受難週の真っただ中に、パリのノートルダム大聖堂が火災!という衝撃的なニュースが入ってきました。留学中、また新婚旅行でも訪れた思い出の地で、奇しくも先日旅日記を書いたばかり!ステンドグラスの破損状況が気になるところです。
今年のレント(受難節)は、新作キャンドルホルダーと紫のミニチャーチを作りました。予定が大幅に遅れて受難日ギリギリに完成
この紫のガラス、かなり悩んで買いましたが素敵
キャンドルホルダーとミニチャーチで大分使い切ってしまい、最早切れ端しか残ってません
モチーフその1は「神の小羊」。洗礼者ヨハネが、自分の方へイエスが来られるのを見て「見よ、世の罪を取り除く神の小羊だ」と言った、という記述がヨハネ福音書にあります。子羊と共にAgnus Dei, qui tollis peccata mundi, miserere nobis.(世の罪を除き給う神の小羊、我らを憐れみ給え)という、合唱などでもお馴染みのラテン語の祈祷文を入れました。
この面は大好きなBachのオルガン曲
O Lamm Gottes.unschuldig(BWV1095)をイメージしつつ作りました。今年ついに自分でもチャレンジしてみたのですが、手鍵盤だけで弾くと手をガバッと広げないといけないところが多々あって大変だった~。一応礼拝で弾いたけど怪しいところが多かったので、来年このじきにまたチャレンジしようと思います
モチーフその2は側面の2枚。十字架に「INRI」の文字。INRI は、ラテン語の「IESUS NAZARENUS REX IUDAEORUM」の頭字語で、「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」という意味です。キリストの磔刑において、十字架上に「イエスが自らを神の子でありユダヤ人の王であると称し、神を冒涜した」という罪状書きを掲げたことに由来します。また、中央の赤いジュエルは、十字架で流されたイエス・キリストの血潮を表現しました。
モチーフその3は、イエス・キリストと、一緒に処刑された二人の盗人の3本の十字架の立つ丘です。3人が処刑された時、全地が暗くなったと聖書にあるので空には暗い雲を。中央の広いスペースにはイザヤ書53章5節「彼が刺し貫かれたのは/わたしたちの背きのためであり/彼が打ち砕かれたのは/わたしたちの咎のためであった。彼の受けた懲らしめによって/わたしたちに平和が与えられ/彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。 」をヘブライ語で書き入れました。ヘンデルの「メサイア」の歌詞にもなっている箇所です。讃美歌21-303(丘の上の主の十字架)が心に浮かんでくるようなデザインになりました。
さらに、縁の部分は茨の冠をイメージして、銅線で有刺鉄線のようなものを作って取り付けました。これが結構大変で、最初に全部作ってから取り付けることができず、結局ハンダで1つずつ固定しながら仕上げました。持つときに手に当たらないようにご注意を
暗がりでキャンドルを入れるとまた雰囲気がぐっと変わってきます。
4/18(木)には、教会で洗足木曜日礼拝が行われました。
今年から新たな試みとして「消火礼拝」を取り入れました。受難節は7週ありますが、待降節とは逆に、蝋燭の火を一つずつ消していきます。今日が受難週の何週に当たるのか、あとどのくらいでイースターなのかが一目でわかって良かったと思います。洗足木曜日、全ての蝋燭の火が消えました。
洗足木曜日礼拝の式次第やスライドに映している絵画が毎年同じだったのですが、今年は洗足の様子を描いたステンドグラスに変えてみました。私が留学中にストラスブール大聖堂の隣の、ルーブル ノートルダム美術館で撮ったものです。古いステンドグラスも沢山ありましたが、その中でも特に印象に残っていた1枚です。
今年のレントはパリ・ノートルダムの火災のほか、同日の午後にクライストチャーチでの銃乱射、イースターの21日にはスリランカで連続爆破テロ、と悲しいことが続きました。人々の平和な生活が守られるよう、切に祈ります