再会

入り口に足を踏み入れた途端


名将のオーラが飛び込んでくる

数年経っても変わることはない

強者と幾多の勝負を繰り広げてきた
勝負師の威厳



現役はもう退かれたのだろうか？

僕のことなど覚えておいでではないだろうから
なんとなく声をかけるタイミングを失う

なんとなくだ




会場設営

・・・

リハ開始

リハ終了


・・・

本番それなりのものがやれる気がする

集中力は失っていない



１３時本番開始

１４時半本番終了

片付け

撤収




何度もチャンスはあったが
話しかける事はできなかった

むしろ

「ものすごく練習しとるんやろうな」

と、声を掛けていただくも



笑みを作るのがやっと・・・

何も言えず、



逃げるようにその場を離れてしまった

頭の中が、数年前モード

悪いときの自分に巻き戻り





帰り際、

集団から離れた際



吸い込まれるように

バッタリ




僕は、今だとばかりに

背筋を伸ばす



声を出そうとした瞬間



「あんた、前に会っとるよな？」



後の先を取られる


さすが


なんだ？そっちも同じような事考えてたのか？



忘れらない一日