浸水１万4400棟 ピークは越す

2011.01.14.北海道新聞朝刊国際面

浸水１万4400棟　ピークは越す
オーストラリアの洪水


【シドニー時事】
　オーストラリア北東部クイーンズランド州の州都ブリスベーンの洪水は13日、市内を流れる氾濫した川の水位がピークを越した。当初懸念されていたほどに水位は上昇しなかったが、市当局によると、住宅と商業施設合わせて１万4400棟が浸水被書を受けたもようだ。
　気象局によれば、第３の部市である同市の川の水位はこの日午前4時に4.46ｍのピークに達した。1974年の大洪水の5.45ｍを上回る恐れも指摘されていたが、これを下回り、「歓迎すべきニュース」(当局者)となった。ただ、13日中は高い水位が続くという。
　夏の雨期にある同州では、昨年末から大雨による大規模な洪水が各地で発生、日本の面積の３倍以上に相当する州の４分の３が災害地域に指定された。州の主要産業である石炭業界や農業などが打撃を受けており、被害は国内総生産(GDP)の１％に達する可能性も指摘される。
　州当局によると、ブリスベーンの洪水で１人の死者を確認。10日に同市西の内陸部で鉄砲水が発生して以降の関連地域の死者は13日までに15人となった。
　在ブリスベーン日本総領事館によると、同市には企業駐在員ら約7500人の日本人が住んでいるが、13日午前の時点で、被害情報はない。