アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

アオツヅラフジ - 神のエビヅル

2020-07-25 10:28:23 | みんなの花図鑑
ブドウそっくりの果実、 てっきりブドウ科だと思ったら、ツヅラフジ科という科に属してました。


雌雄異株で、とても小さな花を付けます。 こちらは雄花。




青い果実のように見えるのは 雄花の蕾です。




雄しべは 6本あり、 内側を向いて 虫の体に花粉が付きやすくしているようです。




花弁と萼片も6枚あります。
花弁の先は2つに割れています。




おしべの付け根から蜜が出ているのでしょうか?




このアリは 雄しべに比べて 体が小さいようです。



ここから、雌花です。

アオツヅラフジの雌しべの特徴は 一つの雌花に6個の雌しべがあることです。(子房が6室あり、それぞれの部屋から 柱頭が伸びていると表現すべきなのかもしれませんが)。




この雌花は 柱頭が黒く変色しています。 よく見ると、子房がかなり膨らんでいます。




6つとも受粉に成功すれば、6つの果実が一つの花柄につくことになります。




一つの果柄に最大6個の果実が実ります。
最初にも言いましたが、青黒く実った果実は どうみても ブドウの小型版です。
牧野博士はアオツヅラフジはツツラフジ属のツツラフジの別名の一つで、昔間違って使ったのが定着してしまったので、この名前を使わずに「カミエビ」と称するのが正しいと主張していたそうです。
カミエビの「エビ」はブドウ科の「エビヅル」のことで、「エビ」はエビ色(赤紫色)、つまりブドウの実の色全般を指していたようです。
カミエビはブドウ科ブドウ属のエビヅルとは科も属も違うのですが、果実がよく似ていて神のような「薬効がある」ので「神のエビヅル」⇒「カミエビ」となったということです。



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