あすかパパの色んな話

日々の暮らしの中で思ったことを書き込んでいきます。
今までのように写真、競馬の予想、スポーツネタも続けていきます。

“ホームラン競争シリーズ”を制するのは!? 阿波野秀幸の2008日本シリーズ展望

2008年10月31日 20時22分03秒 | 野球
2008年のプロ野球日本シリーズが11月1日に開幕する。セ・リーグが巨人、パ・リーグは西武と、ともにリーグ優勝チームがクライマックスシリーズ(CS)を勝ち上がり、文句なしの頂上決戦となった。西鉄時代を含め過去9度の対戦があるこのカードだが、前回の2002年は、原政権1年目の巨人が無傷の4連勝で西武を下し日本一に輝いた。通算10度目となるシリーズ伝統の一戦の軍配は、果たしてどちらに上がるのか。解説者の阿波野秀幸氏にその展望を語ってもらった。

■いかにホームランを防ぐかが勝負の分かれ目

今シリーズは『ホームラン競争シリーズ』とでも名付けましょうか。ホームランの多く出た方が有利に戦いを進めるでしょう。どちらも効果的なホームランが出やすいチームなので、それがシーズン通りに出るかどうか。そして、ディフェンス側はそれをいかに阻止できるか、というところが勝負の分かれ目ですね。また、今回はホームランの出やすい東京ドームで4試合行われるということで、この辺りも見どころになってくるでしょう。広い球場で下位打線なら、アウトローに投げればホームランは防げるのですが、東京ドームではそういうセオリーも通用しないので、西武・細川、巨人・鶴岡と2人のキャッチャーは相当神経を使うでしょうね。どちらもバッターの内角をうまく突いて結果を出したチームなんで、精度良く、効果的に内角を攻められるかどうかがすごく大事な部分になってきます。

■阿部の代役を果たした鶴岡が強み
 勝敗予想は、ずばり4勝3敗で巨人です。巨人は、打線では高橋由の欠場は大きな痛手となるでしょう。これで左打者で試合を決められるバッターがベンチに入れられなくなりました。しかし、その代わりCSを欠場していた阿部が代打、もしくはDHで打線に戻って来られるめどが立ったのは大きいですね。そして一番の強みは、CSで阿部の代役を務めた鶴岡が攻守にわたってしっかり仕事ができたことです。捕手としてのインサイドワークも評価できますし、第3戦では先制のホームランを放つなど打撃面でも貢献しました。

 そのほかキーマンとして挙げられるのは、高橋由の穴を埋める亀井と谷ですね。先発投手の左右によっては、この2人が1番と6番に入れ替わりで入ることになるんじゃないでしょうか。東京ドームでは阿部がDHに入れませんし。CS第1戦で右足を痛めた鈴木尚も復調しているようですが、ここ一番での代走要員としてベンチに取っておくかもしれません。また、ベテラン選手が多いチームにおいて、ことし1年活躍した亀井や坂本といった若手が、日本シリーズという大舞台でどういったプレーを見せてくれるのかという点は、試合の勝敗を抜きにして楽しみなところです。

■クルーン交代劇でチームが結束した巨人
 投手陣では、CS第3戦の9回、先頭の中村紀に死球を与えたクルーンの交代劇が注目を集めましたが、私はあの交代が巨人にとっては良かったと思います。結果、リリーフした山口が失点はしたものの、引き分けに持ち込み、試合を落とさずに済みました。短期決戦では調子の良さだったり、相性だったり、そういうものも加味した継投やベンチワークが必要になってきます。もちろん巨人にはクルーンで締めるという基本線はありますが、非常事態が起きたときには「こういうこともあるぞ」「みんなでやるぞ」というメッセージが、あの交代でベンチやブルペンに伝わったと思います。

 先発陣でカギを握るのは、交流戦で2度西武に負けているグライシンガーです。しかも、5回7失点、4回7失点と2試合とも打ち込まれての敗戦だけに心配ですね。おそらく第2戦と第7戦に登板することになると思いますが、もしグライシンガーが交流戦と同じように2つ落とすようなことになると、巨人は厳しいでしょう。逆に、交流戦で8回無失点と好投した内海や高橋尚といった左腕が、左投手にもろさを見せる西武打線をしっかり封じたいところです。

■勝負強さを発揮したいキーマン・石井義

西武打線は切り替えの早い選手が多く、たとえ1試合打てなくても、次の試合では一気に爆発する力を持っています。CSを見ていても振りがすごくて、仮に凡退してもスイングの強さで相手投手にプレッシャーを掛けられるバッターが多いのが特徴です。大舞台だからヒットを打ちたいと、当てにいくようなバッティングになるのは良くない傾向ですが、追い込むまではフルスイングして、追い込まれたら対応していくというシーズン通りのバッティングができれば大丈夫でしょう。

 その打線においてキーマンは、3番・中島と4番・中村のホームランが警戒される中、その後を打つ石井義ですね。広角に打てるいいバッターなので、ピッチャーがファウルで粘られ根負けすることがシーズンでも度々ありました。彼が持ち前の勝負強さを発揮できるかというところがポイントになってくるのではないでしょうか。また、パ・リーグの本塁打王に輝いた中村はCSでホームランなしに終わりましたが、これは2割4分4厘というシーズン打率からも分かるように、一発さえ打たせなければ大丈夫といった投球をされています。日本シリーズでも、おそらく巨人バッテリーがそういった攻め方をしてくる中で、いかに後ろの石井義につなげるバッティングができるかがカギですね。

■経験豊富な石井一が巨人打線に立ちはだかる!?
 投手陣では、第1戦の先発が濃厚な涌井は、何かずば抜けたものというよりは総合力で勝負する投手なので、その日の精密度が大事になるでしょう。悪いところを試合中にいかに修正できるか、巨人打線を意識せずに本来の自分の投球ができるかどうかがポイントですね。意識しすぎると配球が偏ったり、余計に疲れたりするので。初戦を託される投手というのは、相手がどうというより、まず自分の投球をやりきるということが重要になってきます。
 第2戦の先発が予想される岸は、まだ場慣れしていないところがありますが、岸に対する首脳陣の期待はかなり大きいんですよ。西武はことしを黄金時代の1年目にしたいという気持ちなので、これからを背負っていく選手たちにいい経験をさせなくてはいけないということを、監督以下が意識してるんじゃないかなと思います。
 こうした若手主体の先発陣の中で、大舞台での経験が豊富な石井一の存在は頼りになりますね。巨人の4勝3敗と予想したのも、石井一がここ一番で巨人打線に立ちはだかり、待ったをかけそうな気がするからです。

 一方、不安なのは中継ぎですね。抑えのグラマンが故障明けでCSでも思うような投球ができていなかったりと、まだはっきりとした形がつくれていません。こうしたことから、第3戦に先発する投手を第7戦のリリーフ要員にするとなると、石井一を第4戦に投げさせて、帆足を先に持っていくんじゃないかなと思いますね。
 また、DHが使えない東京ドームでの試合で、少なくとも1試合に2回は打席に立つであろう西武投手陣が、バントをしっかり決められるかどうかという点もポイントになるでしょう。

■“若さの西武”vs.“経験の巨人”
 若い選手が多い西武はこれからが楽しみなチームで、チャレンジャーとして臨みます。一方の巨人は、小笠原ら経験値の高い選手がたくさんいますし、日本シリーズに勝たなければいけないと宿命付けられているところがあります。そういう意味では“若さ”対“経験”といった構図の戦いになるのではないでしょうか。西武は、渡辺監督が「このチームはまだまだ伸びしろのあるチームだから多少のミスも出る」と語るように、実際CSでは細かいミスが出ましたし、日本シリーズでも出る恐れはあるでしょう。しかし、監督が「ひとつミスをしても、それを取り返せ」というぐらいの気持ちで送り出しているので、それが選手の伸び伸びさにつながっていると思いますし、その中で日本シリーズという大舞台を経験して勝てれば、強さはだんだん本物になっていくでしょう。

 投手力では巨人の方が安定感があるものの、どちらも打撃のチーム。とくに西武のような若いチームはどちらに転ぶか分かりません。実際に今季の交流戦では、3勝1敗と西武が打ち勝ちました。野球ファンの皆さんは、息詰まる投手戦も面白いけど、派手な打ち合いというのもどこかで期待していることでしょう。そういう戦いを匂わせるメンバーがそろった今回の対決。楽しい日本シリーズが見られるのではないでしょうか。(スポーツナビ)




最新の画像もっと見る