さらい屋五葉7巻まで読了。
押し入った先では金に目もくれずに女子供を惨殺して回り、竜の首を刎ね、紋次まで殺した。
イチさんがどんどんダークサイドに堕ちて行く。
そして政も、堕ちた。
イチさんの被った仮面に綻びが見え始めてからのストーリーは、「こっち来んじゃねえ」「そっちに行かせてくれでござる」の攻防戦のように見えていたのですが、遂には「共に堕ちるでござる」まで到達。
人斬りなんてしたことのなかった政が初めて人を殺めてまでイチさんの側に踏み入った瞬間、野暮の領域も越え、同時に人間道の境界までをも踏み越えてしまったように感じました。
他人の為に修羅道へと堕ちる。
人間として非難すべき兇状、軽蔑すべき暴戻が露見しても尚、それでも共に在りたいと願う。共に堕ちる道を選ぶ。
強さってのは、覚悟ってのは、こういうことをいうのかなと。
いつまでも逃げられるはずがないと最初に腹を括ったのは、当事者のイチさんではなく政の方でありました。
追っ手からも過去からも逃げずに共に対峙する覚悟をイチさんに示し、イチさんにも決断を迫る。
政は強えな。元々逃げるだけの器用さを持っていなかったとも言えますが。イチさんは逃げ方も逃げ道もその為には何が必要かも知っていた。
やっと両者の歩調が揃ったところで、さてどうなるか。
アニメでは一話の冒頭シーンが誠之進拐かしの場面だったので、誠之進=イチさんという点に気付きさえすればイチさんの抱える「過去」については凡そ察しがついたのですが、原作では7巻になって漸くなんですね!
過去の大きな事変を全く見せず、断片や証言だけを小出しにし、それを繋ぎ合わせて朧な輪郭を作り出していく原作の手法。
八木殿が匂わせていた昔話をベースに、銀太の「どこのお旗本の出だい?」で読者に揺さぶりを掛け、政の「弥一殿は拐かしに遭われたのだ」で決定打を与え、過去話へ。
何の予備知識もないまっさらな状態で原作を読んでみたかったような気もします。
そして、アニメを見ていた時にずっと抱いていた最大の疑問―――イチさんはどうして自分を売った裏切り者の名前を名乗っていたのか、が原作を読んで解消されました。
アニメでは「使用人弥一の無実」をイチさんが知ったのは、仁を殺める直前。
ということは、弥一を名乗り始めた時点でイチさんが持っていた情報としては(心情はどうあれ)「自分は弥一に売られた」ということだけ。
なので最初は、自分がこの男に売られたという事実を忘れないようにという戒めの意味があるのかなと思っていて、でも話が進んでいくにつれ使用人弥一がどう見ても裏切るような人間には思えなくて、だったら裏切ったと聞かされても俄かには信じられなかった未練が弥一を名乗らせたのか、いや寧ろ「信じたい」という誠之進の強い願望がそうさせたのか、憎悪と愛惜が綯い交ぜになった複雑な心境が齎したものだったのか、とか色々、ホントに色々考えておりました。
裏切りは裏切りでも、使用人弥一は誠之進をあの家から解放してあげるために自ら汚れ役を買って仁たちと接触したのかも、なんてトンデモ推理までしたり。
しかし原作では、弥一の無実をイチさんが知ったのはもっとずっと前、まだ白楽に居たロン毛誠之進の頃だったとは!
こんがらがった糸がすっと解けた心持ちがいたしました。
誠が「弥一」を名乗ったのは、100%思慕の念からだったと。
それが解ると、八木殿が墓前で語りかけた「あいつはおめえの名を名乗ってるんだぜ」がジーンときたりおーんとなったり大変です。
と考えると、境遇としてはアニメイチさんの方がより過酷だわな……。
原作イチさんは、少なくとも「弥一」という拠り所があったわけですから。もちろん彼は既に鬼籍の人だけど、「誠之進が大好きだった弥一は最後まで誠之進の最良の友であったんだよ」という事実はイチさんの中で揺らがぬ支えとなっていたはずだから。
そして飼い主から石を投げつけられるように追い立てられたわんこ松。
息を切らせて逃げながら、見損なった的な言葉を吐いていましたが、イチさんがそうしたのは松を巻き込みたくないと考えたが故の芝居だったと信じたい。
松もそこで簡単に恩人を切り捨てられちゃうような割り切った男ではないと信じたい。
状況は限りなく逼迫して断崖絶壁の手前3センチってところだけど、それでも皆がイチさんを救いたいと思っているんだ。イチさんはまずそこに気付くべき。
銀太とイチさんとの意外な接点も見えてきてドキドキです。そうきたか!
もしや銀太は知ってた? それで仲間に入りたいと言い出したのかな?
それとも二人を繋ぐこの線は、偶然?
以前目利きの徳さんに店を潰した賊について訊ねていたところを見ると、偶然なのかな。
だとしたら因果だね。(by じさまズ)
も、もしかして、イチさんの情報を白楽の残党に売ったりしてはいないか!?
第八集は秋ですか。ドキドキ。
もう団子一本でどうこうなるような次元じゃない。
どうすんだコレ。追っ手全員皆殺しにするのか。そんなんで片付くのかっていうかそんなことできんのか。
どんな力技を使ってもこっからハッピーエンドには持っていけない気がしますよハラハラ。
団子300本くらい持ってくればどうにかなりますか。
■■■
>Hむれん様
またお越し頂けて嬉しゅうございます。PCはまぁ老体ですのでね。(苦笑) ファイルは見つからないわ、クッキーは一斉に切れるわで、いよいよかという感じです。大事にならないうちに買い換えます。昨夜は松をわんこ呼ばわりした途端再起動の刑に処せられました。多分松の呪いです。無言の抗議かもしれません。奴はツンデレなので「犬呼ばわり」はまだ許せてもわんこは我慢ならねかったのかもしれません。厄介な野郎です(笑)。Hむれん様のお宅も家電大量死ですか(汗)。家電ってやつはどうして一つが壊れると俺も俺もと連れションみたいに逝くんでしょうか。買った時期も違うというのに。掃除機はともかく、携帯が死の床というのは気掛かりですね。データを道連れに逝かれる前に、お早く!
拍手のお侍様方も有難うございました。アニメが終わって一区切り、原作も読んじゃってまた一区切りです。久しく忘れていた公式からの燃料投下の有り難みを噛み締めた3ヶ月でございました。おサムライも何か燃料を。再放送でいいから。
愛のツッコミございましたら→
押し入った先では金に目もくれずに女子供を惨殺して回り、竜の首を刎ね、紋次まで殺した。
イチさんがどんどんダークサイドに堕ちて行く。
そして政も、堕ちた。
イチさんの被った仮面に綻びが見え始めてからのストーリーは、「こっち来んじゃねえ」「そっちに行かせてくれでござる」の攻防戦のように見えていたのですが、遂には「共に堕ちるでござる」まで到達。
人斬りなんてしたことのなかった政が初めて人を殺めてまでイチさんの側に踏み入った瞬間、野暮の領域も越え、同時に人間道の境界までをも踏み越えてしまったように感じました。
他人の為に修羅道へと堕ちる。
人間として非難すべき兇状、軽蔑すべき暴戻が露見しても尚、それでも共に在りたいと願う。共に堕ちる道を選ぶ。
強さってのは、覚悟ってのは、こういうことをいうのかなと。
いつまでも逃げられるはずがないと最初に腹を括ったのは、当事者のイチさんではなく政の方でありました。
追っ手からも過去からも逃げずに共に対峙する覚悟をイチさんに示し、イチさんにも決断を迫る。
政は強えな。元々逃げるだけの器用さを持っていなかったとも言えますが。イチさんは逃げ方も逃げ道もその為には何が必要かも知っていた。
やっと両者の歩調が揃ったところで、さてどうなるか。
アニメでは一話の冒頭シーンが誠之進拐かしの場面だったので、誠之進=イチさんという点に気付きさえすればイチさんの抱える「過去」については凡そ察しがついたのですが、原作では7巻になって漸くなんですね!
過去の大きな事変を全く見せず、断片や証言だけを小出しにし、それを繋ぎ合わせて朧な輪郭を作り出していく原作の手法。
八木殿が匂わせていた昔話をベースに、銀太の「どこのお旗本の出だい?」で読者に揺さぶりを掛け、政の「弥一殿は拐かしに遭われたのだ」で決定打を与え、過去話へ。
何の予備知識もないまっさらな状態で原作を読んでみたかったような気もします。
そして、アニメを見ていた時にずっと抱いていた最大の疑問―――イチさんはどうして自分を売った裏切り者の名前を名乗っていたのか、が原作を読んで解消されました。
アニメでは「使用人弥一の無実」をイチさんが知ったのは、仁を殺める直前。
ということは、弥一を名乗り始めた時点でイチさんが持っていた情報としては(心情はどうあれ)「自分は弥一に売られた」ということだけ。
なので最初は、自分がこの男に売られたという事実を忘れないようにという戒めの意味があるのかなと思っていて、でも話が進んでいくにつれ使用人弥一がどう見ても裏切るような人間には思えなくて、だったら裏切ったと聞かされても俄かには信じられなかった未練が弥一を名乗らせたのか、いや寧ろ「信じたい」という誠之進の強い願望がそうさせたのか、憎悪と愛惜が綯い交ぜになった複雑な心境が齎したものだったのか、とか色々、ホントに色々考えておりました。
裏切りは裏切りでも、使用人弥一は誠之進をあの家から解放してあげるために自ら汚れ役を買って仁たちと接触したのかも、なんてトンデモ推理までしたり。
しかし原作では、弥一の無実をイチさんが知ったのはもっとずっと前、まだ白楽に居たロン毛誠之進の頃だったとは!
こんがらがった糸がすっと解けた心持ちがいたしました。
誠が「弥一」を名乗ったのは、100%思慕の念からだったと。
それが解ると、八木殿が墓前で語りかけた「あいつはおめえの名を名乗ってるんだぜ」がジーンときたりおーんとなったり大変です。
と考えると、境遇としてはアニメイチさんの方がより過酷だわな……。
原作イチさんは、少なくとも「弥一」という拠り所があったわけですから。もちろん彼は既に鬼籍の人だけど、「誠之進が大好きだった弥一は最後まで誠之進の最良の友であったんだよ」という事実はイチさんの中で揺らがぬ支えとなっていたはずだから。
そして飼い主から石を投げつけられるように追い立てられたわんこ松。
息を切らせて逃げながら、見損なった的な言葉を吐いていましたが、イチさんがそうしたのは松を巻き込みたくないと考えたが故の芝居だったと信じたい。
松もそこで簡単に恩人を切り捨てられちゃうような割り切った男ではないと信じたい。
状況は限りなく逼迫して断崖絶壁の手前3センチってところだけど、それでも皆がイチさんを救いたいと思っているんだ。イチさんはまずそこに気付くべき。
銀太とイチさんとの意外な接点も見えてきてドキドキです。そうきたか!
もしや銀太は知ってた? それで仲間に入りたいと言い出したのかな?
それとも二人を繋ぐこの線は、偶然?
以前目利きの徳さんに店を潰した賊について訊ねていたところを見ると、偶然なのかな。
だとしたら因果だね。(by じさまズ)
も、もしかして、イチさんの情報を白楽の残党に売ったりしてはいないか!?
第八集は秋ですか。ドキドキ。
もう団子一本でどうこうなるような次元じゃない。
どうすんだコレ。追っ手全員皆殺しにするのか。そんなんで片付くのかっていうかそんなことできんのか。
どんな力技を使ってもこっからハッピーエンドには持っていけない気がしますよハラハラ。
団子300本くらい持ってくればどうにかなりますか。
■■■
>Hむれん様
またお越し頂けて嬉しゅうございます。PCはまぁ老体ですのでね。(苦笑) ファイルは見つからないわ、クッキーは一斉に切れるわで、いよいよかという感じです。大事にならないうちに買い換えます。昨夜は松をわんこ呼ばわりした途端再起動の刑に処せられました。多分松の呪いです。無言の抗議かもしれません。奴はツンデレなので「犬呼ばわり」はまだ許せてもわんこは我慢ならねかったのかもしれません。厄介な野郎です(笑)。Hむれん様のお宅も家電大量死ですか(汗)。家電ってやつはどうして一つが壊れると俺も俺もと連れションみたいに逝くんでしょうか。買った時期も違うというのに。掃除機はともかく、携帯が死の床というのは気掛かりですね。データを道連れに逝かれる前に、お早く!
拍手のお侍様方も有難うございました。アニメが終わって一区切り、原作も読んじゃってまた一区切りです。久しく忘れていた公式からの燃料投下の有り難みを噛み締めた3ヶ月でございました。おサムライも何か燃料を。再放送でいいから。
愛のツッコミございましたら→