アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

サザンカ - もっと近くで

2024-01-24 15:00:00 | みんなの花図鑑

ツバキ科の植物の大半は北半球の熱帯から亜熱帯に分布します。
ところが日本のヤブツバキの自生北限は青森県の三大丸山遺跡のすぐ近くで、冬に花を咲かせます。ツバキ科の中では極端に北に分布するのです。
また、サザンカの分布の中心は琉球列島で、北限は佐賀県の吉野ケ里遺跡付近でした。

「サザンカ自生種の分布」(くらしの植物苑特別企画「冬の華・サザンカ」
ツバキと縄文人、またサザンカと弥生人・・・、不思議な符号だと思います。





寒いところでも花咲くツバキには 雄しべにも工夫があります。(そのためかどうかはわかりませんが)ツバキの雄しべは根元のほうで合着(ごうちゃく)していてさながら王冠(crown)のようになってます。さらに花弁とも合着しています。
たいしてサザンカは合着が弱く筒状にはならず離れています。





そのため、ツバキのほうは散るとき(めしべを残して)花ごと落ちますが、サザンカのほうは花弁と雄しべはばらばらになって落ちます。





サザンカには100近くの雄しべがあるのに めしべはたったの一本です。





めしべの先端は柱頭で3つに分かれています。
ツバキのほうは3裂ないし4裂のこともあるらしい。






おしべとめしべがこれだけ近いと、自家受粉大いにありえますね











蜜ですが、シベの根元にあり、なかなかピントが合いません。

蜜にピントを合わせると、シベはぼやけてしまい、何を撮ったのか分からなくなります。





大寒の日差しを浴びて 雄しべの花粉がゆらゆらと (^^ゞ




サザンカ 学名:Camellia sasanqua
「サザンカは仮名でサザンカと書けばよいのだが、強しいてこれに漢名を用いたければそれを茶梅(さばい)もしくは茶梅花(さばいか)と書けば中(あた)っている。」(牧野富太郎「植物記」)






最後に、つぼみが開きかけたばかりの花の中を覗いてみました。
まだ未開裂の葯が多いです。






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