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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

シクラメン - かがり火花(再)

2024-01-23 15:00:00 | みんなの花図鑑
きのうは「クリスマスローズ - 冬のリヴィエラ」を取り上げましたが、きょうは もうひとつ リヴィエラ(地中海沿岸)が原産地のシクラメンを取り上げます。


シクラメン(学名:Cyclamen persicum)の名は 古典ギリシア語のκυκλάμινος (kyklāmīnos) すなわち「円、輪、循環」を意味する κύκλος (kýklos) に由来するとされています。
κύκλος は 英語でいえば Cycle または Circle です。
しかし、シクラメンの 何を見てκύκλος (サークル、円、輪、循環)と呼んだのかには諸説あります。




よく聴くのは 丸い塊茎(球根)に由来するという説です。
しかし「丸い塊茎」を英語に翻訳すると round tubers となるように、Circle(円、輪、循環)のニュアンスがありません。




ウィキには 「受粉後に花茎が螺旋状に変化する性質」から、というのも紹介されてます。
また「みんなの広場 植物Q&A 「クルクルの理由」」には「シクラメンは花柄が結実後にらせん状に巻くことからその名がある」と断定しています。
どういう状態か分かりにくいのですが、「原種シクラメンのらせん状茎」でググってみてください。その状態を捉えた画像にお目にかかれます。
(どうしても見つからなかったら ここ を参照ください)



でも。。。
シクラメンの由来はほんとに丸い球根とか渦巻花柄とかからなんでしょうか??
球根説は「丸い」けれど、普段は見えないし、「輪、循環」のニュアンスがありません。
渦巻花柄説は写真を載せた方が「初めて見る。」とおっしゃってるように、いつでも見られるものではないようですし。




シクラメンのいちばんの特徴といったら、やはり 花が下を向いて咲いているのに、花弁が反り返っていて、あたかも上を向いて咲いているように見えることではないでしょうか?




花が下を向いて咲いているのは、雨で花粉を濡らさないためだと言われてます。
シクラメンの原産地は、地中海沿岸で、シクラメンの花が咲く冬は雨が多いのです。




でも、それならば、花弁はなぜ反転して上を向いているのでしょう。





素直に下を向いていたほうが、傘の役目をするのに?!
これでは 雨がたまってますます下を向いてしまうではありませんか




それにしても…
このシクラメンの最大の特徴である不思議な花の咲き方が 名前に関与していないのは不思議な気がします。

あるいは…
ひょっとすると、下を向いて咲き、花弁が反転して上を向く様を「輪」と捉え、サイクラメンと呼んだのかもしれませんよ、って… どこにも書いてありませんが (^_-)-☆




対して、和名の「カガリビバナ(かがり火花)」という名前は素晴らしいと思います。
「カガリビバナ」は シクラメンの最大の特徴、下向きに花が咲いているのだけど、花弁が反転して、上向きに燃え上がっているように見える様を的確に表しています。
「カガリビバナ」の名付け親はやはり牧野富太郎氏でした (^^♪

「カガリビバナという和名は、この花を見たある日本の貴婦人(九条武子だといわれている)が、「これはかがり火の様な花ですね」と言ったのを聞いた植物学者・牧野富太郎が名付けた。」(wiki 「シクラメン」)





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