ファイトケミカルとは野菜や果物などの植物が持つ化学成分。ファイトケミカルの抗酸化力などが、生体調節機能に深く関わっているとしてクローズアップされている。食品機能性研究センターのセンター長、食品の抗酸化力に対する統一指標の確立を目指すAntioxidant Unit研究会の常務理事である津志田藤二郎氏の話は興味深い。
ファイトケミカルの“phyto”は植物、“chemical”は化学成分という意味。野菜や果物にはビタミンやミネラルといった栄養素、食物繊維が含まれるが、それ以外の、「非栄養素」も身体の健康維持・増進に役立つ作用を持つことがわかり、それらを含めて現在ではファイトケミカルと呼ぶようになってきた。
ポリフェノールやカロテノイドといった抗酸化物質、そして大根やわさびなどの辛み成分であるイソチオシアネートなどが注目されている。ファイトケミカルの機能として最も重要なものは抗酸化性で、生物は酸素中で生活しているので、鉄が錆びるのと同じで放っておけば酸化という過程を経て朽ち果てていく。それを還元する状態に持っていく、つまり酸化を防ぐ方向に持っていくことが、すなわち生命を維持するということ。私たちは様々な食品を食べて生命を維持していますが、それはすなわち還元状態を身体の中につくるということだとも言える。
がんや老人性認知障害、生活習慣病なども酸化を促進する“活性酸素”と何らかの因果関係があると言われている。活性酸素による遺伝子の傷害や、たんぱく質の酸化による機能喪失、あるいは脂質の酸化による過酸化物の生成など、酸化によって生命維持にそぐわない状態がもたらされている。
ポリフェノールは、お茶などに含まれるカテキンや、赤ワインやブルーベリーなどのアントシアニンなどが代表的。カロテノイドには、緑黄色野菜に多いβカロテンや、トマトなどに含まれるリコペンなどがある。カロテノイドは脂溶性の抗酸化物質で、水溶性の抗酸化物質であるポリフェノールと1セットになって身体の中で役割を果たしている、つまり脂溶性成分と水溶性成分の両方をバランスよく摂取することが不可欠だと考えられる。またβカロテンの介入試験では、単独の成分を高用量摂取しても発がん抑制に効果がなかった、あるいは逆に喫煙者の場合は肺がんリスクが高まったという報告がある。このようなことからも、単一成分だけを摂取するのではなく、普通の食事のように様々な成分を一緒に摂取することが重要なのではないかと思う。
イソチオシアネートは大根やわさびなどの辛み成分で、抗酸化性というよりも、肝臓や消化管での解毒酵素を活性化することが大きな特徴。つまり体内の様々な危険な物質を代謝して排泄する作用を持つ。
乳酸菌は腸管内の細胞に作用して免疫増強機能を発揮するが、ファイトケミカルは体内に吸収されてから働く。両者は別の機能として作用しているわけで、相乗効果はあり得ると思う。はっ酵乳とフルーツを組み合わせて食べるのは、非常にふさわしい食べ方だと思う。
ファイトケミカルを効率よく摂取する方法は?
ファイトケミカルは植物の細胞壁に囲まれているため、加熱して通出する必要がある。.
<ファイトケミカルスープに使う材料>一人分
●キャベツ 100g
●ニンジン 100g
●タマネギ 100g
●カボチャ. 100g
水 1リットル
<それぞれの栄養成分>
●キャベツ・・・グルコシノレート
●ニンジン・・・α-カロテン、β-カロテン
●タマネギ・・・イソアリイン、ケルセチン
●カボチャ・・・β-カロテン
.<作り方>
1.全ての野菜を食べやすい大きさに切り、鍋に入れる。
2.水を1リットル加え、強火で沸騰するまで煮込む。
3.沸騰したら弱火にし、ふたをしてコトコト20分煮込む。
(ファイトケミカルがスープに溶け出し、おいしく食べられるのが20分)
<代用品>
●キャベツ→白菜、ブロッコリー、小松菜
●ニンジン→セロリ
●タマネギ→長ネギ
●カボチャ→ズッキーニ.
鶏の手羽中とカブのごろごろスープ
<材料>(2人分)
鶏の手羽中 6本
カブ(葉付き) 大2個
水 3カップ
ファイトケミカルスープ(具材なし) 2カップ
粗挽き黒コショウ 適宜
パルメザンチーズ 適宜
.<作り方>
1.火をつける前に手羽中を皮目を下にして並べてフライパンに入れ香ばしく焼き、途中出てきた脂が気になったら拭きとる。(強火~脂が出てきたら中・弱火に)
2.水を加えて煮る。(沸騰するまで強火)
3.沸騰したらカブを入れる。 ※カブは四つ切り・葉は1cm角(温度が下がるので強火にする)
4.さらに沸騰したら火を弱める。(強火~中火)蓋はしない。
5.火が通るようにひっくり返しながら煮て、カブの色が透き通ってきたらファイトケミカルスープを入れ再び強火にし、ひと煮立ちしたらお好みで黒コショウとチーズをふり完成。
.
鮭のミルクスープ
<材料>(2人分)
ファイトケミカルスープ 2カップ(具材とスープをバランスよく)
サケ缶(180g) 1個
ジャガイモ 1個
牛乳 2カップ
パセリ 小1
塩 適宜
コショウ 適宜
.<作り方>
1.ファイトケミカルスープを鍋に入れ、ファイトケミカルスープの具材と同じくらいの大きさに切ったジャガイモとサケ缶(汁ごと)を加える。
2.強火でふたをし、沸騰するまで煮込む。
3.沸騰しジャガイモが煮えたら牛乳を加える。
4.火を強めスープが温まったら、お好みで塩、コショウを加える。
5.パセリを散らせ完成。
野菜と果物の7色のファイトケミカルと食品例がやさいでだんらんのHPに載っている。
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