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オータムリーフの部屋

残された人生で一番若い今日を生きる。

マリモの話

2017-09-01 | 社会
阿寒湖を訪れる観光客らに、アイヌ民族の伝説として紹介されてきた「恋マリモ伝説」が、大阪市の元出版社社長(故人)による創作だったことが、遺族が釧路市教委へ寄せた資料から明らかになった。作者はアイヌ民族に聞いた話から着想を得たとのメモを残していた。阿寒観光協会まちづくり推進機構は「出典を明らかにした上で、今後も語り継いでいければ」としている。
 恋マリモ伝説は、恋仲となったアイヌ民族の若い男女が身分違いから結ばれず阿寒湖に身を投げ、魂が姿を変えてマリモになった物語。昭和初期に阿寒湖観光の宣伝で使われ始め、今もイベントなどで取り上げられている。ただ、アイヌ民族や研究者の間では和人の創作との見方もあった。釧路市教委マリモ研究室の若菜勇室長は十数年前、22年に朝日新聞社から発行された公募小説集「山の伝説と情話」にも同じ物語が収められ、作者が「永田耕作」だと突き止めた。
 今年7月、永田さんの次男夏雄さん(88)=大津市在住=から市教委に、永田さんの創作を裏付ける資料の寄贈の申し出があった。永田さんの手書きのメモには、釧路に住んでいた時に親しくなったアイヌ民族から聞いた話を基に「所も、話の筋も変えて作文をした」と記されている。
 阿寒湖畔で民芸店を営む阿寒アイヌ工芸協同組合長の西田正男さん(71)は「内容が面白く、阿寒湖観光を盛り上げている。アイヌ民族の伝説ではないと明確にすれば、今後も紹介してもいいのでは」と話す。(北海道新聞)
 
そして、本当のアイヌ民族の伝説は?
まりもはアイヌの人たちにとって、忌み嫌うものであった。まりもを「トーラサンペ」(湖の妖怪)と呼んでいた。まりもが増えると魚が取れなくなるという理由から、嫌っていたのであった。
そして彼らが語り継いでいたまりも伝説は次のようなものであった。
 
昔の阿寒湖にはベカンベ(菱の実)がたくさん実っていた。ところが湖の神(トウコロカムイ)はこのベカンベが嫌いであった。湖が汚れるという理由からであった。そしてとうとうベカンベを阿寒湖から追い出してしまったのである。ベカンベは湖の神になんとか阿寒に住まわせてくれることを懇願したが許されなかった。彼らは泣く泣く塘路湖(標茶町)に移動したのである。阿寒湖を去る時、ベカンベたちは悔しさのあまり、水辺の草をむしって湖に投げつけた。この草がまりもとなった。アイヌの人たちの主食でもあったベカンベが、塘路湖にあって阿寒湖になかった理由をも解く伝説である。
 
ベカンベは、道東では塘路湖にしか植生していないが、日本全国では古くから知られている。万葉集にも登場し、柿本人麻呂が、
「君がため 浮沼の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも」
と詠んでいる。
塘路湖では毎年九月にベカンベ祭りが催されていた。アイヌの人の重要な祭りで、神にお祈りをした翌日からベカンベの採集が許されたという。観光行事としても知られていた。中止の原因はよく分からないが、アイヌの人たちもいろいろな事情があるようである。
塘路の駅のそばには、このベカンベを入れたイモ団子が販売されているという。現在、ベカンベは管理され、かってに採集することはできない。
 
観光に役立つ伝承としてはやはり、創作の悲恋物語の方がよい。ベカンベが怒り狂って投げ捨てた草がマリモになったなんて・・・・・。愉快な話である。それに、恋物語の原作者の息子さんが創作である証拠を提出したり、アイヌ民族の方が創作に対して寛容なコメントをしたり、近頃稀に見る楽しい話題である。
 
もう一つ、阿寒湖にまつわる中国人女性の失踪も謎である。
天才少女画家と騒がれながら、冬の阿寒湖で謎の死を遂げた札幌の女子高生・加清純子。純子については、当時の恋人だった作家・渡辺淳一の小説「阿寒に果つ」の中で語られている。
純子はどうして吹雪の中、阿寒湖を目指そうとしたのか?
昭和27年の北海道の新聞に阿寒湖近くの山林の雪の中で発見された時の様子が載っているらしい。美貌と画家の才能そして文才に恵まれた少女が師事する画家の先生、新聞記者、医師、思想家であるカメラマンそして小説家と関係を結び彼らの生活の中に入り込み翻弄していく。ここで出てくる小説家とは渡辺淳一のことである。
純子は阿寒に発つ前、渡辺淳一の家の前まで別れを告げに来たという。その時会うことは無かったのだが、一本のバラの花が部屋の窓の外の雪の中に置いてあったそうだ。彼は純子が来たと思ったらしい。その後阿寒で死体が発見される。雪の中で睡眠薬を多量に服用していた。扶桑社文庫の表紙には加清純子が書いた自画像が印刷されている。研ぎ澄まされたタッチで描かれたその絵からは感性豊かな少女の一面をうかがい知ることができる。
 生きていた時よりも美しく、華麗に死ぬ方法はただ一つ、あの死に方しかない。あの澄んで冷え冷えとした死。
 純子はそのことを知っていたのであろうか。あの若さで、果たして死ぬ時、そこまで計算していたであろうか。
 「阿寒に果つ」渡辺純一著 冒頭。
 
内面の苦悩を打ち明けて本当に心を開くよりも、誰にも縛られない自由な自分を演出し続けた純子。失踪の中国人女性は純子の中に自分を重ね合わせたのかもしれない。繊細で感受性豊かな少女は自分が図太く鈍感に変容していかなければ生きていけない人生を拒絶したのかもしれない。

日航機事故32年----いまだにくすぶる陰謀説

2017-09-01 | 社会
日航機が御巣鷹山に墜落してから32年、ネットでは諸説紛々、陰謀説まで流れている。森永卓郎氏が珍しくまじめに分析しているので、少し調べてみようと思う。
  
1985年8月12日18時12分に、大阪に向けて羽田空港を飛び立った日航123便は、同日18時56分に御巣鷹の尾根に墜落した。乗客乗員524人中、520人が死亡するという、一機では、世界最大の航空機事故となった。事故の原因は、その後の運輸省の調査で、機体後部の圧力隔壁が破損し、そのときの圧力で尾翼の一部が吹き飛んで、油圧装置も破壊され、そのことで機体のコントロールが不可能になったとされた。機体は、過去に伊丹空港で尻もち事故を起こしており、そのときに破損した圧力隔壁をボーイング社が修理した際、十分な強度を持たない方法で行ったため、それが破損につながったとされた。いまでも、この公式見解は一切変更されていない。
 しかし、この事故原因に関しては、当初から様々な疑念が呈されてきた。例えば、圧力隔壁が破損すれば、急減圧で機内に濃い霧が発生する。それは、過去の機体破損の事故で共通して起きている。しかし、123便では、薄い霧は発生しているものの、機内が見通せなくなるほどの霧は、発生していない。そしてこの事故で最大の疑問は、墜落現場の特定が大幅に遅れたことだ。墜落時間は、8月12日の18時56分だが、地元の消防団員が生存者の落合由美さんを発見したのは、翌日午前10時54分だった。自衛隊が現場を特定したのも、公式には翌朝になってからということになっている。すぐに救出に向かえば、多くの人命が救えたにもかかわらず、現場の特定が大幅に遅れたのだ。しかし、内陸部に墜落したのだから、機体は直前まで、確実にレーダーで捉えられていたはずだし、近隣住民も火の手が上がるのを目撃している。当時、地元の自治体からは県や国に通報もなされているのだが、なぜか墜落現場は、現場とは無関係の長野県とされるなど、翌朝まで報道が二転三転し、特定されなかった。もっと不思議なことは、米軍が墜落直後に横田基地から輸送機を現場に飛ばし、上空から山が炎上するのを確認し、自衛隊に通報するとともに、米軍輸送機の誘導で厚木基地を飛び立った米軍の救難ヘリが現場に到着している。だが、救援ヘリは、救助開始寸前に作戦中止を命じられ、何もせずに引き返している。つまり米軍は最初から墜落現場を完全に特定していたにもかかわらず、何故か日本政府には伝わっていないことになっているのだ。
 なぜこんな話を書いているのかというと、今年7月に青山透子氏が『日本航空123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』(河出書房新社)という本を出版したからだ。青山氏は当時日本航空で働いていた客室乗務員で、事故機には彼女が一緒に仕事をしていた同僚たちが乗り込んでいたこともあって、事故の真相を探ろうと、あらゆる文献を収集整理し、目撃者証言を集めて、いわば人生をかけた調査に取り組んできた。そして、書籍のなかで、重大な事実を指摘した。
 墜落直前の123便を2機の自衛隊のファントム機が追尾していたという複数の目撃証言だ。この証言のなかには、当時の小学生が事故の状況を綴った文集のなかでの証言も含まれている。
公式に機体を発見したとされる翌朝まで、自衛隊は一体何をしていたのだろうか。本書に掲載された証言によると、現場にはガソリンとタールをまぜたような強い異臭がしていたそうだ。また、現場の遺体は、通常の事故では、あり得ないほど完全に炭化していたという。自衛隊を含む軍隊が使う火炎発射機は、ガソリンとタールを混合したゲル状燃料を使用している。つまり、墜落から翌朝までの間に、何者が証拠隠滅のために強力な燃料で焼き尽くしたのではないかというのだ。青山氏の著書によると、123便から窓の外を撮った写真を解析すると、オレンジ色の物体が飛行機に向かって飛んできているという。それは地上からも目撃されている。青山氏は、次のような可能性を提示している。自衛隊の訓練用ミサイルなどの飛行体は、オレンジ色で塗られていた。何らかの理由で、その飛行体が123便の尾翼を破壊したため、123便は制御不能に陥ったと・・・。
 もしこの推測が正しいとすると、日本政府としては、とても受け入れられる事故原因ではなかっただろう。というのも、事故当時、私は経済企画庁総合計画局で働いていたのだが、国会では、防衛費がGNP比1%以内に収まるのかどうかが、連日、議論の的となっていた。当時は、野党が防衛費の膨張を強く非難し、国民の自衛隊に対する感情も、いまほど理解あるものではなかったのだ。そうした環境のなかで、自衛隊の不祥事は許されない状況だった。
 しかし事件から30年以上経過したのだから、政府は国民に真相を明かすべきだ。なぜなら、この事件のあと、日本は以前にもまして対米全面服従になったからだ。事故の翌月には、ニューヨークのプラザホテルで「プラザ合意」が結ばれ、協調介入によって極端な円高がもたらされ、日本は円高不況に突入した。日本の安定成長が失われた大きなきっかけとなったのだ。それだけではない。1993年には宮澤総理とクリントン大統領の間で年次改革要望書の枠組みが決められ、それ以降、日本の経済政策はすべてアメリカの思惑通りに行われるようになった。事故の原因を作ったとされるボーイング社は、もしこれが事件だとすると、罪をかぶった形になったのだが、その後、着々と日本でのシェアを高め、いまや中型機以上では、ほぼ独占状態といってもよい状況を作り上げている。
 123便の事故に関しては、これまで、何度も事故原因の再調査が政府に申し入れられたが、日本政府や日本航空はまったく動く気配がない。しかし、2年前、私の心に希望の光が差し込んできた。あるニュースが飛び込んできたからだ。そのときに保存していたニュースを再掲する。
 
123便の残骸か…相模湾海底で発見 日航機墜落30年
テレビ朝日系(ANN) 2015年8月12日(水)11時47分配信
 
 墜落した123便は羽田空港を離陸した後、相模湾の上空で圧力隔壁が壊れました。垂直尾翼など吹き飛んだ機体の多くは海に沈み、今も見つかっていません。ANNは情報公開請求で得た資料などから、残骸が沈んでいるとされる相模湾の海底を調査し、123便の部品の可能性がある物体を発見しました。先月29日、静岡県東伊豆町の沖合約2.5KM、123便の推定飛行ルートの真下にあたる水深160Mの海底で撮影された映像を見て、事故調査委員会のメンバーとして墜落の原因を調べた斉藤孝一さんは「この映像だけでは分からない」としたうえで、123便の残骸である可能性を指摘しました。
「仮に航空機の部品だとすると、『APU』のまわりに取り付いている『コントロールボックス』といわれてるようなもの」
 APUは機体後部にある補助エンジンで、客室に空気を送ったり電気を付けたりする役割があります。斉藤さんは圧力隔壁の破壊という事故原因は変わらないとしたうえで、残骸が見つかれば事故の状況がより詳細に分かる可能性があるとしています。123便を巡っては、相模湾上空でのトラブルの際に機体から落ちた垂直尾翼の大半やAPUを含む機体後部の部品が見つからないまま、事故から1年10カ月後に調査が終了しています。国の運輸安全委員会はこの映像を見たうえで、「当委員会としてのコメントは差し控えさせて頂きます」としています。
 
 相模湾の海深く沈んでいると言われてきた翼も、この近辺の浅い海に沈んでいる可能性が高い。尾翼が見つかれば、事故原因がはっきりする。もしも、訓練用のミサイルが尾翼を直撃したのであれば、尾翼の残骸にオレンジ色の塗料が付着していると考えられるからだ。ところが、日本政府や日本航空は残骸の引き上げに動こうとしない。それどころか、これだけ重大なニュースであるにもかかわらず、テレビ朝日も、その他のメディアも一切続報を出さない。(マガジン9 森永卓郎)
 
確かに、相当疑わしい個々の事実がある。様々なブログから、興味深いものを抜き出してみた。
 
日本の黒い霧より
事故現場を訪れた最初の民間人、M氏の証言
私の実家は、事故現場から見て西側、長野県の方にあります。当時は大学を卒業して社会人になったばかりで、事故当日はお盆ということもあり、たまたま実家に帰省していました。事故の速報を知ったのが、12日夕方の7時過ぎ頃だったと思います。その時は墜落現場は(長野県の)北相木村付近という報道でした。そこで、北相木村やもっと南に位置する川上村に住む知り合いに電話を掛けて様子を尋ねたところ、どちらも墜落は確認できてないとのことなので、残るは南相木村の山間部しかないと思い、そちらに向かいました。たまたま高校時代の友人2名と一緒だったので、事故現場に行ってみようということになりました。まだ、若かったですから、その時はただ、何としても現場に1番乗りしてやるぞ、インタビューされてテレビに映ってやるぞ、ぐらいの本当に軽い気持ちしかありませんでした。
 
オフロードバイクにまたがり、友人2人と共に南相木村に向けて出発し、おそらく21時頃までには南相木村からの林道に入っていたと思います。上空で戦闘機が、それもおそらく2機がぐるぐる旋回している音がしてましたから、墜落現場はその(旋回)音の中心付近だなとすぐに分かりました。そこで、バイクで可能な限り近くの林道を進んで、そこから先は徒歩で山に入ることにしました。
場所は警察も分かっていたはずです。ボクたちが南相木村へ向かってるその後ろから、警察の白バイもついてきましたから。でも、普通のバイクなので切返しの多い山道に難渋していて、オフロードに乗ったボクたちは簡単に振り切っちゃいましたけど(笑)。林道の終点から山に入ってからは、途中、山の頂きへ登る度に、ヘリの音がする方向を探して、墜落地点を確認しました。ヘリは同じところを一晩中飛んでいたので、墜落地点は当然分かっているものと思いました。
きつい傾斜や時にはオーバーハングを超えて、山道なんか関係なく、強引にいくつも尾根を跨いで行きました。ですから、直線距離でわずか7,8キロの行程なのに、山に入ってから現場に着くまで6~7時間くらいかかりました。着いたのは、午前4時前後だったはずです。既に自衛隊員が7~80人、いや100人位は来ていました。それを見て、自分たちは一番乗りできなかったと思いましたね。同時に、事故犠牲者の呻き声が谷にこだまし、響き渡っているのがはっきりと聴こえました。声の響き方からすると少なくても4~50人は居たと思います。実際に、苦しそうに声をあげている人を私も間近で何人か見ています。自衛隊の人たちがいる以上、自分たちができることは、負傷者のいる場所を教え、早く救助してもらうことだと思い、呻き声のするあたりを探しては、その場所を隊員さんに伝え、早い手当を頼んでいました。ただ、隊員さんの対応には不信感を覚えましたね。「へたに動かすと危険なので、後から来る部隊が手当することになっている」と言うだけで、何もしようとしない。手にした4~50cm 位の丸いバッグに、地面から拾った物を黙々と入れ続けている。
 
ちょっとひどいなと思ったのは、斜面を登り、尾根の反対側に出たら、向こうの谷ではヘリコプターがホバリングしているじゃないですか、ヘリが来ているならさっさと救助しろよと思いましたね。しかも、ヘリの下では、さっき隊員さんたちが何かを入れていたバックを10数個まとめ、ネットに入れて吊り上げていました。何度も吊り上げていたので、全部で70個くらいのバッグが回収されたと思います。
到着してから1時間後くらいに、自衛隊の次の部隊が続々と到着してきました。また、暗視スコープを装着していた最初の部隊も引き上げる体制に移っていたので、もうこれで大丈夫と思い、この時に下山を始めました。なお、次の部隊は、山で歩きにくいブーツ姿だったので、これでちゃんと歩けるのかな?と思いました。
 
ずっと不思議に思っていたのですが、下山を開始する朝の5時過ぎ頃には、谷の呻き声がピタリと止んでいました。
 
新ベンチャ-革命 日航123便御巣鷹山墜落事件とオスプレイをつなぐ糸:1985年、濡れ衣を着たボーイングへのご褒美はおいしいオスプレイ開発受注(2兆円)だった?
 
JALの元社員・佐宗邦皇氏によれば、本事件は、米軍機の核ミサイル被弾による撃墜事件とのこと。同氏はJALの経営企画部出身であり、本事件に深く係わってきた人物でしたが、JALを退社した後、米軍機による中性子爆弾ミサイル使用説を唱えている時期2009年8月9日、59歳にて急逝(不審死)されています。
 佐宗氏の中性子爆弾ミサイル撃墜説はさておいても、同氏は、本事件の動機が1985年9月のプラザ合意強要の対日威嚇であるとの説を採っています。
 本事件に米軍の関与があったのなら、相模湾上空にて123便の機長が聞いた最初の爆発音は、米軍もしくは自衛隊の軍事演習用の無人標的機(爆弾搭載せず)が尾翼に突き刺さった衝撃音という説の信ぴょう性が増大します。ところが、123便はこれでは墜落せず、米軍横田基地に不時着しようとしたが着陸直前に拒否されたのです、なぜか、それは、民間機が軍事演習の標的にされたと知った日本国民の反自衛隊化、反米軍化、そして、日米安保反対運動激化を恐れたと思われる親米・中曽根首相が、自分の地元である群馬県山間部上空での123便撃墜を米軍に依頼したというのが、故・佐宗氏の証言です。
 本ブログでは、123便墜落事故後のボーイング社(123便ジャンボ機のメーカー)の対応に着目してきました。筆者は過去、100回近く日米間を往復した経験から、サマーバケーション中、ボーイングの専門分野の異なる技術者が10人もそろって、事故2日後の8月14日に早くも日本に到着した事実に非常に強い疑惑を抱いています、なぜなら、あまりに手回しが良過ぎるからです、そして、翌15日に現場に入り、16日に、記者会見して、事故原因は123便が以前にしりもち事故を起こして破損した後部圧力隔壁の修理不良と断定したのです、おのれのミスをこんなにも簡単に認めるとは・・・。これは事前にシナリオができていたとしか考えられません、すなわち、彼らは事故前からスタンバイしていたのではないかという強い疑惑が生じます。上記、佐宗氏の推論が当たっていれば、123便のしりもち事故を修理したボーイング社にまったく非はないわけです。ところが、事故現場調査の翌日に早くも、事故原因をボーイング社の修理ミスとボーイング社自身が断定したのです。しかしこれはいかにも不自然です。なぜなら、521人も死んだ巨大事故の原因が、自社の修理ミスであることを素直に認めれば、ボーイング社にとって巨額賠償金を払わされるわけですから、簡単に、ボーイングのミスを認めるのは自殺行為となります。ボーイング社があっさり修理ミスを認めたのは、事前に、当事者と何らかのウラ取引きができていたからとみなすのが自然です。そういえば、その後、JALがボーイング社を相手取って、損害賠償訴訟を起こしたという話はあまり聞いていません、実に不思議です。一方、JALはこの事件が発端で、その後、経営がおかしくなり、2010年、遂に会社更生法の適用を申請して倒産してしまいました。しかしながら、その後、ボーイング社は自社の修理ミスを認めても、日本側から何ら目立った訴訟も起こされず、今日に至っています、おそらく、ボーイング社はみずから濡れ衣を着ても余りある“おいしい見返り”を受け取ったのではないでしょうか。そこでネットを調べてみますと、ボーイング社がベルと組んで、オスプレイ開発提案を競争入札で落札したのが、123便墜落の1985年です。これは偶然でしょうか。なお、オスプレイ開発費は2兆円だそうです。
 
 
 
 
JAL123便墜落事故の真実を「墓場まで持っていく」(中曽根康弘首相)
核兵器を隠蔽するため、「JAL123便」が撃ち落とされた・・・・納得のいく説明はされず、色々な憶測がネットにあふれる。墜落現場に散乱する不自然なオレンジ色の金属片!123便の機体に使用されている塗料にオレンジ色はない。現場にいち早く自衛隊が乗り込み、息のある乗客を横目に回収しなければならない物とは?
自衛隊の演習用装備などは、オレンジカラー塗装に統一されている・・・・・・・。

地球環境は4年間、耐えきれるか

2017-02-11 | 社会
アメリカ・ワシントンを訪れている安倍首相は、トランプ大統領と大統領就任後、初めて会談した。今回の首脳会談をアメリカメディアも速報で伝えている。
NBCテレビは「トランプ大統領は日米同盟を称賛した」と報じる一方、「北朝鮮の核の脅威に対し日本とともに防衛する」との発言について、かつて示していた日本の核兵器保有を容認する姿勢を変えたと伝えた。また、アメリカの有力紙・ワシントンポストは、トランプ大統領との個人的な結びつきを強めようとする安倍首相の強い決意は他の国の首脳とは対照的だと報じている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、会談前に掲載された記事で「予想できない米新大統領とどう向き合うか、世界の指導者が苦悩する中、日本の首相はまず個人的関係を構築する戦略を進める」と報道。「安保で米国が頼りの日本は、それが誰であれ米大統領と協力する道を見つける以外、選択肢はほとんどない」と解説した。同紙は社説でも取り上げ、日本国内では、トランプ政権の発足により日米同盟への懸念が広がっているが、「安倍氏は例外」で、「トランプ氏との関係について楽観している」と指摘。また、「ここ最近では最も戦略的に大きな野心を抱いた日本のリーダー」と安倍首相を紹介し、「地域の安全保障の最重要事項についてはトランプ氏と見解が一致するのではないか」と締めくくった。
一方でCNNは、メラニア大統領夫人がニューヨーク在住で、首脳会談前の日程に参加できなかったことを紹介。通常は大統領夫人が同行する行事に一人で参加する安倍首相の昭恵夫人の様子を伝えた。
 
ニューヨーク・タイムズは、日本にとって最大の懸念は、トランプ氏が米国の製造業復活のため導入を掲げる「国境税」や、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの離脱方針だと言及。「安倍氏は貿易や経済問題についてトランプ氏と協議したい」と日本側の狙いを説明し、「個人的に親密な関係を築くことも熱望している」と指摘した。
 
 
 
会談後の共同記者会見要旨
 
トランプ大統領
私たちは日本の安全保障にコミットしています。そして、その行政管理下で、私たちは非常に重要な同盟関係があります。また、日本にとっても、米国にとっても安定と平和の基盤が太平洋地域では重要だと確認しました。私たちは今後この同盟関係にさらに重点的に投資し、お互いのリーダーシップの下、両国の防衛能力をさらに構築し、もっともっと強くしていきます。そして、時が経つにつれ、他を寄せ付けないほど強固なものとなっていきます。この地域では海洋航行の自由も重視されます。そして、北朝鮮のミサイルと核の脅威を防ぐこと。この両方が両国にとって非常に重要な最優先事項だと考えています。
経済面では、貿易関係を自由で公平なものに、そして両国が恩恵を受けられるようにしていきます。米軍を受け入れてもらっていることにも感謝します。両国が協力していくことで、よりすばらしい調和と安定、そして繁栄が太平洋地域にもたらされるでしょう。太平洋地域を越え、さらに多くの人々の命を守っていくことができるでしょう。私たちはその目標にコミットしてきます。
 
安倍晋三首相
私の名前は「アベ」でありますが、時折、アメリカでは「エーブ」と発音されます。しかし、私はあまり悪い気はしないわけでありまして。あの偉大な大統領の名を、わが国においても知らない人はいないからであります。
農民大工の息子が大統領になる。その事実は150年前、将軍の統治の下にあった日本人を驚かせ、民主主義へと開眼させました。米国こそ民主主義のチャンピオンであります。大統領は素晴らしいビジネスマンではありますが、議員や知事など公職の経験はありませんでした。それでも1年以上にわたる厳しい選挙戦を勝ち抜き、新しい大統領に選出された。これこそまさに民主主義のダイナミズムであります。大統領就任を心から祝福したいと思います。
自動車産業をはじめ、多くの日本企業が全米各地に工場をつくり、現地生産をしてきました。昨年も日本から米国へ新たに1500億ドルをこえる投資が行われました。これらはアメリカ国内に大きな雇用を生み出しています。まさに互いに利益をもたらす経済関係を日米は構築してきました。トランプ大統領のリーダーシップによって、今後高速鉄道など大規模なインフラ投資が進められるでしょう。日本の新幹線を一度でも体験した方がいれば、そのスピード、快適性、安全性はご理解いただけると思います。最新のリニア技術なら、ここD.C.からトランプタワーのあるニューヨークにたった1時間で結ばれます。日本はこうした高い技術力で、大統領の成長戦略に貢献できる。そして米国に新しい雇用を生み出すことができます。こうした日米の経済関係を一層深化させる方策について、今後、麻生副総理とペンス副大統領との間で、その下で分野横断的な対話を行うことで合意致しました。さらに急速に成長を遂げるアジア太平洋地域において自由な貿易や投資を拡大する、これは日米双方にとって大きなチャンスです。しかし、もちろんそれはフェアな形で行われなければなりません。国有企業による国家資本を背景とした経済介入はあってはならない。知的財産へのフリーライドは許されてはなりません。アジア太平洋地域に自由かつルールに基づいた公正なマーケットを、日米両国のリーダーシップのもとで作り上げていく、その強い意志を今回私と大統領は確認しました。
アジア太平洋地域の平和と繁栄の礎、それは強固な日米同盟であります。その絆は揺るぎないものであり、私とトランプ大統領の手でさらなる強化を進めていく、その強い決意を私たちは共有しました。
安全保障環境が厳しさを増す中にあって、尖閣諸島が安保条約第5条の対象であることを確認しました。米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本も積極的平和主義の旗の下、より大きな役割を果たしていく考えであります。同時に抑止力を維持し、負担軽減を進めるため、在日米軍の再編をこれまで通り進めてまいります。普天間飛行場の全面返還を実現すべく、唯一の解決策である辺野古移設に向け、引き続き日米で協力して取り組んでいきます。
北朝鮮に対しては、核および弾道ミサイル計画を放棄し、さらなる挑発を行わないよう強く求めます。拉致問題の解決の重要性についても大統領と完全に一致致しました。
そして、東シナ海、南シナ海、インド洋、いずれの場所であろうとも、航行の自由をはじめ、法の支配に基づく国際秩序が貫徹されなければならない。日本と米国は力の行使や威嚇によるいかなる現状変更の試みにも反対するとの強い意思を改めて確認しました。私と大統領は2国間や地域の課題だけではなくて、世界の平和と繁栄のための貢献についても率直な意見交換を行いました。あらゆる形態のテロリズムを強く非難し、テロとの戦いにおいて、引き続き協力を強化していくことで合意しました。日本は日本の役割をしっかりと果たしていきます。
 
【質疑応答】
――NHKの原と申します。安倍総理大臣にうかがいます。日本の自動車市場とか、金融為替政策をめぐって事前の大統領と安倍総理の発言の間には開きがありましたが、この点について首脳会談ではどのようなやりとりが行われたのでしょうか。また、意見の隔たりは埋まったのでしょうか。
また、トランプ大統領は「アメリカを偉大な国にする」とおっしゃっていますけれども、トランプ大統領のおっしゃる「偉大な国」とはどういう国なのでしょうか。また、安倍総理大臣に伺いますが、総理大臣にとって偉大な同盟国アメリカというのはどういう国なのでしょうか。
 
安倍首相 トランプ政権の登場によりですね、日米の経済関係に新たな創造が始まる。そのような強力なメッセージを打ち出すべく、私から新たな経済対話の枠組みを立ち上げることを提案し、今般、先ほど合意をしました。そして、個別の経済分野での協力については、この後の昼食会で話すことになると、このように思いますが。
いずれにせよ大統領と私との間では、日米間の経済関係について、麻生副総理とペンス副大統領のもとで対話を進めていくことで一致をしたところであります。まさにこの2人の責任者のもとで、しっかりとした成果が出てくることを期待をしています。また、為替については、専門家たる日米の財務大臣間で緊密な議論を継続させていくことになりました。
そして、米国が偉大な国になるということはですね、まさに米国が担ってきたさまざまな役割もあり、また、責任もあるわけであります。今、世界は不確実性が増してきている中において、米国が偉大な国となり、強い米国となることは日本にとっても大きな利益であり、そして日米同盟が強化されることは、日米両国だけではなくて、地域、アジア太平洋地域、あるいは世界の平和と繁栄にも大きな貢献をしていく。そのためにも米国が偉大な国になっていく、われわれはそのことを歓迎したいと思います。
トランプ氏 私が言いたいのは、もう見ていると思いますが、選挙で勝利して以来、そして次期大統領と呼ばれて以来、私は自動車会社やその他多くの会社にずっと言ってきました。『アメリカに戻ってこい』と。そして、みんな戻ってきています。今後短い間に、さまざまな大きな発表があるでしょう。みなさん、どういう発表か知っているでしょう。これまでたくさんの工場、たくさんのプラントが失われました。そうした工場やプラントが戻ってきます。そして雇用がミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ノースカロライナ、そして他の多くの場所に戻ってきます。今までたくさんの雇用が失われた場所に戻ってくるのです。彼らは私にいろいろ良くしてくれたので、私も彼らに良くしていきます。多く発表がされています。フォード、ゼネラル・モーターズ、そしてその他の企業も発表しています。インテルも昨日大きな発表をしましたね。なんでそうしたことが起きたのか。それは税制などが背景にあります。これからもしばらく大きなニュースが続くでしょう。私たちは大きな可能性がある国です。『アメリカを再び偉大な国にする』という表現、より偉大に、より確実に、過去にないほど偉大になるとはっきり言っておきます。
安倍首相の友情に感謝します。私たちがニューヨークのトランプタワーで会った時、大変素晴らしい友情を作り上げることができました。長い長い時間、話をしました。そして今日、挨拶した時握手し、ハグしました。そういう気持ちになったんです。とても良い絆です。とても相性がいいんです。もし変わったら言いますが、そうならないでしょうね。
 
――産経新聞の記者で田北と言います。トランプ大統領にうかがいます。オバマ政権はリバランス政策のもとアジア重視の姿勢を見せましたが、中国は東シナ海、南シナ海で強硬姿勢を一層強め、北朝鮮は核ミサイル開発に拍車をかけました。このため日本をはじめとするアジアの国の中からは、アメリカのアジア太平洋地域に対するコミットメントを懸念する声が相次ぎました。こうした事態をふまえ、先ほど大統領も少しお話されましたが、トランプ政権は今後、この地域が直面する状況にどのように対応するお考えでしょうか。また、政権として、大統領は中国の為替政策を問題視する発言をされていますが、仮に中国が大統領の望むような方針に転換した場合、アメリカのアジア太平洋地域への対応に変化はありうるのでしょうか。
 
トランプ大統領 ご存じのように、昨日、中国の国家主席と電話会談をしました。非常に熱のこもった会談となりました。私たちは今後、とてもうまくやっていけると思います。そして、これは日本にとっても大きな恩恵になると思います。全ての人にとって良い結果となるでしょう。中国、日本、アメリカ、そして全ての国々にとって良い結果となるでしょう。また、為替の切り下げについて言えば、私は長い間批判してきました。そして多くの人々が思っているよりも早く公平な舞台ができると考えています。それが唯一の公平な方法です。貿易やそれ以外のことで競争できます。私たちはその分野にも取り組みます。一生懸命取り組み、この国のために良い結果をもたらします。公平でなければなりません。私たちは公平にします。近い将来、税制改革をします。しかし今は、景気刺激策を基にした政策を進めたいと思っています。議会やポール・ライアン下院議長、ミッチ・マコーネル上院院内総務と協力して進めています。また、ビジネスと関わりが深い医療の問題にも取り組みます。私たちはこの国のためにすばらしい医療制度を取り入れます。医療費をぐっと下げます。この国では多額の医療費が払われているのです。ご存じのように、オバマケアは完全に破綻しています。ですから、私たちはもっと価格を下げて素晴らしい医療制度を導入します。国民はとても幸せになるでしょう。道のりは険しいですが、いったん進めれば、トム・プライス厚生長官が先ほど承認されましたので、厚生長官もまじえ、最終案の調整をします。
改めて、みなさんお越しいただきありがとうございました。安倍首相にも感謝申し上げます。お迎えすることができて本当に光栄です。さあ、フロリダに行こう。
 
 
 
トランプの駆け引きは不動産屋で磨いてきたせいか、神ってる。日本を批判する様子を見せて脅し、実際に会うと、ハグ攻め握手攻めで大歓迎!!!喜んでいるうちにトランプの術策にはまるというもの。
彼の4年間で地球は持ちこたえられるか?心配になってきた。大統領が差し止めていた政策が堰を切ったように実施され、地球環境は悪化する。
石油パイプライン「ダコタ・アクセス」の建設を推進する大統領令に署名した。輸送能力が日量80万バレルを超えるキーストーンXLは、カナダから米メキシコ湾岸までを結ぶパイプライン。約10年前に計画されたが、シェールオイルの生産拡大に伴って国内での供給が増え、輸入の必要性が低下していた。カナダのカー天然資源相は、同パイプラインはカナダですでに必要な承認を受けていると述べ、この事業は「カナダにとって非常に好ましい」とコメントした。トランプ大統領は、米国内で建設されるパイプライン建設に米国製の鉄鋼製品を利用する必要があるとする大統領令にも署名。 建設部門で2万8000人の雇用が創出される可能性があるとした。ただ、国務省が2014年の報告で示した建設関連3900人、常勤職35人という雇用創出効果とはかけ離れている。日本のメガバンクも関わるプロジェクトで今回の安倍首相の手土産にもリストアップされているだろう。先住民の反対を無視、弱い立場の先住民の声は無視される。沖縄の人たちを土人と言って切り捨てる発想と同じだ。
国連の費用負担にも難色を示し、温暖化対策もとん挫する。石炭産業の復活を公約したのだ。米国は国内で化石燃料を大増産し、中東などへの依存を断ち切る。石炭は安価になり、必ずカムバックすると述べた。キーストンXL原油パイプライン建設を支持し、洋上や北極海域、国内の公有地での石油等の掘削を推進する。オバマ政権の中心的エネルギー転換政策であるクリーン・パワー計画は廃止する。国際的に最も深刻な点は、パリ協定を就任100日以内に「キャンセルする」としている点だ。同氏は従来、温暖化は「人をだますための作り話」(hoax)だと言ってきた。気候変動問題は国際官僚に支配されているので、アメリカのエネルギー政策を彼らに支配されることには絶対に反対すると述べた。また、パリ協定に基づく気候変動基金への拠出はしないとも述べた。世界の原油価格は、低下している。こんな時に増産すれば、原油価格はさらに低下し、エネルギー産業の雇用はさらに減ると思うのが、常識的判断なのだが、トランプに常識は通用しない。
 
もっと怖いのは、アメリカ大使館のエルサレムへの移転だ。
トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問は、実はユダヤ教正統派の信者であり、夫人のイバンカ・トランプさんもユダヤ教に改宗している。
トランプ大統領は、大統領就任前からイスラエル(領内)にあるアメリカ大使館をテルアビブから、聖地ベイトルモガッダス・エルサレムに移転すると発言していた。
中東危機が勃発し、石油が高騰する可能性がある。石油の高騰はトランプ政権にとって大歓迎で、エネルギ-産業の雇用が復活するともくろんでいるのかもしれない。
 
米国の覇権が危機に瀕している状態を見て、中国が世界の覇権国家として台頭してくるかもしれない。習近平国家主席は当分の間、様子見を決め込んでいる。トランプ氏より、政治家としてプロなのは当然だ。どちらが出し抜かれるか分かったものではない。
 
安倍・トランプ会談でトランプ大統領は、日本の「円安誘導政策」については言及するのか?アベノミクスの根幹にかかわる問題なので、今回の日米首脳会談の成否は、その一点に尽きる。安倍・トランプ会談後、トランプ大統領がツイッターによる「指先介入」で為替は円安に振れ、株式は株高となるのか。円安になり、株高となって得をするのは誰か?決して平均的な日本国民ではないだろう。

ワンオペ育児とブラック夫

2017-02-05 | 社会

「ワンオペ育児」なる言葉が話題だ。母親が育児や家事を1人で担っている状態を言い表すとされ、牛丼店で1人の従業員が全業務をこなすことが問題となった「ワンオペレーション」が語源。これを妻に強いる存在として「ブラック夫」という言葉まで登場した。

この言葉には主に2種類の使われ方がある、と指摘するのは、病児保育などに取り組む認定NPO法人「フローレンス」の代表理事、駒崎弘樹さん。1人で育児する人が「今日もワンオペ……」とつらさを訴える場合と、普段は夫婦で分担する人が「今日だけはワンオペ」と明るく使う場合だ。『ワンオペ』という悲壮感の漂う言葉が、今なお孤独な育児に悩む母親たちの共感を呼んだと同時に、『子育ては本来1人でやるものではない』という新しい価値観が浸透してきたという、両面があるという。

男性が育児にいそしむ「イクメン」が流行語になり、世の中は変わったと思っていたのだが、イクメンを取り巻く環境は厳しいようだ。
休日はともかく、平日に育児や家事を分担する父親は実はほとんど増えていない、というのが、実情らしい。総務省の「社会生活基本調査」(11年)によると、6歳未満の子どもを持つ親が家事・育児に費やす時間は、共働きの場合、母親が1日約6時間、父親はわずか1時間程度。共働き世帯でも約8割がまったく家事をせず、約7割がまったく育児をしていないと言う。早稲田大の黒田祥子教授(労働経済学)の研究でも、平日に10時間以上働くフルタイムの男性の割合は、1981年に20%だったのが11年には44%に増えている。数字を見ると、イクメンになるのは不可能だ。長時間労働を社員に強いる企業は社員だけでなく社員の家族の幸せまで奪い取る。

「イクメン」は、博報堂のアートディレクター・丸田昌哉さんが考案し、2010年に当時の長妻昭厚生労働相が「イクメンという言葉をはやらせたい」と国会で発言して、全国に広がった。
しかし、「イクメン」という言葉の広がりに比べて、子育て世代の男性の家事育児時間は殆ど増えていない。「イクメン」の真価は、長時間労働が改善され、父親たちが当たり前に育児をするようになるかどうかにかかっている。男が出世競争も家事も育児も…男にとっても生きづらい世の中だ。

男の生きづらさは、それは自殺者の数に現れているという。警察庁によると、2015年に自殺した2万4025人のうち男性は1万6681人、女性7344人。自殺者が初めて3万人を超えた1998年にさかのぼっても男性の自殺者が多い傾向は変わらない。経済の成長期はサラリーマンならば年功序列で昇進できた。しかし、バブル経済とその崩壊で、過労死やリストラが社会問題化し、リーマン・ショックを経て派遣社員の割合が増加した。厚生労働省の統計によると、男性21%・女性57%は非正規…正社員として就職し、家庭を築くといった人生が難しくなった。

そして女性の社会進出に伴い、男性は新たな変革を求められた。内閣府が毎年発行する「男女共同参画白書」で、初めて男性をテーマにした特集が組まれた。テーマは「変わりゆく男性の仕事と暮らし」。白書の表紙には、スーツを脱ぎ、フライパンを持ってスーパーマンのように飛ぶ男性の「家事場のパパヂカラ」に、妻子が拍手を送るイラストが描かれている。

男性のための電話相談「『男』悩みのホットライン」がある。代表を務める浜田智崇・京都橘大助教(臨床心理学)によると、近年は「妻に『収入が低い』となじられる」「長時間労働で苦しいのに、妻に家事と育児もやってほしいと言われる」といった相談が増えているという。男性が仕事、女性は家庭という性別役割が一般的になったのは高度成長期の60年代のこと。それまで日本人の多くは農業などの第1次産業に従事し、夫婦で田畑に出るのが当たり前だった。家族を養わなければいけないというのは高度成長時代が残した強迫観念なのだが、男性も女性もこの理不尽な思い込みに今なおとらわれている。
競争をやめ、家族を支配しようとすることをやめ、小さな幸せを追求できるようになれば、男も女も生きづらさが軽減するはずなのだが、政府が「1億総活躍社会」を掲げたことで、女性も男性同様、長時間労働をすることになり、地域社会も家庭も崩壊、殺伐とした未来社会が待ち受けている。


安保理決議、南ス-ダン武器禁輸に日本は反対か?

2016-12-22 | 社会
国連安全保障理事会で議論されている南スーダンへの武器禁輸を含む制裁決議案に対し、日本政府が慎重な姿勢を示している。国連平和維持活動(PKO)に自衛隊を派遣するなか、政府と反政府軍の武器のバランスが崩れ、治安の悪化を招きかねないと考えるからだ。米国のパワー国連大使は「非常に疑わしい」考え方として、日本を批判した。
 
 制裁決議案について、稲田朋美防衛相は20日の記者会見で、「南スーダンの平和と安定にとって何が適当か。すなわち自衛隊が安全を確保して有意義な活動ができるにはどうすれば一番適当かという観点から検討すべきだ」と話した。南スーダン政府に対する期待?「南スーダン政府の和平への努力は評価されるべきで、このタイミングでの制裁は態度を硬化させてしまう」と南ス-ダン政府の顔色をうかがう。
 
 パワー氏は現地時間19日、ニューヨークの国連本部で記者団に、「武器禁輸は南スーダンの人々だけではなく、PKOの隊員を守る手段でもある。隊員の安全を守る方法が、武器禁輸を支持しないことというロジック(理屈)は非常に疑わしい」と述べた。
 
 米国は南スーダンの混乱がジェノサイド(集団殺害)などに発展することを懸念。武器禁輸に加え、和平合意の履行を妨げる指導者らへの資産凍結などの制裁強化を安保理で求めているが、ロシアやエジプトから反対が出ているほか、日本やマレーシアが賛成しない懸念がある。
 
このニュ-スを聞いた時、アメリカに言いなりにまた武器輸出で儲ける気か、ととっさに考えた。あれっ、アメリカは禁輸に賛成している・・・
理由がふるっている。南ス-ダン政府が反発して治安が悪化し、現地で国連平和維持活動(PKO)に従事している自衛隊の危険が高まることを懸念しているという。ははは、自衛隊の命優先で現地住民は無視、何度も繰り返されているジェノサイドなど、まるで頭にないようだ。こんな考えなら、初めから自衛隊派遣など止めた方がいいだろう。
 
 武器禁輸は南スーダンの人々とPKO隊員を守る措置であるはずなのだが、日本政府は「南ス-ダン政府の取り組みを後押しすることが重要だ。」と述べ、南ス-ダン政府に肩入れしたいようだ。政府軍から反政府軍に武器が流れることは当たり前、住民への略奪や大量殺戮が頻発するアフリカに武器を輸出する???南ス-ダンを内戦状態にして自衛隊を撤退させる口実にしたいのかな?と勘繰ってしまう。
米国や先進国、NGO組織の反対にあって、土壇場であっさり、禁輸賛成に回ると思うが、論理的破綻の政策が当たり前の日本政府でも、これは相当ひどい。
 
23日、国連安全保障理事会の南スーダンに対する武器の輸出などを禁ずる制裁決議案の採決を日本政府は棄権した。その結果、採択に必要な理事国15カ国中9カ国の賛成を得られず、決議案が否決された。「国や国に準ずる組織」に対して武器を使用すれば憲法が禁じる「武力行使」にあたる。国会でも政府軍と戦闘状態になることはありえない、と言っている手前、政府軍を刺激せず、見て見ぬ振りをする、という姿勢を貫きたいらしい。
 PKOなど眼中になく、自衛隊派遣が目的で「駆けつけ警護」の実績を作りたいのだろう。しかし、日本政府の自衛隊を守りたいという動機?は、自衛隊をより危険にさらすことにもなりかねない。国際的批判にもかかわらず、制裁決議案を否決に導いた責任は大きく、日本国民として恥ずかしい限りだ。
 

ソロ充

2016-12-18 | 社会
インターネット上のスラングの一つで、1人でも生活を楽しめる人を指す。他人を気にせず趣味や仕事、食事などに打ち込むことができる人のことで、同じような意味の言葉に「おひとりさま」などがある。
現実の生活(=リアル)が充実している人を指す「リア充」という言葉がまず誕生し、そこから、1人でものごとを楽しむ人を指す「ソロ充」や、他人の目を気にしつつも、自分の学生生活がリア充であることや、行動を共にするグループの一員であることを確認せずにはいられない人を指す「キョロ充」などに派生していったとされる。
 
「ソロ充」には、いくつかのパターンがある。まずは、本来なら複数ですることが多い行動を、あえて1人で楽しむケース。カラオケ、焼肉、飲みに行く、旅に出る、カフェでお茶を飲む、などである。
次に、他の人が興味を示さないため、1人でやらざるを得ないケース。例えば寺院巡り、マニアックな映画・作品展などを見に行くなどが挙げられる。
若者には、トイレや食堂での食事、授業、昼休みなどをどう過ごすか、他者からの評価を気にする傾向がある。
ソロ充は、友人を誘うのが面倒、人といると気を使う、相手のペースに合わせるのがつらい、などというタイプの人が、自由気ままに1人で過ごすことを指す言葉であり、「ぼっち」との違いは、本人が「充実」しているかどうかであるとされる。
 
ふ~ん、ソロ充などと言う言葉がまことしやかに市民権を得てしまうのが驚きである。そんなん、当り前じゃないの。みんなと一緒じゃ、したいこと我慢しなくちゃいけないじゃない。昔から、学校のトイレは一人で行くし、本当にしたいことは一人でするのが一番いいと思っている。
まあ、この言葉が拡がって、一人で行動することが当たり前になることはとても良いことだと思う。周りの目を気にするキョロ充なんて最悪の境遇だものね。
 
 
しかし、そもそもこれらの言葉はリア充から派生したという。このリア充が若者の理想の姿らしい。恋人や友人付き合いに恵まれ、サークル活動や飲み会へ参加し、オタク以外の趣味を楽しむということらしい。しかし、リア充は幅広く、本人が充実していると感じたら、リア充であるらしい。
 
経営コンサルタントの横山信弘氏が、Yahoo!ニュースに「なぜ残業は楽しいのか?モーレツ社員の『リア充』を考える」という一文を寄稿している(2016年11月23日)。
 
   20年近く前、勤めていた職場で2人の上司に「君はなぜ残業をしないのか?」と言われた経験があるという横山氏。当時、自分のチームの仕事に遅延がなければ定時で帰ってもよいと考えていた横山氏は上司に対して「とても嫌な感覚を覚え」たという。 その後「残業をしないと処理できない仕事量」を与えられ、横山氏も22時、23時に退社するのが当たり前の生活に。「不思議なもので、終電を逃すと、さらにダラダラと朝の2時や3時までオフィスに残っている日常を平気で送ることができるようになるのです。毎日その時間に残っている同僚たちの顔ぶれはいつも一緒。仕事の成果ではなく、夜遅くまで残っていることそのものに充実感を感じるようで、オフィスに人がいなくなればなるほど、表情が生き生きとしてくる連中ばかりです。」   へろへろになりながら恍惚の笑みを浮かべるこんな社員にとっては、残業や休日出勤が「リア充」の源泉なのだと指摘する。なぜなら、「仕事によって手にした成果は目に見えませんが、長時間働いているという事実は、簡単に、確実に、他人に見せつけられます」
   しかし、横山氏は改めて思い直す。大きなプロジェクトを期限内に成功させようという仲間との残業なら楽しいのもわかるが、「恒常化した長時間労働が『リア充』を人にもたらすはずがない」と。
   長時間残業社員の「自分の生活を犠牲にして仕事してます」アピールはあまりに痛々しい。だから、小さな子供と遊んで楽しそうに笑ったり、「マラソン大会に参加していい汗かきました」のような「一般的な『リア充』」を体感すべきだ、と横山氏は訴える。
 
長時間労働が楽しいという心理の分析に一驚した。 無理することが美徳というより、無理と感じていないハイテンション。いくら過労死を取り締まっても働く側がこの有様では過重労働は改善しない。
 
私自身には残業が楽しかったという思いは全くなかったので、このような話にはついていけないが、昔を思い出すと確かに、残業たくさん組はそれを自慢する風潮があった。つい先日も電通の新入社員が自殺した話が話題になり、「自分たちの頃は残業200時間も珍しくなかった。今の若い人は柔だねえ。」という人がいた。そういえば傑作な話を思い出した。
自分の残業の多さを面白おかしく、得意げに自慢したそのエピソ-ドは40年たった今も覚えている。
「急な連続4日間の泊まり込みでも対応できる。まず、パンツを裏表にはいて2日間持たせる。次の2日間は後ろ前に履いて裏表だ。」こんなリアルな発想、やっているから話せるんだろう。過酷な労働を楽しんでいるから思いつくんだろう。猛烈社員が流行語だった70年代、迷いなく一億総猛烈社員だった。確かに、その頃の人は報われた。
しかし、これからは・・・・
 
非正規社員であったとしても、以前は正社員だった人は多い。短期間で仕事を辞めてしまった場合、次の仕事は、見つからず、更に、40代になってしまうと、まともな仕事は、殆どない。
今では、契約社員や派遣社員になれれば、まだましな方で、アルバイトのまま、生き延びなければならない。この国の政治家は、自己責任と言う言葉で一蹴し、何もしない。
 
生き延びるのに精いっぱいで充実した生活など夢のまた夢という状況の人も多い。ソロ充と言う言葉が虚しく響く超格差社会である。

人類はロボットと共生できるか

2016-12-13 | 社会
11月の米雇用統計は失業率が4.6%と約9年ぶりの水準まで低下した。しかし、製造業は就業者の減少が続く。米雇用統計発表の前日である12月1日、トランプ氏は米空調大手キヤリアのインディアナ州の工場を訪れ、メキシコ移転による工場の閉鎖と人員削減を阻止したと表明した。キヤリアの親会社トップに電話で圧力をかけたのだ。トランプ氏の政治圧力で製造業の雇用減を食い止められるとの見方は少ない。製造業の雇用者数は2008年の金融危機前と比べ150万人も少なくなった。その主因は「生産工程の自動化だ」(フロマン米通商代表部代表)。15年の米国の輸出金額を00年と比べると、家電は約1.4倍、自動車は約2倍に増えており、米製造業が縮小したわけではない。企業は国際競争力を保つために省力化投資を進めており、製造業の雇用減は先進国共通だ。
米労働市場は完全雇用に近づいており、伸び盛りの企業は人材確保のコストが上がっている。生産性の落ちた旧来型の産業から新興企業に人員が移らなければ、米経済は人手不足という成長の天井にぶち当たる。トランプ氏の経済政策の多くはインフレ圧力を強める。それはドル高を招き、結果として米製造業の雇用をさらに脅かしかねない。(日経新聞)
 
労働力の減少や効率化を背景に、産業界全体で無人化が加速している。「高くて使い物にならない」と言われてきたロボットも「人より安上がり」になりつつある。
国際ロボット連盟は2013年1月の調査で、ロボットの導入台数と失業率について相関関係を主な国ごとに分析している。興味深いのは日本、米国、ブラジルの状況だ。2000年以降の推移を分析すると、米国はロボットの導入台数、失業率とも比例して増加している。ブラジルはロボットの導入が進むと同時に失業率も下がっている。日本はロボットの導入台数は2000年以降、減少し、失業率は横ばいか、やや減少している。
推測できるのは、1)米国はロボットの導入により人の雇用が減っている、つまりロボットが人間を駆逐している。2)ブラジルは特に製造業で生産拡大のため、ロボット、人間とも雇用を増やしている。ロボットと人間は共生する関係だ。3)日本は長引く景気低迷で各社が設備投資を抑え、雇用を守ってきた。
 
確かに現状では景気や国の労働市場の状況によって自動化の進展は異なる。しかし、人間よりも機械の方が製造作業を効率的に行うことができるのだから、生産量の増加、品質向上に繋がる。しかも、機械の停止による生産調整も簡単にできる。機械には、管理の必要な健康保険、休憩、産休、睡眠もいらず、精神疾患もあり得ない。先進国ばかりでなく、新興国でも自動化されていくのは時代の趨勢だろう。
 
国際ロボット連盟(IFR)によると、ロボットの売上は2014年だけで29%増加しているという。驚いたことに、人件費から考えて、予測されるよりも多くのロボットを導入している国は、すべて新興市場だったという。インドだけは例外で自動化が遅れている。製造業の規模が比較的小さい国や、安い労働力を十分に確保できる国では、自動化で大きな経済効果は得られない。安い労働力が13億人いるインドで自動化する意味がないのは理解できる。しかし、韓国やタイのメーカーは、猛烈な勢いで自動化を進めているという。
 
平均以上の賃金の増大、労働力の高齢化、低い失業率が自動化を推進しているらしい。新興経済ほどのスピードではないが、中国も製造業にロボットを急速に取り入れている。中国の賃金は比較的低いにも関わらず、急速に自動化を進めているのは一人っ子政策による高齢化と労働者のスキル不足に要因があるのかもしれない。
 
ロボット技術の導入が遅れているオーストリア、ベルギー、フランス、イタリア、オランダ、スウェーデン、スペインなどの事情はまた異なるようだ。こうした国々の政府は、数年間に渡る解雇手当の支払いなど、労働者から機械への移行に様々な規制を設けている。
 
この 10 年間のロボットの普及により製造業の自動化が進んだため、雇用のほぼ3分の1が喪失したというデータもある。単純作業は機械に任せてより高度な知的生産業やサービス業で人間が働くという構図も、人工知能の進歩で崩壊する。人間を雇う企業に対して政府が給料の何分の一かを補助する社会がやってくるかもしれない。そうでもして、機械が生み出す富の分配をしないと、消費の減少が景気の低迷を永続化させる。
人間の意識の変革がなければ、機械化により人間は楽になり、収入も余暇も増えるという理想社会の実現は不可能だろう。人類を滅亡させるのは、人類自身の私利私欲の追及だけで十分なようだ。人間が機械に取って代わられる惨めな将来の到来は避けられないだろう。
 
スイス・ダボスで開かれた「世界経済フォーラム」では、ロボットと人工知能の導入で、今後5年間のうちに500万の雇用が消えるという悲観的な見通しが出ている。

いじめと無縁社会

2016-09-25 | 社会
無縁社会、虐待、孤独死、いじめということばが氾濫する社会になった。
人とのつながりを絶ってしまう社会。結婚もしない、子どもも作らない。自らの意志でつながりをなくしてしまう社会。
 
戦争が終わって生まれた団塊の世代は、貧しい時代に子供時代を過ごし、一億中流と言われた高度成長期を謳歌した。今思えば、その間に決定的な家族の変容があった。
バナナが贅沢なおやつ、メロンは高嶺の花、肉は細切れ、牛肉は月一回程度、着るものもお古が一般的だった。だが、当時、貧しさはあったが、親戚や家族は助け合っていた。
近所には子どもたちが大勢いて、遊び相手がいなくて、困ることはなかった。どの家庭も子供は二人から四人、団塊の世代の子どもたちは多く、一人っ子はほとんどいなかった。
わたしたちは年齢の上下に関係なく、遊んだ。遊びでいじめの標的にされることもあったが、それが何日も持続することはなかった。
時代は大量生産大量消費社会に移行する。物質的に豊かになり、テレビ、洗濯機、冷蔵庫が三種の神器として各家庭に普及していった。サラリーマンは出世と高い報酬を求めて夜遅くまで残業する。
専業主婦は子育てに専念し、教育ママになる。家庭内にいざこざが増える。学歴をつけて「よい会社に入れ!」と子供の尻を叩く。出世競争に敗れた亭主は居心地が悪くなる。
 
都会での住環境は大家族を許さない。狭い家に親と同居するのは無理であり、精神的にストレスがたまるとして、核家族化に拍車がかかる。「家族の崩壊」や「無縁社会」は、経済や社会の変貌によって必然的にできたものだ。皆が地縁血縁のわずらわしさを回避したいために望んで出来上がった社会だ。その過程で人の心も他人を思いやる余裕を失っていく。
田舎では、あらゆる情報は筒抜けになってしまい、瞬く間に広がってしまう。うるさい親戚があることないこと騒ぎ立てる。それが嫌で早く抜け出したいと思っていた。今は、そういった干渉が懐かしい。
 
独身の高齢者が血縁を頼って北海道に移り住んだ。離婚したいとこが兄弟や親を頼って北海道に帰って行った。少ない血縁を頼って、田舎暮らしを考えた方がいいのかもしれない。
空気はきれいだし、自然の恵みもいっぱいある。無縁社会の都会にいるより、ずっと幸せになれるかもしれない。
 
都会の郊外で新しいコミュニティをつくるのは想像以上に難しい。消費社会の豊かさに極端な個人主義が加わって、個人の責任は放棄され、コミュニティーの崩壊に拍車がかかる。公任せで個人には隣の高齢者、近所で起きているいじめ、引きこもりに責任はないとされる。貧富の格差が拡大し、たまたま運が良くて余裕のある生活をしているものに高齢者を支援したり、体の不自由なものを助ける義務はないとされる。
 
核家族化や大都市志向で高齢者の面倒をみる大家族がいなくなった。コミュニティーが高齢者に対して責任を共有する、新たな仕組みを作るしか解決策はないように思うが、これが難しい。
自治会活動が比較的活発な地域でも、活動に参加する住民は1割程度だ。
「ボランティアでやっている自治会役員は好きでやっているんだからいいが、そんな活動に私たちを引き入れないでほしい。班長や地区長は当番で回ってくるが、お金で免除してもらえないか?」こんな情けない意見が堂々と述べられ、それに真っ向から反論する人も殆どいない。定年退職後、さまざまな理由によってひとり暮らしを余儀なくされている高齢者。貧困や介護、病気によって、一人暮らしを余儀なくされてしまった高齢者が孤独死に至るのも自己責任だから、放っておけばよい。それが先進国と言われる国の国民の常識、道徳観らしい。そして「他人に迷惑をかけてはいけない」という日本人の美徳に忠実な人ほど「孤立無縁」に陥りやすい。
 
孤立無援の過酷な状況は高齢者に限ったことではない。人間は、社会生活を営む以上、一人だけで生きていくことはできない。他人と一切関わらずに仕事を続けていくことはできない、できなかったはずだが、自宅に閉じこもってしまう「ひきこもり」という現象も大きな社会問題となっている。生徒たちの不登校の多くは校内でのいじめなどがその原因と思えるが、子供たちにとってはまさに孤立無援という精神状態である。
わが子を虐待して死に至らしめるというニュースも頻繁に聞こえてくる。母親から命を授けられても、生まれる前に堕胎されてしまうか、無事に生まれても幼少時代は親に虐待され、青少年時代は学校でのいじめにおびえ、社会に出ると上司のパワーハラスメントでうつ病になる。部屋に引きこもるか、家族とも縁を切って無縁社会で暮らすしかない。介護が必要になったら、再び施設での虐待が待っており、殺されることもある。最後は自殺か無縁死で一生を終える。
 
いじめにせよ虐待にせよ、その解決方法が議論されても、その原因について議論されない。対症療法は議論されても、いじめや虐待のない社会作りという観点は全く論及されない。
怖いのは無縁社会が親から子へ連鎖していくことだ。「子供の無縁社会」という本は衝撃的だ。子どもを無縁にするのは大人であり、「頼れる人がいない」親世代と、まともな友だち関係を結べない子世代の問題をとりあげ、背筋が寒くなる現実をルポしている。
 
2011年の「居所不明児童生徒」が1183人いる。身元不明の死亡人のなかには子供もいて、官報に記載される。
◆平成18年12月22日付
名前 本籍・住所・氏名不詳
年齢 10代前半
性別 女性
上記の者は、平成17年10月14日午後9時頃、岩沼市○○○の川で頭蓋骨で発見されました。死後10年程度、死亡場所及び死因は不明。
 
◆平成20年10月9日付
名前 本籍・住所・氏名不詳
年齢 嬰児
性別 女児
身長 48センチ
上記の者は、平成20年7月17日、仙台市○○○の公園内において、造園の剪定作業を行なっていた作業員が、ツツジの植え込み内に置かれた紙袋を発見し、臨場警察官が同袋内を確認した結果、ビニール袋にくるまれた嬰児死体であることが判明したもの。
 
◆平成21年11月9日付
名前 本籍・住所・氏名不詳
小児の顔面頭蓋、下顎骨を欠く。所持金品はなし。
上記の者は、平成21年5月8日午前11時、姫路市○○○約7.6キロメートル沖海底で発見されました。死亡推定日時は平成16年頃と推定され、死亡の原因は不明。
 
子育てよりもネットゲームを優先する母親の話もありそうな話だ。実家で両親と同居。月10万程度のバイト代はすべてネットゲームに費やし、ゲームで知り合った男性と結婚。そのまま夫も転がり込んでの同居。本人はそのままゲームを続ける。そして妊娠。出産。子育てがゲームに支障をきたすので、同居の両親に子育てをおしつけ、ゲームに専念する。
 
子育てができない親が増えている。その未熟な親が子どもを「無縁」にし、無縁な大人を再生産する。
 
子どもの遊び声に対する苦情も多く、東京都では保育所も満足に作れない。子供の声を騒音としか感じない高齢者自体に問題がある。孫がいない、いても孫との関係が希薄なのだと想像する。
地域や他者とどう関わればいいか分からない大人たちが孤立無援な子供たちを再生産していく。地域社会が子どもを育てるという感覚はまったくない。
 
90年代半ば:社宅前の駐車スペースに大きなビニールプールを用意し、社宅の子どもたちは水遊びをする。準備、片付け、監視役は、親が交代で行う。
2000年代:近所に気兼ねして「共用プール」は消滅。家ごとに小さなビニールプールを並べて、別々に遊ばせる。
さらに5年後:共用の場所を個人で使うのは不公平という意見から、ビニールプールそのものが消滅。
このように、協力や共用よりも個人の主義主張を尊重する大人の都合で、子どもたちは繋がりを失っていく。そして、他人の気持ちなど理解できない子供たちが精神的に未熟な大人になっていく。
 
いじめでは被害者だけが辛い目にあい、殺されたり自らの命を絶たなければならない状況に追い込まれる。加害者は親に守られ、学校に守られる。こんな社会で我関せず、傍観者でしかない大人があまりにも多い。そして子供たちも傍観者になり、それが陰湿ないじめを助長する。
 
福岡県苅田町の町立小学校の女子児童(9)の父親が今年3月、同級生らからの「いじめ」を放置したなどとして、学校側を相手取って提訴する意向を学校に示した際、校長から相談を受けた町議が提訴しないよう父親に求めていたという。
 
滋賀県守山市にある名門私立高校の元教諭の男が、男子生徒にわいせつな行為をした疑いで逮捕された。母親とともに、学校に相談したが、学校の副校長からは、「警察事案となれば更に彼の将来の道もたたれます。彼のことを想うなら警察は避けるべきです。」と言うメ-ルが来た。被害者に泣き寝入りを求める内容だった。
 
学校は加害者と結託していじめや性的虐待を隠ぺいするから、学校に相談する時は用心が必要だ。
「いじめから子供を守ろう ネットワーク」は子供や親がいじめと戦うための具体的な方法として以下の実践を提唱している。
 
1)親が先頭に立って子どもを守る、「いじめ」に立ち向かう決意をする。子供一人に闘わせてはいけない。
2)いじめの被害をできるだけ詳しく記録を残す。証拠を集める。
3)文書化した上で、学校長と話し合いの場を持つ。
 文書にして、教育委員会、校長、担任にいじめ解決の措置を要求する。加害者の保護者にもこれを訴え、加害者を指導するように求める。
 話し合いは録音し、証拠となる原本(日記、連絡帳、手紙など)を学校に渡さない。
4)外の人に相談する。
警察、教育委員会、教育センター、人権擁護委員会などの「相談窓口」に相談する。教育委員会も、身内を守ってしまう傾向があるので信用できない。公的機関は、文書を提出して相談しないと、動かない場合が多々あるので、文書で提出する。また、物損や暴力、精神障害などが発生する「いじめ」は犯罪と認識して、すぐに警察に「被害届」を出す。マスコミや市会議員、県会議員、代議士、知事、市区町村長など政治家に陳情することも大事だが、油断をしないこと!!!
 
いじめ問題への対応としては、加害者への指導と被害者へのフォローに重点が置かれがちだ。
しかし、本当に指導すべきは、周りで見ていた傍観者だと思う。
「“見ているだけ”も罪になる」「無関心も罪」
直接手を下したわけではないのに責められるのはおかしいかもしれない。自分の身を守るためには仕方がなかったかもしれない。
 
しかし、傍観者でいることはいじめを認めていること。黙認しているということだ。こうした傍観者の存在こそが、加害者のいじめ行為をエスカレートさせ、いじめが劇場化する要因となる。「みんな面白がっていた。ヒ-ロ-になった気分だ」…そんな自己正当化がまかり通る。
いじめは子供社会だけに存在するのではない。大人社会のえぐいいじめ構造の反映でもある。
 長期雇用、年功賃金等が特徴であった高度経済成長期の日本型雇用慣行は崩壊した。今の大人には子供社会のいじめを止める余裕はなさそうだ・・・・・

高畑悠太はやはりはめられた・・・・

2016-09-19 | 社会
先月、宿泊していた群馬県前橋市のホテルの女性従業員に対する強姦致傷容疑で逮捕・送検されたものの、相手の女性との示談が成立し9日に釈放された女優の高畑淳子の長男で元俳優の高畑裕太だが、発売中の「フライデー」(講談社)が示談成立に至るまでの内幕を詳細に報じている。
 
事件発覚当初、警察発表によると、裕太は「歯ブラシを持ってきてほしい」と部屋に女性を呼び出し、犯行に及んだとされていた。しかし、不起訴処分となって釈放された後、裕太の弁護士はコメントを発表。歯ブラシの件の事実関係を否定し、さらには、相手の女性と合意のうえで行為に及んだことを文面ににじませた。
 
同誌によると、事件後、警察に通報したのは女性の知人男性とされていたが、その男性が指定暴力団の関係者・X氏であったことが判明。
事件は8月23日の午前2時過ぎに起こったが、裕太の供述調書によると、「2人でエレベーターに乗ってホテルに向かった」とされていて、歯ブラシのくだりは一切調書になかったという。
そして、裕太が警察に連行される直前、女性の関係者だというコワモテの男が怒鳴り込んで裕太を罵倒し、事件発生が深夜にもかかわらず、すでに被害者は医師の診断書を用意していたというから驚きだ。示談交渉は被害者女性の弁護士、裕太の所属事務所の弁護士、高畑家の弁護士が連絡を取り合いまとめたというが、その交渉で大きな役割を果たしたのがX氏だったというのだ。
「どうやら、裕太が女性従業員に目をつけているのを見透かされ、すっかりハメられてしまったようだ。もともと、事件発生当初から、警察に通報したのがホテルの従業員ではなく、知人男性だったというのがかなり不審だった。このところ、暴力団関係者は暴排条令施行後、全般的にシノギが厳しくなっているので、デカいシノギになると思われカモにされてしまった」(週刊誌記者)
シノギとはヤクザ・暴力団の収入や収入を得るための手段のこと。
 
週刊ポスト2016年9月30日号
県警幹部は“こんなに早く示談するとは思わなかった。ハシゴを外された”と唇を噛んでいた」──そう話す捜査関係者の表情には落胆と疲労の色が滞っていた。
気になるのが、県警に通報した“知人男性”の存在だ。女性従業員は午前2時から同2時半の間に高畑の部屋にいたとされる。知人男性が通報したのは同3時半頃。女性が部屋を出てからわずか1時間後だ。別の捜査関係者が言う。
「事態を把握してから通報するまでの彼の行動はあまりに迅速だった。通報した時点で詳細まで押さえていて、周到ささえ感じられた。60代後半の彼は、地元では名が通っている人物で、県警もその存在を知っていたはず。もう少し逮捕や発表には慎重になっても良かったのではないか」
早さという点では、示談も異例のスピードだった。弁護士の郷原信郎氏が言う。
「通常、加害者側に怒りや恐怖を覚えて被害申告をした強姦の被害者は、すぐの接触を拒み、示談交渉は起訴後になることが多い。早く示談が成立したのは、被害者側に早い段階から示談の意思があったと見るべきでしょう」
県警内では逮捕に至った経緯の確認作業が行なわれているという。
「強姦の場合は本来、性行為があったことを示す証拠が必要。今回、衣服は押収したようだが、被疑者がすぐに認めたため、証拠は重要視されなかったようだ」(前出・捜査関係者)
元兵庫県警刑事の飛松五男氏が言う。
「捜査員は被害が届け出られた時に熟考すべきだった。一部の捜査員たちが有名人の逮捕という“勲章”に浮き足立っていたのではないか。結局、被害者と加害者双方にとって様々な疑念を残しただけ。警察の罪は重い」
 
 
初めから、怪しいと思っていた事件だった。40代女性が逃げ出す知恵がないとも思えない。知人男性の通報もあまりにも早すぎた。警察がシノギの片棒を担いだことになってしまった。マスコミも冷静さを失って、決めつけ報道に終始した。そこが怖いところだ。
高畑悠太の側に付け入られる隙があったことだけは間違いないが・・・・。

結婚はリスクヘッジ

2016-09-17 | 社会
未曽有の高齢化社会が進み、老老介護、孤独死、老人の貧困化が問題になっている。永久就職とも言われた結婚は果たしてリスクヘッジになるのか、結婚観が変わろうとしている。
 
もともと、結婚は愛情だけで成り立つものではなく、リスクヘッジであり、人生の安全保障制度なのは皆認識している。病気になったり失業したり、思いがけない事態になったとき、2人なら何とか生き延びられる。
かつては、活力ある地域社会や血縁集団が機能していて、親戚のオジサンが頼りになる時代もあった。今は核家族が主流で、何事も家族の中で解決していくしかない。実際、親族のややこしい話を丸く収めたり、地域のもめ事を解決したり、子育てで話し合ったり、夫婦がチームとして助け合い、その中で信頼感を深め絆を強くして行く。しかし、自営業の夫婦なら、支え合う実感もあるが、サラリ-マン世帯はむしろ相手は妨害者になることもあり、「亭主元気で留守がいい」「結婚は墓場」と言われたりもする。
さらに収入面でも、定年まで働き、満額の退職金をもらうのが当たり前だった時代は終わり、役職定年がどんどん下がり、大半が55歳までにリタイアし、その後は昇進もなく、給料も下がる。
夫婦の問題については、愛が足りないとか気配りがないとか・・・愛のファンタジーを語っている余裕はない。今すぐに備えるべきは、老年期の貧困問題。年金制度は崩壊しているだろうから、健康保険料も介護保険料も高負担になってのしかかってくる。株を持っていても暴落のリスクがあり、、銀行に預けても利子はゼロ、人口減少によって、不動産の値崩れは不可避。今から15年で人口は1000万人減ると予想されている。
社会制度の土台である人口が激減してしまうのに、政府は成長戦略に夢を見ている。まあ、グロ-バル市場や武器輸出に活路を求めているようだから、支配層は国民を投げ捨てて生きる道を模索しているのだろう。
 
 さて、老後の不安に対して、国をあてにするのはやめた方がいい。国民の借金をドンドン増やして蓄財している政治家が国民のための政治をするはずがないからだ。
 そうかといって、結婚も高いリスクが伴うのは周りを見ればわかる。経済的に家族を養えるのか?相手の親や親戚とうまく付き合えるのか?子供の教育に自信がない。趣味の時間や友達付き合いが出来なくなる。
浪費癖のある妻に悩まされないか?などなど心配し始めたらきりがない。働く意思を持った配偶者でも出産等で一度、職場を離れると、職場復帰は難しくなる。結婚前にはバリバリ働いてた女性も、出産後は子育て重視となり、個人の心境の変化もある。まだ子供が小さいと保育園に預けて働きに出ても、子供が風邪をひけば迎えに行かねばならなかったり、朝の急な発熱で休まなければならなくなり、重要な仕事やポストから外されてしまう。とはいっても、独身のリスクは確実だから、結婚のリスクの不確実性に賭けてみる価値はある。日本の経済や社会が安定していれば、独身という生き方も楽しめるだろうが、これからは経済的な基盤、精神面での安定などを考えると、少しでも多くの安全装置を備えておく方が良いからだ。
 仕事をバリバリして派手に遊んでいた人が40歳を超えて体力が低下したり、仕事がうまくいかなくなったり、親の死や介護という避けられない現実や孤独感で、メンタル的に不安定になったり、ストレスで体調を崩していくケースは枚挙に暇がない。結婚のリスクも確かに存在するが、家族がいる安心感、そこからもらうパワーや充実感を考えると結婚に賭ける価値は十分あると思う。離婚したケースや、怖い奥さんの事例もあるが、それでしり込みせずに、失敗したケースを客観的に捉え、そうならないように気をつければ良い。幸せな結婚生活を送ることは、決して特別な人だけに与えられたものではない。相手に対しての感謝の気持ちを持つこと、家事や育児における協力、マメなコミュニケーション、不倫など自身の問題に気を付け、ルールさえ守れば、成功率は高いと思う。
 
 女性の側から見た結婚観もこれからは時代に合わせて変えていかなければならない。仕事は辞めない。たとえ夫の稼ぎがよくても、辞めてはいけない。夫がいつまでも、自分の面倒を見てくれる保証はないし、キャリアが空いてしまった女性を雇ってくれるまともな会社はないからだ。産休や育児休暇をフル活用し現職にしがみつく。自分の実家の近くに住むのも良い。近所に実家があるということは、別居の際の一時避難所ともなるし、親権を獲得する上でも両親の存在は有効な武器になる。もしリタイアした両親が遠くに住んでいるのであれば、自宅近くのマンションを借りさせて近所にきてもらうくらいしてもよい。
 
 生き延びるために一番大切なのは、ネットワークだ。都会から過疎地に移住した若者たちの生活ぶりを見ると、生活必需品はほとんど物々交換やサービス交換で手に入る。不況になろうと株が乱高下しようと、生活の質は急激には変わらない。生活の安定を考えるなら、地域共同体や親族共同体の相互扶助ネットワークをしっかり構築するのは選択肢の一つだ。
もう一つ大切なことは、いかに楽しく、機嫌よく生き延びるかだ。不機嫌では体調も悪くなり、想像力も知性も働かない。ネガティブな心の動きは判断力を狂わせる。まずは配偶者との関係を穏やかで健全に保つことだ。そのためには、自分が機嫌よくしていること。貧しくても、思い通りにならなくても、とりあえず機嫌よくして毎日の生活を乗り切ろう。それが夫婦というチームを成熟させ、安全保障を堅固にすることにつながる。