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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

エキナセア - ハリネズミの正体

2024-07-14 15:00:00 | みんなの花図鑑

エキナセアはキク科キク亜科の花です。キク亜科というグループの頭花は 周囲の花弁状の舌状花と中心の盛り上がったシベ相当部分を担当する筒状花の両方で構成されています。(筒状花ばかりで出来ているグループがアザミ亜科、舌状花ばかりで出来ているのがタンポポ亜科です)


(上の画像の筒状花部分だけをトリミング)

エキナセア(Echinacea)というのは属名ですが、これは「ハリネズミ」を意味するギリシャ語の εχινος (エキノース)から来ているのです。
この花の中央に盛り上がった筒状花部分を見れば、だれもがハリネズミを連想するだろうことは容易に想像できます !(^^)!



ところで・・・

このハリネズミの針のような部分は 筒状花の何なんでしょうか?
通常の筒状花はおしべ、めしべ、花冠、萼片があります。
でも、ハリネズミの針はこのどれでもないようです。
とすると、このサボテンみたいな部分は筒状花の何なんでしょうか?




中央に暗褐色の雄しべ筒の頭に黄色い花粉を盛り上げた筒状花があります。(雄性期の筒状花)


そしてこちらは雄しべ筒から出てきためしべが頭を2つに割りカールの内側に柱頭を展開しているところです。
大事なことは、筒状花の要素(花冠、雄しべ筒、めしべ)のどれとも ハリネズミの針のような器官は該当しないことです。針は筒状花とは別のところからそそり立っています。







同じような画像ばかり続きますが、こちらは 花粉を持ち上げている雄しべ筒のエリアにも 柱頭を展開した雌しべの一帯にも、いずれのエリアにもそれとは別にハリネズミの針がそそり立っています。





私たちはこれまでずっと、この花が「ハリネズミ」と呼ばれるのは 筒状花の剣山のような姿からだと思っていましたが、実は別の説があったのです。
それは「花の下にある(ほう:つぼみを包んでいた葉っぱ)の先端がとがっていて、それがたくさん付いた姿」からハリネズミのようだとした説があり、図鑑などではこちらの説の方が優勢だというのです。
にわかには信じがたいですが・・・
とすると、筒状花の針の部分は苞ではないから別の器官ということになります。




その後さらに検索を進めたところ、鱗片というタームで説明されていることが分かってきました。
以下、いくつかの記事の抜粋です:

「花の中心で咲いている極小の筒状花(とうじょうか)には、尖った鱗片があります。
この筒状花が密集してできた頭状花序は、硬くトゲトゲしていて針山のような印象を受けます。」(design earth「エキナセアの特徴」)

「筒状花は暗赤褐色で,鱗片は橙赤色.」(熊本大学薬学部 薬草園 植物データベース「ムラサキバレンギク」)

「属名の「エキナセア、またはエキナケア(Echinacea)」は、ギリシア語の『echinos「エキノース(ハリネズミ)」』に由来し、一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」


「学名のEchinaceaはechinos(ハリネズミ)より、花床に付いている鱗片が刺状であることから名づけられています。」(髙橋園芸株式会社「Vol.30 エキナケア」)

「花床には堅い橙赤色の鱗片が着き、この鱗片が筒状花より長く、先端が尖って刺状になるのも特徴です。」(エキナセア - 美瑛町(びえい)でバラづくり)

「属名は「ハリネズミ」の意で、花床にかたい刺状の鱗片があることに因む。」(gooブログ・peaの植物図鑑「岩手県立花きセンターのエキナセア/ムラサキバレンギク」)

「属名のエキナセアは ギリシア語の echinos(ハリネズミ)に由来、
 一つひとつの筒状花の先に、尖った鱗片が棘のようについている様子からといわれます。」(楽天ブログ「だい」のひとりごと「載せ遅れた花はエキナセア、モミジアオイ (10)」)








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