アジアはでっかい子宮だと思う。

~牧野佳奈子の人生日記~

農家と写真家の共通点。

2008-02-23 | ~2012年まじめ系の日記
今、あわら市にある直売所のホームページづくりをやってまして、ちょくちょく農家さんのところに取材にいきます。

で、すっごく思うの。

農家って、スゲー。


今では少しずつ変わってきているようですが、数年前までは、農家っていえば「汚い」「辛い」のマイナスイメージ。私が農学部に行くって言い出したときも、親戚そろって反対されました。

私が無知で浅はかなだけかもしれないけれど、農家のマイナスイメージに加えて、「農業くらい誰でもできる」っていうようなイメージが、私たちの意識の中に少なからずある気がする。・・・私の中には、ありました。

だって、種植えれば勝手に生えてくるじゃない?


いや何言ってんだ、それを育てること、量をこなすことがどんなに大変で重労働か!
ーーーそれは分かってまんがな。確かに種を植えただけじゃ~食っていけねえ。だけどそういうのは肉体労働の辛さだろうよ。仕事やってりゃ皆おんなじさ。

ってことは何かい?昔から農民の位が低かったのは、誰にでもできるからってことかい?
ーーーそんなの知らねえよ。だけど確かに農民の位が低かったことが、潜在的な農業のイメージをつくってるってのはあり得るな。


そんな自問自答が今にも聞こえてきそうです。


まぁ、それはともかく、農家さんの話を聞いていると感心させられることがたっくさんある。・・・きっとどの職業でも同じなのかもしれないですが、農業に関しては特に “知っていると思っていたのに無知だった!”というような驚きが無数にあるのです。

例えばこんなこと。
夏になると畑にゴロゴロしているスイカは、苗をかんぴょうの苗に挿し木して植えられます。この挿し木の技術はもちろん、両方の苗づくりの段階で土の温度管理を間違えば、その年のスイカは一発でアウト。収量や良い品質は見込めません。

またサツマイモの農家さんで聞いた話では、新しい品種を育ててみる場合、土との相性が合うまでに3年ほどはかかるそうで、その土地の土質や水はけに合わせた肥料のやり方、水のやり方、その他もろもろを試行錯誤しながら慣らしていくそうです。


言われてみれば納得・・・の話でも、そういった類いの感心をするたびに、毎回「農業って難しいんだなぁ」としみじみ思うわけです。

恐らく、大工とか漁とか、見るからに “難しそう”で “プロフェッショナル”な仕事ではなく、あまりに身近で体験してみやすい仕事内容なだけに、そうした新鮮な感動を味わえてしまうんでしょう。やってみたけりゃいつでもできる、わけですから。


でね、浅はかな私はまた思うわけです。

・・・「写真」と似てるな。


写真は今や、サルでも撮れる時代。右の人差し指を動かすだけですから。
だけど本当はそんなもんじゃないんです。
シャッターを切る一瞬のタイミング、事前の環境設定、被写体との関係づくり、瞬間的なカメラ操作、感覚、感性、判断力・・・。挙げ出したら切りがない。


「農業」と比べたら、「写真」なんてのは到底浅い仕事なのかもしれませんが、それでも私は声を大にして言いたい!

農家と写真家は、もっとステータスが高くていいんじゃないかあ???


“誰にでもできる” けれど “誰にでもはできない” 仕事。
一部の成功者を除いては、どっちも地味で、今やお金にならない仕事です。(どっちも設備投資が高いしね。)
ちなみにヨーロッパではアーティストへの社会的尊敬がとても高いと聞いたことがあるし、、、その辺の価値観が、日本でももっともっと改善されていけばいいなぁと思うのです。
農業だって、もっともーーーーっと尊敬されていい職業だよ、絶対。


とはいってもなかなか難しいね。
潜在意識ってのは、そう簡単には変わらない。自分も含めてね。

だからこそ私ゃ~やるよ。
「写真」で「農業」のステータスを上げてみせる!!!

・・・・・かぁっこいいなぁ~。さすがだね。(自分で言うな!)


こうやって自画自賛しながらやんないと、やってられないからね。
きっとこれも “共通項” なんだろうなぁ。。。




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