『夢の遠近法』。
嬉しい文庫化です。
作家自身の解説付きですから、単行本を持っていても、これは買いの1冊。
増補 夢の遠近法: 初期作品選
著者:山尾悠子
発行:筑摩書房
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収録作品は13。
「夢の棲む街」、「月蝕」、「ムーンゲイト」、「遠近法」、「パラス・アテネ」、「童話・支那風小夜曲集」、「透明族に関するエスキス」、「私はその男にハンザ街で出会った」、「傳説」、「遠近法・補遺」、「月齢」、「眠れる美女」、「天使論」です。
既読の作品は「夢の棲む街」、「月蝕」、「ムーンゲイト」、「遠近法」。3分の1といったところでしょうか。
改めて、寡作の人であることを実感します。
山尾悠子さんの作品を、特に初期のものを読むなら、いっそ『山尾悠子作品集成』をえいっ!買うのが簡単なのですが、なんだか全部読んでしまうのももったいなくてもたもたしています。
もたもたしつづけているうちに、案外、文庫化されてくるかもと思ったりして。
知る人ぞ知る、という位置づけの方でしたが、『ラピスラズリ』の文庫化で、その様子もだいぶかわったのではないかと思います。
とくに『ラピスラズリ』はわかりやすくもあったので。
物語を読んでいるというよりは、細密画の画集を観ているようだと、山尾悠子さんの本を読むたびに思います。
文字で絵を描く作家とでもいえばいいのでしょうか。
例えばだれかにあらすじを説明してもらってもほとんど意味がなく、とにかく自分でその本を開き、その文章を読んでみるしかないのです。
そして、そこに現れる世界に出会う。
そうすれば、当然、好きかそうでないかは分かれるはずですが、たとえ好きではなくても、好きな人たちが大絶賛するわけがわかると思います。
好きな人が少数派なわけも、もしかしたらわかるかもしれません。
購入すべきか、迷っていました。
きしさんお薦めの作品もはいっているしな~と。
やっぱり、買ってしまおうかな?w
ちなみにこの本、ワタクシは即買いでした。見た瞬間、持っていたというほどの。「遠近法」読んでほしいです…。
ちなみに、「夢の棲む街」の文庫は古本でも定価では買えません。意外に図書館にも数がない作家さんですし。
…って、どれだけ薦めるんでしょ、ワタクシ。
でも大事にじっくり読みますよ♪
夏よりは秋に読みたい本かも。先が楽しみですね。