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側弯症(側わん症/側湾症/そくわん)治療に関する資料と情報を発信するためのブログです

下書き:SOSORT体操療法文献データを紐解いてみることにしました

2017-10-31 17:54:16 | 側弯症と体操療法
初回投稿:2017年10月31日
追加:2017年10月31日 pm11
追加:2017年11月1日


このトピックスは、「下書き : 特発性側弯症治療 - 何が問題なのか? 」に記載した下記の課題を紐解いていくために作成しています。
関連文献を少しづつ和訳して追加していく計画のため、このこのトピックスも下書きとしました。


問題点(課題)
2. 治療法も大きくはふたつに分割することができ、そのふたつの考え方の対立に患者(患者家族)が振り回されています。
 それが、マイルドカーブに対する「経過観察」 vs 「体操療法」です。

 ・SRSを主体とする整形外科・脊椎外科医師は、マイルドカーブは自然治癒するものが含まれていることから、
 「経過観察(定期検査)」を行い、進行が見られる場合は、装具療法に入る。というのが標準治療法となりますが、
  一方、SOSORTを主体とする理学療法医師は、このマイルドカーブの段階から「体操療法」をしなければ
  側弯カーブが進行する、ゆえに「待つことなく、直ちに体操療法」に入るべき。という立場。(と考えられます)




(comment by august03)
思春期特発性側弯症患者に対して国内のインターネットでは大小さまざまな民間療法者(側弯整体等)がホームページでいろいろな説を記載していますが、体操療法を医学/医療の世界で研究・調査・実践・主導しているのはSOSORTという組織であることをご記憶下さい。この組織メンバーにより発表されている文献を紐といていくことで、何かが見えてくると考え、これから少しづつ和訳を進め、ご提供していきたいと考えています。


SOSORT (Scientific Society on Scoliosis Orthopedic and Rehabilitation Treatment)というヨーロッパの側弯症の学術的研究を行っている組織



(comment by august03)
・体操療法の文献和訳を進めるにあたり、次の3点をメモとして記載します。
①用語 PSSE (Physiotherapy Scoliosis Specific Exercises)
医学用語に見当たりませんでしたので、拙訳として「理学療法における側弯症に特化した体操療法」とし、この意味で、論文和訳においては PSSEをそのまま使用します。

②用語 Non-operative treatement, Non-surgical intervention
これに類した用語として Conservative treatment 保存療法がありますが、体操療法等は積極的に関与していることから、和訳にあたっては Non-operative treatement, Non-surgical intervention等の用語は「非外科的介入」を用います。

③SOSORTメンバーの文献においても、またPubMed検索結果からも、[manual therapy, manupilation]いわゆる整体やカイロプラクテックでの施術は、思春期特発性側弯症患者に対する治療としては効果がない。ということが述べられていますので、ここでは、[施術]が効果がないことの証左として下記2点の文献を記載するのみとし、以降の文献検索や和訳作業は、SOSORTメンバーによるPSSEを中心として進めていきたいと思います。

◇2014年 Non-Surgical Interventions for Adolescents with Idiopathic Scoliosis: An Overview of Systematic Reviews

医学文献をサーチし、そのレビュー結果報告。臨床試験結果は思春期特発性側弯症患者治療に効果があることは示されなかった。
Manual therapies : Posadzki et al. (2013)found one high quality RCT showing no evidence to support osteopathic manual therapy as an effective treatment for mild AIS. Low quality reviews Two other SRs, though of lower quality, and lower level of evidence, provided similar conclusions.

◇2016年 Manual Therapy in the Treatment of Idiopathic Scoliosis. Analysis of Current Knowledge.(Ortop Traumatol Rehabil)

医学文献をサーチし、そのレビュー結果報告。研究方法が貧弱であり、対象患者数も少なく、その患者背景に対する記述に矛盾があり、フォローアップもされていない。
The results of these studies are contradictory, ranging from Cobb angle reduction to no treatment effects whatsoever. The papers analysed are characterised by poor methodological quality: small group sizes, incomplete descriptions of the study groups, no follow-up and no control groups. Analysis 2: in total, 217 papers were found. None of them met the criteria set for the analysis.


なおこれら「施術には効果がない」に関する文献の内容説明は別項「施術効果:文献レビューにより否定」に記載しますので、そちらも参照ください。


続く



august03


☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
 医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?



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