メラトニンと側弯症との関係についての研究の続きです。
特発性側弯症患者100例中 34例---骨減少症
20例---骨粗鬆症
46例---正常範囲
100例中の初潮 12歳以前 30例 .....骨量減少症、骨粗鬆症 8例
12歳以降 55例 .....低値例 33例
未初潮 15例
こどもの骨量減少や、まして骨粗鬆症の率が高いということをどうとらえたら
いいのか考えてしまいます。
もし特発性側弯症の原因(のひとつ)がメラニンの低下にあるとすれば
メラトニン低下→骨芽細胞の活動減少→骨量減少、骨粗鬆症
この流れは理屈にあうと思うのですが、しかし
骨量減少、骨粗鬆症 → 特発性側弯症 の関係がよくわかりません。
もし骨粗鬆症が特発性側弯症の原因であるならば、老人の多くは側弯症を患って
いることになると思うからです。
素人考えですが、
メラトニン低下 → 骨量減少、骨粗鬆症 → なにかの要因 → 特発性側弯症
というような図式ならば、思春期に特発性側弯症が多く発症する理屈も成立すると
思うのですが.....あるいは、メラトニン低下の原因が、「なにかの要因」と
直結しているのかもしれませんが.....
でも、いずれにしても大本のメラトニン低下を防止することで側弯症予防になるの
だとすれば、こども達の健康診断にメラトニンの測定もいれることで、なんらかの
予防効果が得られるのかもしれません。
今後の研究が進むことを願ってやみません。
................................................
(平成19年度 側弯症学会抄録より引用)
特発性側弯症女児における骨量減少の発症メカニズムについて
国立病院機構村山医療センター 町田正文
目的: 最近、思春期特発性側弯症の27~38%に全身性の骨量減少がみられることが
明らかとなったが、そのメカニズムはいまだ不明である。本研究の目的は、日本人の
思春期特発性側弯症における骨量減少の有無およびそのメカニズムを明らかにする
ものである。
対象/方法 : 対象は当センターを受診した思春期特発性側弯症女児100例である。
骨密度測定時年齢は10歳7ヶ月から18歳3ヶ月であり、初潮年齢は10歳から16歳で
あったが、骨密度測定時に15例は初潮がみられていなかった。検査時コブ角は12度
から62度であった。骨密度は第2腰椎から第4腰椎の平均値をBMDL2-4として求めた。
日本人の正常値はNishiyamaら(2001)が同様な機種、方法で求めた健常例779例の
BMDを用い比較した。その際、それぞれの年齢の平均値より -1.0 S.Dから -2.0 S.D
を骨量減少症、-2 S.D以下を骨粗鬆症と定義した。検討項目は運動クラブ活動の
有無とその種類および初潮時年齢、主彎曲のコブ角とBMDとの相関を求めた。
結果 : 思春期特発性側弯症女児100例のうち34例が骨量減少症で、20例が骨粗鬆症
であった。残りの46例は正常範囲内であった。そこで、初潮が12歳以前とそれ以降
におけるBMDを比較した結果、初潮が12歳以前にみられた30例のうち骨量減少症、
骨粗鬆症のBMD低値例は8例であった。一方、初潮が12歳以降の55例のうち33例は
低値例であった。なお、100例中15例がいまだ初潮がみられていない。骨密度測定時
のコブ角と骨密度との関係を検討したが、相関性はみられなかった。運動クラブに
所属している症例は45例であり、これらのうち high impactな運動部に所属して
いる症例は初潮が12歳以降でも BMDが正常の症例が6例あった。
考察 : われわれは基礎研究や特発性側弯症における臨床研究よりメラトニンが
側弯変形の発現、進行に関与していることを報告したきた。近年、メラトニンが
骨芽細胞に直接作用し、骨芽細胞の分化と増殖を促進することが明らかとなった。
これらのことから、思春期特発性側弯症の骨量減少症や骨粗鬆症は骨形成が最も
盛んな思春期にメラトニン分泌低下による骨形成能の低下が骨量減少を来したと
推測している。
.............................................
ブログ内の関連記事
「メラトニンと側弯症」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/896e6af964e2a081509dcfdf3ea391cc
特発性側弯症患者100例中 34例---骨減少症
20例---骨粗鬆症
46例---正常範囲
100例中の初潮 12歳以前 30例 .....骨量減少症、骨粗鬆症 8例
12歳以降 55例 .....低値例 33例
未初潮 15例
こどもの骨量減少や、まして骨粗鬆症の率が高いということをどうとらえたら
いいのか考えてしまいます。
もし特発性側弯症の原因(のひとつ)がメラニンの低下にあるとすれば
メラトニン低下→骨芽細胞の活動減少→骨量減少、骨粗鬆症
この流れは理屈にあうと思うのですが、しかし
骨量減少、骨粗鬆症 → 特発性側弯症 の関係がよくわかりません。
もし骨粗鬆症が特発性側弯症の原因であるならば、老人の多くは側弯症を患って
いることになると思うからです。
素人考えですが、
メラトニン低下 → 骨量減少、骨粗鬆症 → なにかの要因 → 特発性側弯症
というような図式ならば、思春期に特発性側弯症が多く発症する理屈も成立すると
思うのですが.....あるいは、メラトニン低下の原因が、「なにかの要因」と
直結しているのかもしれませんが.....
でも、いずれにしても大本のメラトニン低下を防止することで側弯症予防になるの
だとすれば、こども達の健康診断にメラトニンの測定もいれることで、なんらかの
予防効果が得られるのかもしれません。
今後の研究が進むことを願ってやみません。
................................................
(平成19年度 側弯症学会抄録より引用)
特発性側弯症女児における骨量減少の発症メカニズムについて
国立病院機構村山医療センター 町田正文
目的: 最近、思春期特発性側弯症の27~38%に全身性の骨量減少がみられることが
明らかとなったが、そのメカニズムはいまだ不明である。本研究の目的は、日本人の
思春期特発性側弯症における骨量減少の有無およびそのメカニズムを明らかにする
ものである。
対象/方法 : 対象は当センターを受診した思春期特発性側弯症女児100例である。
骨密度測定時年齢は10歳7ヶ月から18歳3ヶ月であり、初潮年齢は10歳から16歳で
あったが、骨密度測定時に15例は初潮がみられていなかった。検査時コブ角は12度
から62度であった。骨密度は第2腰椎から第4腰椎の平均値をBMDL2-4として求めた。
日本人の正常値はNishiyamaら(2001)が同様な機種、方法で求めた健常例779例の
BMDを用い比較した。その際、それぞれの年齢の平均値より -1.0 S.Dから -2.0 S.D
を骨量減少症、-2 S.D以下を骨粗鬆症と定義した。検討項目は運動クラブ活動の
有無とその種類および初潮時年齢、主彎曲のコブ角とBMDとの相関を求めた。
結果 : 思春期特発性側弯症女児100例のうち34例が骨量減少症で、20例が骨粗鬆症
であった。残りの46例は正常範囲内であった。そこで、初潮が12歳以前とそれ以降
におけるBMDを比較した結果、初潮が12歳以前にみられた30例のうち骨量減少症、
骨粗鬆症のBMD低値例は8例であった。一方、初潮が12歳以降の55例のうち33例は
低値例であった。なお、100例中15例がいまだ初潮がみられていない。骨密度測定時
のコブ角と骨密度との関係を検討したが、相関性はみられなかった。運動クラブに
所属している症例は45例であり、これらのうち high impactな運動部に所属して
いる症例は初潮が12歳以降でも BMDが正常の症例が6例あった。
考察 : われわれは基礎研究や特発性側弯症における臨床研究よりメラトニンが
側弯変形の発現、進行に関与していることを報告したきた。近年、メラトニンが
骨芽細胞に直接作用し、骨芽細胞の分化と増殖を促進することが明らかとなった。
これらのことから、思春期特発性側弯症の骨量減少症や骨粗鬆症は骨形成が最も
盛んな思春期にメラトニン分泌低下による骨形成能の低下が骨量減少を来したと
推測している。
.............................................
ブログ内の関連記事
「メラトニンと側弯症」
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/896e6af964e2a081509dcfdf3ea391cc
少しでも、骨密度を上げる方法はないのでしょうか?
とても心配です。