旅ゆけば

拙い旅の記録とひとりごと

生まれたばかりの頃①

2024-04-23 20:35:56 | 小旅行
人生に疲れた、とは私の夫の口癖だが、私ももうすぐ40半ばになり、今まであまり意識していなかった人生の折り返し地点を感じるようになった。
平均寿命で考えると、既に人生の約半分が終わっているかもしれないのだ。今までで一体何を成し遂げたというのだろう。しかも残り半分は、前半部分よりはるかにつらく、険しく、危ういだろう。 登山と同じだ。

体の方はと言えば、40歳を超えた辺りから明確に衰えや老いを感じるようになった。鏡に映る姿は、既に完全な中年である。全体的にもっさりと肥え、容姿を褒めらることは皆無となり、髪を切っても誰からも何も言われなくなった。ド近眼なのに近くの細かい文字がぼやけるようになった。声は低くなり伸びがなくなった。前髪も薄くなりみすぼらしく見えるようになった。 20年以上勤めている会社ではただ古いだけの存在となり、何となく用済みの枠に・・・。

夜、鏡で薄黒いクマのできた自身の顔を見るとき、そこには諦めが漂っているようだ。日々に追われて追う気も失せた目標、ほぼ叶う見込みのなくなった夢、本質の知れて全然憧れなくなった代物、一切がよそよそしくつまらなく思えてくる。

人間、精神的につらくなると原風景を求めるらしいが、私にもそのようなことが起こったのか、ふと幼少期に住んでいた場所を訪ねたくなった。
そのきっかけはよく分からない。今住んでいるところからそう遠くはないのでいずれ時間が出来たら一度行ってみたいと思っていたのかもしれない。
私は、ここ最近、やっと気候が良くなってきたことを幸いに、鮭の母川回帰のように、3歳位までを過ごした団地を訪れることにした。




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