抜群の制球力で3安打完封勝利の酒田南・安井。4試合連続完封と頼りになる左腕エースだ
第91回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間)の山形大会は24日、準決勝2試合を行い、酒田南が日大山形を2-0で下し、2年連続11度目の決勝進出を決めた。エースで4番の安井亮輔投手(3年)が、先制本塁打と3安打完封の活躍。酒田南対新庄東の決勝戦は、7月25日午後1時から山形蔵王タカミヤホテルズスタジアムで行われる。
投打にワンマンショーだ。安井が強豪の日大山形に立ちはだかり、2年連続9度目の優勝へ王手をかけた。
「うれしかったです。勝ててよかったです」
淡々とした試合後のたたずまいとは対照的に、グラウンド上では打って投げて躍動した。
4番として二回無死で左打席に入り、カウント0-1からの真ん中内寄り直球を強振し、先制の右越えソロ本塁打を放った。初球のスライダーを見送り、待っていた直球を見逃さなかった。
高校通算3号アーチで気をよくし、エースとしては3安打完封。四球はわずか1つで13三振を奪った。左腕からの直球、スライダー、カットボール、チェンジアップをコースへ投げ分け、五回一死二、三塁のピンチでは後続を遊飛と二ゴロでピシャリ。六回以降はパーフェクトに抑えた。
西原忠善監督(46)は安井の好投について「本調子ではなかったです。ていねいによく投げました。(私が)普段はめったにほめないので、意地になっていると思います」と精神面の成長を評価。同時に技術的な助言も送っていた。
7月21日の準々決勝で勝ち、安井は翌22日と23日の2日間で「投げている時、背中が“くの字”になっていると監督に言われました」と前かがみになっている欠点を指摘され、背筋を伸ばして胸を張った。その結果が4戦連続完封。今大会はすべて1人で投げており、32イニング無失点だ。
25日の決勝戦は新庄東と対戦する。いたって冷静なMAX140キロ左腕は「勝てればいいです」と連続無失点を意識せず、2連覇に向けて投げるだけ。優勝する瞬間まで、心からの笑顔はとっておく。(サンスポ)