2011.02.07.北海道新聞夕刊３面
日豪ＥＰＡ交渉再開
10カ月ぶり ＴＰＰの行方占う
日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)締結に向けた交渉が７日、10ヵ月ぶりに再開した。関税撤廃が原則の環太平洋連携協定(TPP)交渉への参加を検討している日本にとって、TPP交渉メンバーであるオーストラリアとの協議は最初の関門となる。TPPの参加判断に大きな影響を与えそうだ。
両国の交渉は2007年４月に始まり、今回が12回目。10日までの４日間、東京・霞が関の外務省で行われ、日本からは外務、経済産業、農林水産をはじめとする各省の担当者が出席する。
冒頭、外務省の西富伸一外務審議官が「良い交渉になることを期待している」とあいさつした。
ＴＰＰ交渉には米国なども参加。日本政府内には、オーストラリアとのＥＰＡで、日本が高い関税を課しているコメや牛肉などを関税撤廃の例外にできれば、仮にTPPに参加した場合も、例外として認められる可能性が出てくるとの見方がある。
ただ、オーストラリアとのＥＰＡ交渉はこれまで難航してきた。オーストラリアはコメや牛肉などの関税撤廃を要求。日本はこれを拒否した上で、オーストラリアに対しては自動車の関税を撤廃するよう求めるなど、双方の主張は開きが大きいためだ。
