アトリエ 籠れ美

絵画制作、展覧会、美術書、趣味、その他日常の出来事について
平成27(2015)年5月4日より

温故知新と商売

2016-08-26 06:11:01 | 随筆(日記、旅行)、お知らせ、こぼれ話
 最近すっかり言わなくなったが、昔はしたり顔でよく温故知新と言ったりする専門家が多かった。子供の頃、温故知新とか言っておきながら、日本人はあまりリメイクしないなあと思ったものだ。特に映画がそうだ。

 アメリカはよく映画のリメイクをやる。やったところでオリジナルを超えられないのだが(超えるどころか、明らかに劣る場合も多いのだが)、しかしながらリメイクすると必ずオリジナルがテレビ放映されたり、DVDで再発売されたりして、商売になる。しかもリメイク作品が赤字でしたって話もあまり聞かない。そして何よりも、やっぱりオリジナルはすごいね、名作だねと再認識される。まさに温故知新で、だから日本もリメイクをやればいいと思う。

 昔に比べれば日本もリメイクをするようになった。アメリカは新しい物を良しとする風潮があるので、リメイクしやすい雰囲気があるのかもしれない。逆に日本は処女作なんて言葉がある通り、処女志向で、ひたすらオリジナルを愛でる傾向があるのかもしれない。どうせリメイクしてもオリジナルを超えられないからというわけだ。しかしながら、その割には日本では先行者利益が出ない、いや全く出ないわけではないが、その利益は欧米に比べ極端に低い。これは一体どういうことなのか。矛盾してないだろうか。

 つまりは、先行者利益の多い国ではよくリメイクし、先行者利益の少ない国ではあまりリメイクしないということになる。世の中そんなものなのかなあ、私には謎である。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿