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あんしんたべものくらしネットワークあしの会 ブログ

こだわりの生産物・加工品の産地の様子や生産者の声、イベントの案内などの情報をお届けします。

お米づくり体験ツアー 田植え編 レポート 

2008年06月17日 09時06分02秒 | 活動の報告
 5月18日(日)、初夏の風がふきぬけ、雲ひとつない晴天のもと、今年で3年目を迎えます「お米つくり体験ツアー 田植え編」を、NPOはらっぱと共催で、丹波市氷上町の吉田農場にて開催しました。今回はその模様をレポートします。
 このイベントは、安心安全な食の普及活動の一環として開催し、消費地のみなさんが生産現場にふれることで、食の大切さを感じる機会を提供できればと考えています。
 当日は、電車で柏原駅集合か、農場までマイカーでの現地集合だったのですが、スタッフを含め大人30名、子ども25名とたくさん参加いただきました。
農場主の吉田吉彦さんにあいさつの言葉を頂き、ご子息の仁志さんの手馴れた指導を受けてスタート。去年から続けて参加いただいている方は、のっしのっしと田んぼに入り、初めての方は恐る恐るの足取りです。3歳の子どもは、田んぼの泥の感触が怖いのか、入るのに戸惑っていました。小学生や4・5歳の子ども達は、虫とり蛙とりに夢中で、田んぼの横の水路に入ったり、畦道を走り回っています。車も通らず、大きな声を出しても誰にもしかられない、ひとむかし前の自分の姿がだぶるようでした。

 吉田農場のお米づくりは、農薬・化学肥料不使用栽培です。このため雑草対策が必要となり、「紙マルチ」農法を行っています。「紙マルチ」とは、幅約1.8m・長さ100mのロールした厚紙を専用の田植え機に備え付け、この紙を水田に敷きながら上から穴を開け、苗を植え込んでいくしくみです。紙が余分な雑草の発生を抑え、苗の生育を助けます。参加者のみなさんも、まるめた紙を田んぼに敷きながら、指で穴を開け、苗を2・3本つかみ、植えていきます。そして隣の人の紙との間に隙間を作らないように植えていくのが難しく、横を見ながらまっすぐ下がっているつもりでも、すこしずつ斜めになっていたりで、みなさん少し苦労されたようです。

 お昼前には、子ども達を集め、いちご畑とたまねぎ畑へ移動。畑で真っ赤になった苺を見ると、とても魅力的ですが、今年は苺の出来が少なかったので、その場ではがまん、がまん。お昼ご飯のデザート用にしようということで、容器に入れ母屋まで持って帰ってもらいました。そして早生のサラダたまねぎを収穫。充分に生育し、茎が折れ曲がったたまねぎを、子ども達は「わっしょい、わっしょい」と抜いていきます。子ども達にとっては、苗を植える作業よりも、収穫する作業の方がおもしろかったのかもしれません。みんなはじけるような笑顔です。

 さて、たくさん作業した後は、お待ちかねのお昼ごはんの時間です。普段夙川の総菜屋さんで腕をふるっている吉田班の方と、はらっぱ保育所の台所を預かる方おふたりが、おいしいカレーとサラダ、おにぎりを用意してくれました。さすがプロの手際、大所帯の空腹を満たしてくれました。食材はもちろん、吉田農場で取れたお米・野菜たちが中心。そして農場自慢の自家産豚の焼肉も登場です。こちらは、参加者の吉岡さんと森川さんが、有志として焼き係を担当してくださいました。でも、このとってもおいしい豚肉が、もうすぐなくなるのは本当に残念です。

 今年は新しい企画として、子ども達に「ネイチャービンゴゲーム」に参加してもらいました。これは、昆虫・蛙などの生き物や、ニラやたまねぎといった畑の作物などが描かれたビンゴ用紙を配り、子ども達がそれを見つけるごとにチェックを入れて、ビンゴの枠を埋めていくというゲームです。全てそろった子も、田植えを夢中でやっててそろえきれなかった子も、「がんばったで賞」で、ジュース(もちろん無添加)がプレゼントされました。
 さてお昼からは、のんびりムードで、植え残した田んぼの仕上げや、収穫したたまねぎの運び出しを行いました。
 そして、イベントの最後に「がんばれ紙マルチくん!コンテスト」と題して、参加者のなかで誰が一番きれいに田植えができたかを、参加者全員の推薦で投票。優勝の方には、獲れたてのサラダたまねぎ3コが贈答されました。そして吉田さんを囲んで記念撮影を行い、無事全日程を終了しました。

 普段当たり前のように、わたしたちの食卓にならぶ「お米」。この「お米」ができるまでの過程である「田植え」という一場面を、参加いただいたみなさんと共に体験できたことをうれしく思います。あのちっちゃい苗が、大きくなり、やがて穂を付け、実っていきます。ご家庭の食卓で、「ほら見てごらん、お茶碗のなかのごはんを。今日植えた苗が育っていくと、こんなおいしいご飯になるんだよ。」、なんてひとコマがあったらすてきだなあ、とスタッフで想像しています。
 最後になりましたが、今回も快く農場を提供いただきました、吉田さんご夫婦と、当日の指導員をしてくれた仁志さん、ほんとうにありがとうございます。またイベントを支えてくださった吉田班の皆さんにも感謝です。
 また9月14日(日)には、お米つくり体験ツアーの2回目「稲刈り編」を開催する予定です。今回参加された方はもちろん、初めての方も大歓迎ですので、ぜひご予定ください。これから来る梅雨や、暑い夏をすぎて、立派に実った穂を刈り取り、一緒に農的な一日をすごしてみませんか。 

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「放射線の食品照射問題」の勉強会の報告です。

2008年03月13日 10時07分22秒 | 活動の報告
食品に放射線を照射するという動きがあると聞き、食品照射ネットワーク世話人の里見宏先生をお招きして、2月10日(日)勉強会を開催しました。参加した、あしの会会員の報告と感想を紹介します。


 いのちと食べものの事件が次々と起こり、それに気をとられていると、政治の裏側では、いくつかの致命的なコトが同時進行しているのだと強く考えさせられた集まりでした。
 わたし達の食卓に欠かせない香辛料の素材(しょうが、にんにく、玉ねぎ、にんじん、みょうが、よもぎ、ニラを含む94種類)へ、放射線照射を解禁するようにという報告書を、いわくつきの「原子力委員会」が、2006年10月作成、お役所のお墨付きを与えようとしている。ズサンな解体作業による牛肉を照射「殺菌」し、生鮮くだものを照射「殺菌」して、日本へ輸出しようとするアメリカ合州国の要求に応じる前哨戦として。
 農薬、食品添加物、内分泌撹乱物質等々、微量長期摂取しているツケが、じわじわと私たちの心身をむしばみつつある現在、さらにその上、放射線照射というおそろしい危険まで加わろうとしているというお話の内容でした。
 腐らない食べものは誰のため、何のために作られているのか? 企業が大量に生産し、長期貯蔵し、世界のすみずみまで運び、売りさばくためであって、食べる私たちにとっては危険こそいっぱいで何ひとつ益がない。
 和光堂のベビーフード原料野菜放射線照射事件は1974年~78年(78年末に最初の子が生まれた時で仰天)。それから30年たち、もうひろく食品に放射線を照射することは、燃えカスになっていると思っていたので、今回の勉強会の題名を目にして、はて何のことでしょうと出かけて行ったのでした。
 お話しのなかでもびっくりしたことの一つは、1996年にカナダから輸入された鮭に異臭があり、送り返された事件で、異臭の原因は放射線照射のせいであったというのです。(カナダ産表示の鮭って多いよ・・・?) じやがいもは発芽防止のため今も放射線照射が認められている(「食品衛生法第11条[食品を製造し、又は加工する場合は、食品に放射線を照射してはならない]の例外規定」)。1996年から2007年の10年余の間でも18件の違反があったそうです(放射線量を検査する方法ができていない体制で)。放射線照射により発生するシクロブタノンという物質の発がん促進作用は、すでにラットで確認ずみ。
またぞろ「これこれの放射線照射量までなら食べても大丈夫(すぐにはどうということもない!)」というキヤンペーンがなされるだろう。しかしたとえそれがどんなに小さな(?)危険に思われても、危ないものはあぶない。危険が証明されて(死者が出て)からでは、あとのまつり。「疑ワシキハ罰セズ」ではなく、食べものに関しては、「疑ワシキハ罰ス=『安全ではない』」と肝にめいじた勉強会でした。
 冷凍ぎょうざや放射線照射食品は、もちろん口にしませんからと、ただ知らんぷりしているわけにはとてもいかないようです。


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りんごの生産者「あくと佐藤さんご夫婦」とそば打ち交流会

2008年02月11日 10時04分49秒 | 活動の報告
~りんごの生産者「あくと佐藤さんご夫婦」とそば打ち交流会~

 2月6日(水)、西宮にて、あしの会のりんご・ぶどう・桃(いずれも減農薬栽培)の生産者「あくと 佐藤さんご夫婦」を長野よりお招きして、交流会を行いました。
 
 奥様の佐藤和子さんはそばうち名人。ご自宅を改築されて民宿をされており、お宿で手打ちそばをふるまっておられます。この日は、出張そば打ちということで、長いそば打ち用の麺棒を肩にかけて、関西までやってきて頂きました。
 「そば打ち」はとても体力が必要で、そば粉を水を加えながら粉ねること約20分、その生地を麺棒にて伸ばすこと約20分。特に麺棒で生地をのばす最後の作業は、小さな身体のどこにそんなパワーがあるのかと思うほど激しいものでした。
 作業の間は、そばのよもやま話をお聞きし、「ええっとさっき聞いたそばのつなぎに使う草花の名前はなんだっけ?」「もう忘れたの?」なんて笑いながらの楽しい時間でした。
 あしの会の主婦の世話人のみんなで、おにぎりとかき揚げを用意して、さあいよいよそばの味見です。
 「う~ん、おいしいっっ!」
 十割そばならではのそばの香りと、和子さんの腰の入った打ち込みから生れる腰の強い麺がたまらなくうまかったです。
 
 食事の後は、今季のりんごの作柄や出荷について、佐藤武士さんより話をお聞ききしました。
「今季は比較的天候もよく、おいしいりんご、ぶどうが獲れたようです。ふじりんごは、蜜の入ったあまいりんごが届けられていると思います。」
また万が一傷みがあったら、すぐ代替を出してくれるとのこと。生産者と消費者の本音で話をすることができたように思います。
 毎年関西に来てくれるあくとの生産者さん。「顔の見える関係」を実践してくれることに感謝です。
 
今季のりんごのお届けは、2月と3月で終了となります。二人の顔を思い描きながら食べるりんごは、きっといつもより少しおいしいんちゃうかな!

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