あをぢる。

青い汁

私も破り捨てる派でした

2007年03月30日 07時30分18秒 | BOOK
リアル鬼ごっこ
山田悠介著


今年映画化もされるこの小説、
買った後に気がついたのですが
世間ではもんのすご~く評判が悪い

それも「読み終わったあと床に叩き付けた」
「破り捨てたくなった」クラスの評判の悪さである。


この小説について説明すると
著者:山田悠介氏はこの本がデビュー作で
書いた当時はまだ20歳。

自費出版にも関わらず、
40万部近くを売り上げている、脅威のベストセラーです。


内容は・・・
西暦3000年
国に500万人はいるとされる
「佐藤姓」の人間を抹殺すべく
国王が佐藤姓を捕まえる「鬼ごっこ」を企画する。

捕まった佐藤は殺されてしまうが、
もし生き残る事ができたら王様がひとつだけ、
何でも願いを叶えてくれる。


というのが大まかなストーリーです。


で、何がそんなにひどいかと言うと、
それをすべて説明していくと莫大な字数になってしまうので
ちゃんとは書けませんが

小説家というのは、
作品を書く時には
信じられない程の数の資料を読み、

設定に矛盾を作らないよう
常に心掛けているものだと思うのですが、

この小説には、設定の穴があまりにも多すぎる。



西暦3000年としながらも
現代と何ら変わらない点や
鬼ごっこのルールが単純なので
ルールの抜け穴はたくさん想像できるのに
それらを一切描写すらできていないところ

などなど
書いていくとキリがないので書きませんが

読んでみないことには
この小説のひどさは伝わらないかもしれません。

自費出版でなければ世に出なかったことでしょう。

そういえば昔、ホイチョイプロの漫画で
多い姓No.1の座を転落した鈴木姓と
No.1にのし上がった佐藤姓との
次期No.1を賭けた争いみたいなものがありましたが

バトル・ロワイヤルを見て影響された人が
ホイチョイの漫画を思い出して
ちょっと書いてみた小説

・・・の感じがしなくもないです。


しかしこの作者の小説、
他の作品も若者を中心にけっこう売れているし
「親指さがし」「8.1」「@ベイビーメール」など
映画化が5作品、ドラマ化が2作品、漫画化が5作品もされている。

「リアル鬼ごっこ」は
私は破り捨てたい衝動に駆られましたが

この怒りが収まったら、
他の小説も読んでみようかな・・・

ちなみにこの作者の新作「特別法第001条 DUST」は
こんな内容です

2011年、ニートの増加に伴い“棄民政策”が開始され、
特別法001条、通称“ダスト法”が可決された。
流刑地として名をはせた鬼哭島での刑期は500日。
国から棄てられた者たちの悲惨と慟哭。
食糧もなく、ただ廃墟と荒野が広がるだけの孤島。
敵からの襲撃、飢餓の中で、彼らがつむいだ唯一の光とは?
わずかな希望が奪われたとき、
生死を賭けた最後のサバイバルが幕を開ける!



設定は良さそうなんですよね、設定は