あろてあろあ日記

単なる日記です。特にテーマもありません。
目的地を定めない旅行もいいものです。

ワープロと手書き

2006-04-22 | Weblog


修習第一週目が終わりました。
ちょっと疲れたので,昨日はマッサージに行ってしまいました。おやじです


昨日は即日起案というものがありました。

即日起案というのは,事件の資料が配られ,それを分析し,その日のうちに判決などの書面を完成させる作業を言います。

昨日は,弁護士のところに法律相談に来た依頼者から事件の依頼を受け,裁判所に訴えを提起する書面である訴状を作成する,という起案でした。

事件の内容はそれほど複雑ではなかったのですが,それでもいろいろ検討することが盛り込まれており,判断に悩むところもいくつかありました。


けれど,より問題なのは,ワープロが使えず,手書きで書かなければならないということでした。
手書きで文章を書くことなんて,昨夏の司法試験以来だったのでなかなか筆がすすまず,最後は時間がたりなくなってしまいました。


ワープロとは便利なものです。
とりあえず書いて,後から修正するということができます。
前半がよくわからなかったら,項目だけ挙げて,先に後半を書く,ということもできます。
何よりもいいのは,内容の完成と書面の完成がほぼ同時にできる,ということです。

手書きだとこうはいきません。
後からの修正も,誤字脱字や簡単な語句の挿入しかできません。
前半を書いてからでないと,後半も書けません。
そして,内容が完成してから書面を書き始め,時間差で書面が完成することになります。


確かに手書きだと,よく考えてから文章を書くことになり,実力がつく,という理由からこのような措置を取っているのだろう。けれど,いまどき手書きで書類を作成する弁護士なんてほとんどいないのだから,ワープロにしようよ,と文句を言いたくなりました


そう思っていると,なるほど,と思える記事が新聞にありました。
プロ野球オリックスの清原選手が,デットボールを受けたことに怒り,報復を示唆する発言をしたことに対して,よける技術も身につけるべきだ,と指摘し,次のような王貞治監督の言葉をあげていました。
『相手が悪い,という考え方では,自分がしんどくなるよ。』



僕が研修所にワープロでも起案できるように訴えても変わるはずもなく,文句を言っていても仕方がないので,とりあえず手書きで書く技術を身につけよう,と思った次第です



エリートと非エリート

2006-04-20 | Weblog
修習も本格的になってきました。

研修所の科目は,大きく5つに分かれます。
『民事裁判』『刑事裁判』『検察』『民事弁護』『刑事弁護』です。このほかに選択科目があります。
このうち,『民事裁判』『刑事裁判』は裁判官,『検察』は検察官,『民事弁護』『刑事弁護』は弁護士が教官となります。

教官となる裁判官・検察官は,いわばエリート中のエリートです。
講義初日の自己紹介での過去の経歴の話には,だだ,ははーっつと頭を下げるしかありません。研修所の教官になることは,裁判所や検察庁のなかでもエリートコースのひとつのようです。

でも,さすがにそれだけのことはあって,講義の内容はいずれもすばらしく,講義を聞いているだけでも,研修所に来た価値があったと思えるくらいです。



『ブラックジャックによろしく』という漫画の中で,一人ひとりの患者に一生懸命になる主人公の研修医に対して,教授が「君が救えるのは君が出会った患者だけだ」「私は既に私の研究成果で数百万人の患者を救ったよ」というやり取りがあります。

これは臨床より研究を優先させる医学部教授に対する皮肉の趣旨で書かれているの
だとおもいますが,僕は医者がひとりひとりに一生懸命になることも必要だし,研究も大事だと考えています。



司法研修所の教官は裁判の現場にかかわってきて,今後また現場に戻っていくので,これと同列に論ずることはできませんが,裁判官や検察官や弁護士にも,エリートとして全体を作り上げていく人間とひとりひとりにかかわる人間両方とも必要だと思っています。

ただ,エリートが全体の利益の名目に自分たちの利益を図ってはならないし,非エリートが自分たちの満足のもとに向上心をなくしてしまってはならないのでしょう。

結局は,エリートはエリートとして,非エリートは非エリートとして,ともにプロフェッショナルでなければならないということだろうと思います。


僕は当然非エリートなので,非エリートなりのプロフェッショナルを目指すべく,がんばっていきたいと思います。



それにしても,昨日の飲み会での教官のハイテンションぶりにはびっくりしました。飲み会でも,エリート(?)でした







修習三日目

2006-04-19 | Weblog
今日当たりから実質的に授業が始まりました。

やはり、三ヶ月から二ヶ月に短縮された影響は大きいです。

授業はどんどん進み、教官が時間内に終わらせるのが困難なほどです。
でも、教官はそんなことはお構いなしにガンガン講義を進めていくので、落ちこぼれになりそうです。


とは言っても、やることはやらねばならないので、今日はクラス飲み会でした。

とりあへず、今はみんなハイなので、仲良くしていますが、そのうち本性が出て来たらどうなることでしょう。


そういう意味からすると、二ヶ月はちょうどいいのかも知れませんね。

講義初日

2006-04-18 | Weblog


早速2日目から講義開始です。

前期修習が3ヶ月から2ヶ月に短縮されたことから,当然のように6月16日までみっちり休みなしのハードスケジュールです。
全体的に講義内容が圧縮されているので,一回一回の講義の密度が高くどんどん自分で予習復習を自主的に進めていかないとついていけなくなりそうです。

よって,昨年まであった健康管理日という名のスポーツ大会などの遊びの要素が一切ありません。


修習の内容のひとつとして起案というものがあります。
事件の記録が渡され,それを元に裁判の判決書など書類を作る作業です。
ほとんどが即日起案(朝記録が渡され,夕方までに完成させる。)であり,5月後半には,六法を除いて一切の資料を見ずにに書き上げられるようにならなくてはなりません。


修習前,仕事と課題で忙しかった私は,『修習といっても基本的に夕方までだし,土日は休みだし,案外余裕が持てるのでは?』と思っていたところ,それは甘い考えでした。

昨日の入所式で,事務局長から,修習生が修習に専念するのは,別に,修習生自身が裁判官などになるためのものではなく,国民に対する義務であるということを言われました。


修習が税金で行われている以上,当然のことなのですが,肝に銘じて生きたいと思っています


修習開始

2006-04-17 | Weblog
始まりました。

入所式。
といっても、大きな会場でやるわけではなく、一つの教室のライブを他の19クラスで中継で見るかたち。

自己紹介。
ひとり2分30秒で75人分、3時間以上。

入所パーティ。
1000人以上が入れる会場ということで赤坂プリンスホテルへ。



とにかく、人数が多く、カリキュラムが非常にハードなので、クラスの人の顔と名前が一致することなく、前期修習が終わりそうです。