1種。」(wiki 「サギソウ」)




「花期は7-8月。花の径は3 cmほどで、唇弁は大きく、深く3列し、中裂片は披針形、両側の側裂片は斜扇形で側方に開出てその縁は細かく裂ける。」(同上)




「この唇弁の開いた様子がシラサギが翼を広げた様に似ていることが和名の由来である。」




シラサギにも 大・中・小 とありますが、サギソウのサギは コサギのようです。





サギゴケ

サギソウを見た後では「(サギゴケの)和名は、花が紫色で、形がサギ(鷺)に似ていることから。」(wiki「ムラサキサギゴケ」)と言われても、どこが?ってなものですが・・・




「4本の雄蕊と1本の雌蕊を持ち、柱頭は2つに分れ触れると閉じる(柱頭運動)。これは送粉者に付着した花粉を積極的に取り込み受粉を促す役割をしていると考えられている。」(同上)




「この動きを律動にたとえジョロウバナの別称があるが、漢字で女郎花と書くとこれはオミナエシをさす。」(同上)



憩いの農園のオミナエシ




ツリガネカズラ - ノウゼンカズラ科

2021-08-09 17:50:09 | みんなの花図鑑

安城デンパークのいちばん南に池があってその周回道路のフェンスにこんなつる植物が咲いています。




ラッパ型の花冠で、色目からしてノウゼンカズラやアメリカノウセンカズラそっくりなのですが、一回り小さいです。





実は、フェンスに沿ってこのつる植物を見ていくと、いつの間にか、アメリカノウゼンカズラの花に替わっています (^_-)-☆
フェンスの隣の木に アメリカノウゼンカズラが絡みついているのです。




例によって、スマホの Google Lens で 名前を確認します。
アプリの画像は花にピントが合ってません。
それでも、的確に 候補を2つ挙げてきます(いつもこうとは限りませんが)。
「ツリガネカズラ」と「アメリカノウゼンカズラ」
目の前にある通りです。





ツリガネカズラはツリガネカズラ属とありますが、その上位は ノウゼンカズラ科です。





シベは ノウゼンカズラやアメリカノウゼンカズラと同じ、とあります。




つまり、おしべ4個、めしべ1個で…
雄しべは 上に一組、下に一組。




上のおしべに挟まれているのが雌しべの柱頭です。
虫が触れると 開けた口を閉じます。(← 他のノウゼンカズラ科からの類推です)
類推といえば、「おしべ4個」ということになってますが、実は退化した5番目のおしべが、ツリガネカズラにもありそうです。





ワタとイチビ - インドから来たアオイ科

2021-08-08 18:00:00 | みんなの花図鑑
意外に思われるかもしれませんが、アオイ科の、それもインドから来たらしい花を2つ紹介します。


ワタ

西尾市憩の農園の畑にて。


畑のワタは いい写真が撮れなかったので、以下、バックナンバーより

去年11月、Sさんの菜園にて。




かつては「三河木綿」というブランドがあって、関連ブログ記事に「 799年に現在の愛知県西尾市の辺りに漂着したインド人が、日本に初めて綿を伝授した」という記述があります。
三河地方も早くから綿作が行われていた有力な産地であったことは間違いないとしても、実際はそれと平行して広く各地でほぼ時期を同じくして栽培が行われるようになったのではないかと考えられます。




風船みたいなワタの実




立派な「綿毛」が…






イチビ

こちらは 幸田町の憩いの農園にて。
イチビの「切り花」を売ってました。




少しですが、まだ花も咲いていました。




イチビは アオイ科でも イチビ属(アブチロン)の花で、フヨウ属(ハイビスカス)のような独特の花シベ構造はしてないようです。




イチビもインドが原産地です。




日本でも平安時代には既に繊維をとるために広く栽培され、江戸時代まで利用されていた。かつて栽培されたものは山村などで野生化しているのが見られるが、果実は黄白色に熟する。(wiki 「イチビ」)




この果実が面白い。(ので、切り花に?)




あの花から、こんな実ができるなんて、想像できないですよね
「近年畑や空き地の雑草として急に増えてきたが、これは果実が黒くなり、遺伝的にも在来種と異なることが示されている。アメリカから飼料などに混って最近侵入し、繁殖力が強いため短期間で増えたと考えられている」(同上)

「日本の侵略的外来種ワースト100に選定されている。また、外来生物法により要注意外来生物に指定されている。」(同上)

インドというと今は コロナウィルス変異株の代名詞ですけど。。。

ゲンペイクサギ - クサギ属のシベ

2021-08-08 10:44:22 | みんなの花図鑑

ゲンペイクサギはクサギ属の常緑小低木。
赤い花弁と白い萼のコントラストが印象的で「源氏の白旗、平氏の紅旗」に見立てて「ゲンペイ(源平)」と名付けられました。
半つる性なので ゲンペイカズラとも呼ばれます。




クサギ属の学名は Clerodendrum ですが、
ネットの学名解説によると

となっています。
いちばん最後にわざわざクマツヅラ科と明記してありますが、現在では シソ科に含まれています。





おしべが勢い良く突き出しています。



よく見ると…

おしべが勢い良く突き出している花では、めしべが あっちゃ向いてホイ とそっぽ向いてます。
その手前の 雌しべがまっすぐ伸びている花では おしべはくちゃくちゃっと?丸まっています。




そうです。色こそ違え、おしべとめしべの活動時期が違うのは 元祖クサギの活動方法そっくりなのです。




クサギのばあい「花柱と花糸が連動して屈伸運動をすることで、雄性期から雌性期へと移行する。」
とありますが、ゲンペイクサギも ボタンクサギも全く同じなのです。




これを何日か?くりかえすのでしょうか?





クサギ

ちなみに、こちらは 2017-10月に撮った クサギ ですけど、
萼片が赤で、花冠が白で、ちょうど ゲンペイクサギの反対です (^_-)-☆

アニソドンテア - アオイ科のシベ

2021-08-07 18:31:43 | みんなの花図鑑

本日、幸田町憩いの農園にて。
見たことない花に遭遇 !
でも、ムクゲとヤノネボンテンカの花に似たところがあるので、アオイ科ではないかと直感 (^_-)-☆




ラベルがあって そこには
 四季咲き低木
 アンソドンテア
 ダラスピンク
とあったので、アンソドンテア ではなく アオイ科アニソドンテア属の花だと分かりました。

アニソドンテアの葉っぱはカエデのようなかわいい形でフチは少しギザギザしていて、枝から互生しています。
「不規則な鋸葉状の葉を持つことから、学名の Anisodontea はギリシャ語で不同の意味「aniso」と、歯の意味「odontos」という言葉が由来である。」





花シベは アオイ科特有の、おしべとめしべが組み合わさった構造をしています。
アニソドンテア属の雄しべの葯は 焦げて黒くなったような色をしています。
雄しべの花糸は束になってひとつの円筒になっています。
この雄しべの花糸筒の中を雌しべが貫通して抜け出た先で 柱頭を展開するのですが、タチアオイなどと同じで、おしべ活動期と雌しべ活動期が時間的にずれていて自家受粉を防いでいます。
上の画像の花で、右の花は おしべ期で、花柱は見えていません。
左の花は 先端にちょこんと赤い点が見えますが、これが おしべ筒の中を抜けてきた雌しべ(花柱)です。





こちらが おしべ期の花シベ。



これも同じく おしべ期です。





こちらが、おしべ筒の中を抜け出ためしべが柱頭を展開し始めたところです。



上に同じく 雌しべの柱頭が展開を始めた花シベです。




上の拡大図です。





柱頭が成熟した花シベです。



上の拡大図です。





トレニア - おしべとめしべ

2021-08-07 10:46:05 | みんなの花図鑑
トレニア

トレニアはインドシナ半島原産のゴマノハグサ科の花(草本)です。
公園などによく植えられている花ですが、花弁のグラデーションが美しい花です。




でも、私の関心は 相変わらず おしべとめしべ (´∀`)
左右から伸びているのが 長いほうの雄しべ一対です。(おしべは 下に もう一対あります)
中央で 唇を開いているのが 雌しべの柱頭です。




雌しべの柱頭は 今口を開けたような恰好をしていますが、ハチなどが触ると閉じます。




雄しべは 左右からアーチを作って 最終的にはくっついてしまいます。




この花は 長いほうの雄しべも 短いほうの雄しべも くっついているのがわかります。




くっつく理由はよくわかりませんが、ハチなどが花筒の奥にある蜜をなめようとするとどうしてもこのおしべのゲートをくぐらねばならないので、そのとき おしべの花粉が付きやすくなるという理由も考えられます。




ほかの花で花粉をつけたハチがこの花の中央の雌しべの柱頭に触れると花粉が柱頭につきます。
ハチが雌しべに触れると、雌しべの先が閉じます。花粉が乾燥しないように閉じるのだとも考えられています。花粉は雌しべから水分をもらってすぐに活動を始め、花粉管を伸ばします。花粉管は雌しべの中を伸びていきます。
ここから先は
NHK ミクロワールド 「トレニアの花 雌雄の出会い」
をご覧ください(^^♪





ノウゼンカズラ

さて、おしべが左右からアーチを作り、
雌しべの柱頭が 唇のように開いていて 虫が触ると閉じる花は ほかにもありました。
まず、このノウゼンカズラ (アメリカノウゼンカズラも同じ)。




花弁とおしべは基部でくっついていて、時期が来ると きれいさっぱり落下します。
ノウゼンカズラの萼は5裂、花弁も5裂。なのに おしべは 2対で4本しかない。。。のはおかしい 。調べてみると 上の画像のように 下のほうに 針のような5本目の雄しべが(退化して葯がありません)ありました (^_-)-☆






ウリクサ

これは アゼナ科の ウリクサ です。
とても小さいのですが、雄しべと雌しべの格好は トレニアやノウゼンカズラそっくりです。
アゼナ科というのは比較的新しい科で、「旧分類ではゴマノハグサ科に含められ、APGⅡ(2003年)ではオオバコ科に移されたが、APG III(2009年版)ではアゼナ科として独立」(三河の植物観察「アゼナ科」)したのです。
ウリクサは アゼナ科の ハナウリクサ属に属してます。
ハナウリクサとは トレニア のことだったのです (´∀`)




ハイビスカス - ブッソウゲの長いシベ

2021-08-06 18:00:00 | みんなの花図鑑

ふつうに「ハイビスカス」といってるけど、Hybisucus というのは フヨウ属のことなんですね。
Hibiscus mutabilis ((色が)変化しやすいヒビスクス)というのは フヨウ のことです。
Hibiscus syriacus (シリアのヒビスクス)といったら ムクゲ のことです。
Hibiscus coccineus (緋紅色のヒビスクス)なら、モミジアオイです。




で、私たちがふつうに「ハイビスカス」(和名でブッソウゲ)と呼んでいる種類のこの花は
学名では Hibiscus hybridus (交雑種のヒビスクス(フヨウ属))
または Hibiscus rosa-sinensis (支那のバラのヒビスクス)なんです。
「中国(又はインド)などの熱帯アジアが原産地ではないかと推定されているが、中国やインドで原種の自生種は発見されていない。染色体数も幅が広く、Hibiscus rosa-sinensis は交雑種と推定されている。」(三河の植物観察「ブッソウゲ 扶桑花」)




そんなことより、分かりやすいこの花シベを見てください(^^♪
この下側のオレンジ色(朱色)の外壁をもった円筒から 黄色い葯を立ち上げている器官が雄しべの花糸部分が合着して筒になった「雄しべ筒」です。
上側の赤い毛玉のようなのが雌しべの柱頭で、花柱が下の雄しべ筒の中を貫いて伸びてきて、抜け出た先で柱頭を展開しています。
(めしべとおしべ筒の色が違うので 境目がよくわかります)




柱頭には花粉を受け取りやすいように毛が生えています。




これは 八重のブッソウゲです。
八重の花弁部分は 主としておしべが花弁化するといわれていて、八重咲きスイセンなどでは おしべが無くなっているのがふつうですが、このブッソウゲでは 花シベ構造が残っています。




このブッソウゲはおしべ筒はオレンジ色(朱色)をしていてはっきりわかりますが、その先の雌しべの柱頭部分が見当たりません。
前回やった タチアオイのように 雌雄異熟で 雌しべは後から出てくるのかとも思いましたが、ブッソウゲ(いわゆるハイビスカス)についてはそういう記述は見当たりませんでいた。
(単に 園芸センターで ポキリと折れてしまったのかも?真相は不明です)




ブッソウゲというと、よくこんな風に なが~い花シベがありますね。
花弁は 虫を呼ぶためにあるのが本来なのに、こんなに 花シベが離れていては 役目が果たせないですね?(´v_v`)




雌しべとおしべが組み合わさっているといっても、雌しべの柱頭が必ず上にあります。自家受粉しないためです。
ところが 花シベが長~くなってくると 自重で下を向いていることもあります。
そうなると、
  蜜(花弁の付け根)> おしべ > 柱頭
の順に上から並ぶことになるので、これでは チョウが蜜を吸いに おしべ筒に止まると 花粉がその下の柱頭に振りかかることになります。