Vers la lumière 光ある方へ・・・

AtelierGrace発、ステンドグラスと教会のブログ。

ストラスブール(09年12月)

2020-12-31 12:52:22 | フランス
いよいよ今年もあとわずか。「私が見てきたステンドグラス」海外編、ひとまずの最終回はストラスブールです。今後また海外へステンドグラスを見に行く機会が巡ってきて、続編が書けることを切に願っていますが…。

'09年12月19・20日、ストラスブールを旅しました。ストラスブールを含むアルザス地方(ドイツとの国境近くです)はクリスマスの中心都市として名高く、フランス滞在中のクリスマスは絶対にこの街で過ごしたいと願っていました。宿も8月までに押さえないとダメ!ということで真面目にその通りにし、切符もちゃんと手配していたのですが、旅行直前にここ10年ほどなかったという大雪となり……ケチでミニマリストだった当時の私。持っていた服のほとんどを着込むような格好で出掛けたんですが、後で聞いたところによるとこの時ストラスブールもマイナス10度位になったようで…とにかく寒かった。寒いというより最早痛かったかも?

 

お昼過ぎにストラスブールに着いて、まずは大聖堂へ。街が小ぢんまりとしているだけにこの大きさは圧倒的。とても全容がカメラに収まりません。赤色砂岩により建物全体が赤っぽいので、寒い中にも暖かみを感じます。(そういえば以前、ストラスブール居住経験のある友人から、「ストラスブール大聖堂の石」なるものをもらったっけ。たぶんまだ、どっかにあるはず…(笑))教会の前にもクリスマスの屋台が出ていました。

 

ロアン宮(中に装飾博物館、美術館、考古学博物館が入っています)、ルーヴル・ノートルダム美術館へ。特に後者は大聖堂から移された彫像やステンドグラスが数多く展示されています。 写真の数が膨大なので、フォトチャンネルにしました。ちなみに1枚目の「キリストの頭部」は、1060年頃の作品で、完全な形で現存する最古のステンドグラスと言われています。

ルーヴル・ノートルダム美術館(ストラスブール)


 

旧市街の中心、グーテンベルク広場にやってきました。活版印刷技術の発明者として有名なグーテンベルクはある時期ストラスブールに住んでおり、手にしている紙に書いてあるのは旧約聖書の1節「そして、そこに光が現れた」だそうです。

    

 

だんだん暗くなってきて、いい写真が撮れました!ずっと見たいと思っていたイルミネーションの実物を間近にして大興奮!大聖堂前にはホットワインやお菓子、クリスマスの飾りなど沢山の屋台が立ち並んでいました。そして、遊覧船で夜景も堪能…しかし、それにしてもとんでもなく寒かったもっとぶらぶらしたかったけど限界を感じて泣く泣く宿へ…

翌日はストラスブール大聖堂をじっくり見学。

            

      

↓青、黄色、緑のコントラストが美しい、西正面のバラ窓。

 

↓私のカメラではこれが限界でしたが、下から2番目が「ソロモンの裁き」のステンドグラス。



↓聖堂奥にある天文時計。12時半になると、キリストと使徒たちが現れてくるくる回るのですが、これを見るためにものすごい人が集まっていました。





塔にも登りました。この大聖堂は尖塔の高さが142m、中世に作られたものとしては最高だそうですが、螺旋階段を100段ほど登ったあたりで、登ったことを早くも後悔…だって、所々壁が抜けてて吹きっさらしなんですもん!もう怖いのなんの。しかし今更降りるのも…というわけでなるべく下を見ないようにしながら(それでも見えてしまうんですが)何とか塔のてっぺんに到着。



↑ここからドイツの「黒い森」も見えるらしいのですが寒いし怖いし、生きた心地もしませんでしたなので早々と退散しかし帰りの階段は上り以上に壁のない部分が多くて怖かったです。だけどこれを作った昔の人は、当然こんな高い所に上って作業してたわけですよね。ひえぇ…

↓サン・トーマ教会。バラ窓の美しいプロテスタント教会です。ストラスブールには多くのプロテスタント教会、プロテスタントの神学校もあります。

    

   

そしてこちらの教会はジルバーマンのパイプオルガンも有名で、モーツァルトもここで演奏会を開いたことがあるとか…この当時はオルガンにはあまり興味がなかったのですが(まさか自分が弾くようになるとは思いもよらず)、ちゃんと写真は撮っていた…。

 

↑散策途中で発見!何も何も、ちひさきものはみなうつくし



いかにも「アルザスに来た!」という感じの散歩道。

 

↑よく見ると、川が凍ってる…寒すぎ

 

もう電車の時間が迫っているという頃になって、超かわいい雑貨屋さんと、その奥のクリスマスマーケットを見つけてしまう…でも泣く泣く駅へ。駅の周辺にも屋台がありました。帰りの電車の外では吹雪が…しかしこの時は電車のトラブルなどもなく、見る場所を絞ったお陰で時間的にも余裕があり、割と穏やかな旅ができたと思います。できることならもう1度、ヨーロッパでクリスマスを過ごしてみたいですね

来年はずっと工事中(というか放置?)のままだった「私が見てきたステンドグラス」国内編も少しずつ更新していきたいと思います。今年も作品を買って下さった方、BlogやTwitterを見て下さった方、そして活動を支えて下さった方、どうもありがとうございました。どうか皆様、良い年末年始をお過ごしください
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ローザンヌ大聖堂(’09.11.22)

2020-12-30 13:12:55 | フランス
「私が見てきたステンドグラス」今回はスイスのローザンヌ大聖堂です。



最初にまずは懐かしい写真を(笑)魚に授乳するマリア様、東京でステンドグラスの学校へ通っていた頃、卒業制作で模写した作品です。オリジナルは衣服も紫なのですが、サンゴバンには似たようなガラスがなくて勝手にブルーにしてしまいました そして、まだ1年目だったので技術の未熟さから組み立て中に3分の2ほど組んだあたりで叩き過ぎてバラッバラになり一から組み直す羽目になった忘れ得ぬ課題でもありました…

で、このオリジナルというのはローザンヌ大聖堂に入っているバラ窓の一部なのですが、フランス滞在中にローザンヌはパリから電車で日帰り可能と知り、自分がかつて作った作品のオリジナルを訪ねることにしました。しかし、当時私が滞在していたのはパリから電車でさらに2時間ほどの場所。日帰りとなると朝6時前に出発、お昼にローザンヌに着き、15時にローザンヌを発って夜8時にパリ、帰宅は10時。ローザンヌにいるのは実質3時間ほどというトンデモスケジュールに…仲間には泊まって来いと散々言われたんですが宿代が惜しいあまりに頑固に日帰り決行しちゃいました



まず、ローザンヌ中心街にあるサン・フランソワ教会へ。どこに行っても、教会を見つけたら即入ります(笑)

  

 

絵付けのないシンプルなロゾンジュや、こんな現代チックなステンドグラスも入っていました。

        

ローザンヌはとっても坂の多い街。しかも急斜面です。普通カテドラルは街のどこからでもすぐ見える位目立つはずなんですが、駅からは見えず・・・しばらく坂道をうねうね登ってようやく辿り着きました。

 

坂の両脇にはブランド物のお店やかわいい雑貨屋さん、お菓子屋さんなどがひしめいていて、朝市も立っていました。時間がなくてゆっくり見ることはできなかったけど(何せ滞在時間3時間)、買い物スポットとしてもいいかもしれません。

      


     

着いてみたらカテドラルは思ったより小ぢんまりとしていましたが、幸い天気にも恵まれ、ステンドを見るには持ってこいでした

    

    

↓残念ながら当時持っていたデジカメではこの大きさが限度でしたがこれがローザンヌのバラ窓。

 



私が模写したマリア様とついにご対面!中央下から2番目にありますが見えるでしょうか?この反対側の窓はどんよりとして暗かったけど、バラ窓からは燦々と光が差し込み、ステンドグラスがとてもキラキラと輝いていました

パンフレットには、このバラ窓には、世界の創造主である神の周りに地上と海、空気と火にまつわる様々なテーマ、季節、1年をめぐる月々、黄道十二宮、世界の果ての怪物などが描かれ、中世の世界観を表していると書いてありました。季節ごとの労働が描かれているのは、人間の生活の営みを神が祝福されていることの象徴である、ということも、以前何かの本で読んだ気がします。売店で売っていた本を見ていたら、このバラ窓には私が模写したもの以外にも2つほど、女性が生き物(何故かカエルとか)に授乳してる系の絵があることが判明しました(笑)これはどういう意味なんでしょう。。。

売店ではバラ窓のポストカード(残念ながら私の模写したマリア様は売り切れでしたが)とポスターを買いました。この時のポスターは、今も自分の作業部屋に貼ってあります

で、また長時間電車にゴトゴト揺られ、帰途に着いたのでありました

ちなみに私はフランス滞在中、フランスの方が集う改革派の?プロテスタント教会へ通っていましたが、後日この顛末を教会で話した所、最初は「嘘だろ!?」となかなか信じてもらえず、終いには「お前はクレージーだ!!」と言われる始末…それをさらに帰宅後仲間に話すと「そりゃそうだよ」と。やっぱ日帰りで行くとこじゃなかったかぁ~。でもまぁ、自分が模写したパネルのオリジナルと対面できたから良し!






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ロンシャン教会(’09年9月)

2020-12-29 12:23:33 | フランス
今年もあと数日ですが、クリスマスが終わって今年やり残したことはないかな~と模索する日々です。今まで暇を見て整理してきた「私が見てきたステンドグラス」、海外編はあと2つ3つで終わりなので、あわよくば今年中に海外編の執筆を終えられたらなと思っています。今回は建築好きにはたまらない、ロンシャン教会を。

’09年9月、課外授業でロンシャン教会の見学に行って来ました。ロンシャン教会は、近代建築の父と呼ばれるル・コルビュジエ晩年の名作で、正式名称はNotre-Dame du Haut。

 

距離的に日帰りはキツいので泊まりがけで。アトリエから先生の車に揺られること約5時間で教会到着。この変わった形の会堂はカニの甲羅からヒントを得たのだそうです。着いてみると日本人の見学者が結構いました。

           

礼拝堂は小さいながら自然光を効果的に取り入れる造りになっています。お恥ずかしながら現代建築には全然興味がなく、コルビュジエのことも全然知らなかった私でしたが、1歩礼拝堂へ足を踏み入れた時の静謐さと、窓や屋根の隙間から入ってくる光の美しさにはとても感動させられました。今でも写真を見返すと、その時の静謐な空気感を懐かしく思い出します。

その後ダルドヴェールの美しいSacré Coeur教会を見学。「ダルドヴェール」は、2~2.5センチの厚板ガラスをセメントや樹脂で固めたものでこの後授業で制作する予定になっていたので、その事前勉強も兼ねて…。普段は閉まっているため、事前に連絡して開けて頂きました。

          

  

 

ここの教会で1番気に入ったのは、洗礼室のダル。周囲の壁一面がダルで、美しい光に溢れています。こんなところで洗礼を受けられる人はいいなぁ…(笑)

翌日はアルザス方面へ。先生の学生時代の同級生の方の工房を見学させて頂きました。現在教会からの注文を請け負っているとのことで、作業場には天使や聖書の物語を描いたパネルが所狭しと並んでいました。

また、この方はこの近くにある教会のオルガニストでもあるそうで、帰り際にそこの教会で実際にオルガンの演奏を披露して下さいました

            

ステンドグラスの図案は聖書でお馴染みの場面や聖人が多かったです。

               

美しいステンドグラスとオルガンの音色をダブルで楽しみ、とても贅沢な時間を過ごしました
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Joyeux Noël!2020

2020-12-29 09:55:23 | 教会関係
2020クリスマスおめでとうございます!…とか書いてる今日は既に29日なんですが、教会的には公現日の1月6日まではクリスマス期間ということでお許しください~



先日ご紹介したアドヴェントのキャンドルホルダーに、庭の柊を切って飾りました。クリスマスのアレンジに使えるかなと思い、去年鉢で買ってきて地植えしたらちゃんと根付きました。10~11月辺りから実が赤くなり始め、未だにそのままです。生命力の強さを感じます

 



花巻教会では24日の18時より、感染予防を行いつつクリスマス・イブ礼拝を行いました。来場者にはマスクの着用とアルコール消毒をお願いし、受付で検温。賛美歌は曲数を例年の半分に減らし、聖書朗読は全て牧師が行いました。お土産のカップケーキもなし。昨年のクリスマスにはとても考えられないことでした。

(ちなみにコロナとは関係ないのですが、今年から会衆はキャンドルではなくペンライトを持つことになりました。最近安全面への配慮でペンライトに切り替える教会が増えてきていますが、うちの教会でもついに昨年、キャンドルの炎で前髪を焦がしてしまった方が出てペンライトへの移行を決意しました。勿論本物のキャンドルの美しさには到底叶わないのですが、フリースなど石油系素材の服なんかも危険ですもんね

今年はポスターも作らず、新聞に案内も掲載依頼しなかったのですが当日は40名の参加があり、初めてのご家族も2組いらっしゃいました。しかし、とりわけ都市部の教会の多くが今年はイブ礼拝を中止せざるを得なかったことを思い、胸が痛みます。



今年も沢山のクリスマスカードを頂きました。ありがとうございました!

なかなか先が見えない中にありますが、クリスマスの喜びと希望がお一人お一人の心に灯されますように。どうか皆様、良い年末年始をお過ごしください
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アドヴェントのキャンドルホルダー

2020-12-16 11:50:59 | コパー作品
今年のアドヴェントは11月29日から始まりました…が、しょっぱなから熱を出し、大コケ幸いすぐに回復しましたが、確か去年のこの時期もインフルだったような…



今年は他にも事情があり玄関用の大きなリース作りはできませんでしたが、外ツリーは早くも11月中に教会員さんが飾り付けをして下さいました。アドベント第3主日には雪が降り始め、翌日にはツリーも見事な雪仕様に!



ちょいと出遅れたけど「神殿での奉献」を出しました。10年くらい前に模写したもので本当は降誕後1週間くらい経ってる場面なんですが(生後1週間で既に首が座ってるイエスちゃん(笑))、赤や緑の雰囲気がクリスマスっぽいのでこの時期に飾っています伊万里焼の聖家族やオーダーで作ってもらった羊の親子も毎年出しています

そして今年はアドヴェントのキャンドルホルダーが登場!第1週は受胎告知、第2週はヨセフへのお告げ、第3週はベツレヘムへの旅、第4週は御降誕、とクリスマスまで毎週違った絵柄が楽しめます例によって小指の爪以下なパーツが多くて大変でしたが、アドヴェントに間に合って良かった!

     

暗がりだとこんな感じです。

       

さて、コロナのこともありあまり大体的にはお知らせしていませんが、今年も教会の方でクリスマス・イブ礼拝を行ないます。12月24日、18時からです。どうぞ感染対策を十分なさった上でお出でください


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