久々の「私が見てきたステンドグラス」、今回はニースのシャガール美術館とヴァンスのロザリオ礼拝堂をご紹介します。HPの国内編はずっと工事中のまま…いつ完結するのかわかりませんがどうか気長にお待ちください
'09年7月10~14日、友人2名と共に南仏へ。フランスでどの地方が好きかと問われたら私は即南仏と答えていますが、ちょうどラベンダーの咲き誇る時期でとても印象深い旅でした。13日、午前中ニースのマティス美術館とシャガール美術館を見て、午後はロザリオ礼拝堂を見に行きました。
気合を入れて朝早くマティス美術館目指して歩いて行ったらまだ開館時間前だったので近くのシミエ・フランシスコ会修道院を見に行きました。
教会には墓地が隣接しています。立派なお墓が多い!
何と、ステンド入りのお墓!!フランスで初めて見たときはびっくりしたのですが、最近は日本でもお墓にステンドって増えてきてますよね。現に私もお仕事で作ったことありますし…。そしてこの時は知らなかったのですが、マティスのお墓もこの近くにあったようです。見逃しちゃった…。
その後マティス美術館を見て、シャガール美術館へ。旧約聖書を題材にした絵を中心に展示されています。美術館って大抵薄暗くて混雑するイメージがあって日本ではあまり好きではなかったのですが、ここは光が燦燦と降り注ぎ開放感れる場所でとても気に入りました。
ちなみに、シャガール美術館へは2013年に新婚旅行で再訪することができました。画像はその時と変わらないのでこちらからどうぞ。ご覧ください。
新婚旅行記②ニース
お昼ごはんの後、ニースの長距離バスターミナルからバスに乗り、ロザリオ礼拝堂のある「ヴァンス」という村へ向かいます。バスに乗ってる間にだんだん雲行きが怪しくなって来ましたが、バスを降りて歩くこと15分。礼拝堂到着です。
記憶が定かではないのですがロザリオ礼拝堂は多分テレビで見てその存在を知ったように思います。南国の青空と緑の中に佇むその白い会堂は、今まで自分が抱いてきた「華麗なステンドグラスの入ったゴシックの大聖堂」という教会に対するイメージを真っ向から覆すものでした。名前も場所もわからないけれどいつかこの小さな教会を訪れてみたい・・・!!!その時からそんな思いをずっと心の片隅に抱き続けて来ました。
入り口のかわいらしい魚と星のステンドグラスに迎えられ階段を降りて行くと・・・時折人の足音と息遣いだけが聞こえる静謐な空間。装飾的な要素が極力排除され白で統一された会堂、床には青やレモンイエローの光が零れ、壁には力強い黒の素描・・・華やかなゴシックの大聖堂とはまた対極的な、そぎ落とされ、選び抜かれた美しさを感じました。天気が曇り空だったことが少し残念でしたが、特にマティスが選び抜いたブルー、グリーン、レモンイエローの3色のガラスを用いたステンドグラスは、見ているとまるで海の中を漂っているような安らぎを感じました。残念ながら写真撮影禁止だったので、ステンドグラス紹介と言いながらお見せできないのがもどかしいですが、できればいつかもう一度、夏のプロヴァンスを訪れてこの空間に立ちたいものだなぁと思います。
マティスはこの礼拝堂について、こんな言葉を残しています。「陽気さのあふれた教会。人々を幸せにする空間」
まだ勉学の真っ最中ではありましたが、ロザリオ礼拝堂のステンドグラスの前で、自分もあわよくばマティスの言うような、「人々を幸せにする空間」を作る人間になりたいと思ったのを覚えています。それから10年が経ち、その理想通りになっているかと聞かれれば未だ心もとないものがありますが、それでも自分がかつてお仕事をさせていただいた先の方が、ステンドグラスがご自宅にやって来たことで心慰められ、癒されているというお話をして下さることがあり、それが救いと同時に制作を続けるエネルギーになっています。たとえ完全ではなくとも、全ての人を満足させることはできなくとも、生涯をかけて自分ができる限りのことを追い求めていくだけだろうなと、今は思っています。
その後またバスでニースに戻って、海で1時間半ほど自由行動。丸い石ばかりだったので裸足で歩いてもそんなに痛くはなかったです。日本海側で育った私にとっての海は荒くて冷たいイメージが大きいのですが、南国ニースの海はすごく穏やかで暖かく、優しい感じがしました。砂浜ですりガラスもいっぱい拾いました。やっぱフランスだからなのか、ワインの瓶らしき緑のガラスが多かったです。日本のビール瓶のような茶色いガラスは全然ありませんでした。やっぱり所変われば・・・なんですね、こんなのも。
この翌日、香水産業で有名な「グラース」という街へ行き、夜行でアトリエへ戻りました。 次回はロンシャン礼拝堂をご紹介したいと思います
'09年7月10~14日、友人2名と共に南仏へ。フランスでどの地方が好きかと問われたら私は即南仏と答えていますが、ちょうどラベンダーの咲き誇る時期でとても印象深い旅でした。13日、午前中ニースのマティス美術館とシャガール美術館を見て、午後はロザリオ礼拝堂を見に行きました。
気合を入れて朝早くマティス美術館目指して歩いて行ったらまだ開館時間前だったので近くのシミエ・フランシスコ会修道院を見に行きました。
教会には墓地が隣接しています。立派なお墓が多い!
何と、ステンド入りのお墓!!フランスで初めて見たときはびっくりしたのですが、最近は日本でもお墓にステンドって増えてきてますよね。現に私もお仕事で作ったことありますし…。そしてこの時は知らなかったのですが、マティスのお墓もこの近くにあったようです。見逃しちゃった…。
その後マティス美術館を見て、シャガール美術館へ。旧約聖書を題材にした絵を中心に展示されています。美術館って大抵薄暗くて混雑するイメージがあって日本ではあまり好きではなかったのですが、ここは光が燦燦と降り注ぎ開放感れる場所でとても気に入りました。
ちなみに、シャガール美術館へは2013年に新婚旅行で再訪することができました。画像はその時と変わらないのでこちらからどうぞ。ご覧ください。
新婚旅行記②ニース
お昼ごはんの後、ニースの長距離バスターミナルからバスに乗り、ロザリオ礼拝堂のある「ヴァンス」という村へ向かいます。バスに乗ってる間にだんだん雲行きが怪しくなって来ましたが、バスを降りて歩くこと15分。礼拝堂到着です。
記憶が定かではないのですがロザリオ礼拝堂は多分テレビで見てその存在を知ったように思います。南国の青空と緑の中に佇むその白い会堂は、今まで自分が抱いてきた「華麗なステンドグラスの入ったゴシックの大聖堂」という教会に対するイメージを真っ向から覆すものでした。名前も場所もわからないけれどいつかこの小さな教会を訪れてみたい・・・!!!その時からそんな思いをずっと心の片隅に抱き続けて来ました。
入り口のかわいらしい魚と星のステンドグラスに迎えられ階段を降りて行くと・・・時折人の足音と息遣いだけが聞こえる静謐な空間。装飾的な要素が極力排除され白で統一された会堂、床には青やレモンイエローの光が零れ、壁には力強い黒の素描・・・華やかなゴシックの大聖堂とはまた対極的な、そぎ落とされ、選び抜かれた美しさを感じました。天気が曇り空だったことが少し残念でしたが、特にマティスが選び抜いたブルー、グリーン、レモンイエローの3色のガラスを用いたステンドグラスは、見ているとまるで海の中を漂っているような安らぎを感じました。残念ながら写真撮影禁止だったので、ステンドグラス紹介と言いながらお見せできないのがもどかしいですが、できればいつかもう一度、夏のプロヴァンスを訪れてこの空間に立ちたいものだなぁと思います。
マティスはこの礼拝堂について、こんな言葉を残しています。「陽気さのあふれた教会。人々を幸せにする空間」
まだ勉学の真っ最中ではありましたが、ロザリオ礼拝堂のステンドグラスの前で、自分もあわよくばマティスの言うような、「人々を幸せにする空間」を作る人間になりたいと思ったのを覚えています。それから10年が経ち、その理想通りになっているかと聞かれれば未だ心もとないものがありますが、それでも自分がかつてお仕事をさせていただいた先の方が、ステンドグラスがご自宅にやって来たことで心慰められ、癒されているというお話をして下さることがあり、それが救いと同時に制作を続けるエネルギーになっています。たとえ完全ではなくとも、全ての人を満足させることはできなくとも、生涯をかけて自分ができる限りのことを追い求めていくだけだろうなと、今は思っています。
その後またバスでニースに戻って、海で1時間半ほど自由行動。丸い石ばかりだったので裸足で歩いてもそんなに痛くはなかったです。日本海側で育った私にとっての海は荒くて冷たいイメージが大きいのですが、南国ニースの海はすごく穏やかで暖かく、優しい感じがしました。砂浜ですりガラスもいっぱい拾いました。やっぱフランスだからなのか、ワインの瓶らしき緑のガラスが多かったです。日本のビール瓶のような茶色いガラスは全然ありませんでした。やっぱり所変われば・・・なんですね、こんなのも。
この翌日、香水産業で有名な「グラース」という街へ行き、夜行でアトリエへ戻りました。 次回はロンシャン礼拝堂をご紹介したいと思います