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アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ナツヅタ「ヴィーチー」‐ ブドウ科4

2020-07-21 18:21:33 | みんなの花図鑑
ツタ属2つ目は ナツヅタ です。

デンパークの地ビール館前の石垣には 3種類のツタがあります。ひとつは アイビーとかヘデラと呼ばれるウコギ科のツタです。ウコギ科のツタは 秋または冬に花を咲かせるので、その点でもブドウ科のツタとは区別できます。 ナツヅタは ブドウ科のツタで、これは 今花を咲かせます。 石垣で今花を咲かせているのは 直前に投稿した 「中国大葉ヅタ Parthenocissus laetevirens」 と この 「ナツヅタ 'ヴィーチー'
Parthenocissus tricuspidata 'Veitchii' (Boston Ivy)」です。




デンパークさんが去年の夏以降設置された2つの樹名板は
 Parthenocissus laetevirens
 Parthenocissus tricuspidata 'Veitchii'
となっているだけで、それぞれの樹名板が 絡み合っている3種類のツタのどれを指しているのか よく分かりません。(写真付きで表示してくださいることを切望します)

Parthenocissus laetevirens(中国大葉ヅタ)
のほうは、 葉がシワシワで(葉脈に沿って溝がある) 大きく、 花は 子房部分がピンク色で可愛いのが それです。





こちらの Parthenocissus tricuspidata 'Veitchii' のほうは、 一枚目の画像のような葉をしていて、中国大葉ヅタのようなしわは無く、葉は3裂しているのが特徴です。
花のほうは やはり5枚の舟型の花被片に 5個の雄しべをつけ、 玉ねぎのような雌しべです。




子房は 丸いだけのものと 何室か持っていそうな凸凹のある子房と2種類あるのが分かります。




時期が来ると、花被片は 褐色に変色します。




ツートンカラーの花被片。




時期が来ると、花被片とおしべは脱落し、子房だけが成長を続けます。




こんなに大きくなった子房もありました。



改訂版・中国大葉ヅタ - ブドウ科3

2020-07-21 15:40:54 | みんなの花図鑑
ブドウ科特集、3番目は ツタの仲間です。


場所は安城デンパーク。 石垣を何種類かのツタが 蔦(つた)っています。
その中で 一番目立つのが このシワシワの葉のツタです。




実は 昨年このツタに花が咲いているのに気が付いて、 デンパークさんに問い合わせたのですが、答えがもらえなかったので、 その時は
ネットの掲示板で教えてもらった名前「アメリカヅタ」で投稿してました。
そこにいつの間にか(去年の暮か、今年の春) 樹名板が設置されていました。
それによると
 Parthenocissus laetevirens
 パルテノキッスス・ラテビレンス
となっていました。
(実際は 樹名板は2つあり、どの樹名板がどのツタのことを指すのか 混乱し、 初回(7月10日) 間違ったツタの画像で 投稿していました。)




Parthenocissus (パルテノキッスス)というのは ツタ属のことです。
「パルテノキッスス・ラテビレンス」でググっても もちろん?何もヒットしません。
Parthenocissus laetevirens でググると、ようやく wikipediaやら 画像やらがヒットします。





英文記事を翻訳してみたりするうちに、 このツタは 葉を観賞するために 「テンモクヅタ」という名前で、よく盆栽に使われていることが分かってきました。




さらに検索を続けると、 植物のほうでは 同じものが 「中国大葉ヅタ」という名前が付いていることも分かりました。




花は ヤブガラシやノブドウと同じく、咲き始めは 花弁(花被片)と雄しべを付けています。
そして Parthenocissus laetevirens(中国大葉ヅタ)の 他にない花の特徴は
めしべ(子房)がピンク色をしている
ことです。




受粉すると、 雄しべと花弁(花被片)を落とします。
この画像は 去年の8月、同じ場所で撮ったものです。


ユーコミス - 美しい髪

2020-07-21 11:38:52 | みんなの花図鑑
ユーコミスという名前より パイナップルリリーのほうが分かりやすいかも?


ユーコミス(パイナップルリリー) にも 何種類かあるようです。 この ユーコミスは スマホの Google Lensアプリで画像検索したら
 Eucomis comosa 'Sparkling Burgundy' (Pineapple Lily)
と出てきました。 たぶんこれで正解と思います (^^)/
立ち上がっている茎が 直径2cmの、錆びた鉄パイプにそっくりなのです。 まっすぐな鉄パイプの中を貫いてパイナップルリリーが咲いているように見えました (^^ゞ




それで、例によって、 シベの観察です。
6枚の花被片の上に 基部が合着したおしべが黄色い花粉を付けています。 めしべは6つの部屋があるのでしょうか、 ガガイモの子房にちょっと似ています。




ところ変わって、ここからは 安城デンパークにあったユーコミス(パイナップルリリー)です。 花の感じが 前の 'Sparkling Burgundy' と全然違います。スマホの Google Lensアプリで撮ってきた写真を画像検索させたところ、こんどは
 Eucomis autumnalis
って出てきました。
属名の「Eucomis」はラテン語の「eukomes(美しい髪)」、種小名の「autumnalis」は「autumnale(秋咲きの)」に由来します。




面白いのは この Eucomis autumnalis のほうは 雌しべの柱頭が くねっと曲がっています。Eucomis autumnalis だと皆そうなるのか、範囲は分かりません。
デンパークのホームページの説明です:
キジカクシ科の球根植物、ユーコミスの花が始まりました。別名パイナップルリリーともよばれ、小さな花が無数に咲いた姿がパイナップルのようにも見えます。(特に花の上がり始めはパイナップルそのもの!)学名のユーコミス(Eucomis)は、ギリシャ語の「美しい髪の毛」に由来しています。春植え→夏開花の丈夫でオススメの球根植物です。




このEucomis autumnalis、 雌しべの柱頭が くねっているのも面白いが、 よく見ると花被片の先っぽにも何か白いものがついています。




もっと近づいてみましたが、 花被片の先端の白いもの、何だか分かりますか?
本文2枚目の 'Sparkling Burgundy' のほうも、 子の花被片の先の突起、はっきり写ってましたね!?




隣にあった ユーコミス の別の株です。 今度は 最初の Eucomis comosa 'Sparkling Burgundy' のように 柱頭はまっすぐ伸びています。 でも 今度は 子房に 部屋らしきものがありません。 らっきょうみたいな 子房です (^^♪